
まずこれだけ抑えれば会議をうまく回せる!ファシリテーションのコツ【基本編】
まずこれだけ抑えれば会議をうまく回せる!ファシリテーションのコツ【基本編】 https://biz-tips-collection.com/wp/wp-content/uploads/2018/05/facilitation_eyecatch-1024x768.jpg 1024 768 Biz Tips Collection Biz Tips Collection https://biz-tips-collection.com/wp/wp-content/uploads/2018/05/facilitation_eyecatch-1024x768.jpg「明日の会議で絶対結論を出さなくてはいけない。」「突然会議のファシリテーターに任命された。」そんな時、最低限これさえ意識していれば、それなりに会議を運営できるであろうコツを紹介する。
ファシリテーションは、会議を有意義にするために重要なスキルだ。まずは、基本を抑えることが重要。以下の5つのコツを意識することから、ファシリテーションマスターへの第一歩を踏み出せるだろう。
ファシリテーションのコツ①:
会議の目的とアジェンダを事前に設定する
ファシリテーションで重要なことの1つは、しっかり準備をすることだ。中でも、最低限準備していくべきことは、会議の目的とアジェンダ(検討課題)だ。
目的とアジェンダ(検討課題の対処法を含む)が会議の内容の全てだ。
目的はそもそも会議を開催する意味であり、アジェンダはその目的を達成するための会議の予定表のようなものだ。はっきり言って、目的とアジェンダのない会議は会議ではない。ただの雑談だ。
基本の基のはずが、目的やアジェンダが明確でない会議はごまんとある。
「議論をたくさんしたのに、何も結論が出なかった」
「雑談だけで終わった」
そんな会議に終わってしまうのは、ほとんどの場合が目的やアジェンダが明確でないからだ。
また、会議の目的は、「今日この会議ですべき具体的な理由」でなくてはいけない。
たとえば、「ユーザー数を増やす」では広すぎる。もちろんこれは最終目的かもしれないが、今日のこの2時間で達成すべき目的ではない。
「来週実施する施策を決定する。」「広告出稿のメディアを選定する。」といった、その日決められることにすべきだろう。(もちろん、決定が目的でなく、共有が目的の会議もある。しかし、それは本来報告会と呼ばれるべきだ)
また、1つの会議でアジェンダの詰め込みすぎにも注意すべきだろう。
ファシリテーションのコツ②:
今どのアジェンダの話をしているのか、常に明確化する
会議の目的とアジェンダが明確になれば、いい会議とはちゃんとそのアジェンダに沿って実施される会議だ。そのためには、今どのアジェンダの話をしているのか、常に明確に把握しメンバーへ共有しなければならない。自分の中にだけとどめていては、メンバーは何の話をしたらいいかわからない。
まず、目的とアジェンダを一番初めに会議の参加者全員に共有する。
前項で用意したアジェンダシートをプロジェクターで共有しながら会議進行するのが典型的な手法だ。
次に、これからどのアジェンダの話をするのか、明言する。
いわゆる議事進行だが、ファシリテーターとして最低限の仕事だ。
「それでは、まず○○の件から始めましょう」「○○の件は、XXということでよろしいですか?では次に□□の件に移りましょう」といった感じだ。
今現在の話題を明確に共有することで、メンバーの話をしっかり話すべき内容に誘導できる。また、話が脱線した時にすぐ気づくことができる。そんな時は、遠慮せず話をアジェンダに戻そう。
例えば「それはいい点ですが、今のアジェンダではないので、次のアジェンダで話しましょう。」「その件は、○○さんと○○さんが話せばいい件だと思うので、この場ではいったんアジェンダに戻らせてください。」といった感じだろう。
ファシリテーションのコツ③:
名指しで人に意見を聞く
発言が出ない。
いつも同じ人ばかり話している。
これもよくある光景だ。
せっかく目的やアジェンダが明確でも、意見が出なければ、集まった意味がない。
そんな時は、ファシリテーターとして、遠慮せず意見を聞こう。それだけでも、会議を回している感も出せる。
名指しで意見を聞くのは、以下の3パターンのタイミングがいいだろう。
a:発言すべき人が明確な時
当然だが、発表者が決まっている場合や、特定の人しかわからない件の場合は、指名して意見を言ってもらおう。
b:全体に聞いて、意見があがらない時
「○○の件について、意見がある人はいますか?」とまずは聞くだろうが、それで意見が上がらない場合がある。そんな時は誰かを名指ししよう。全体に聞かれるより自分に聞かれた方が、人は答えなきゃとなる。
c:一部の人ばかり発言している時
一部の声が大きい人ばかりが発言していると、結論が偏ったり、他の参加者に当事者意識が芽生えなかったりする。そんな時はあまり発言していない人に「ちなみに○○さんはどんな意見ですか?」と聞いてみよう。
ファシリテーションのコツ④:
各アジェンダの最後と会議の最後に結論をまとめる
ファシリテーターの仕事は、上記のアジェンダ設定や意見のうながしが含まれるが、それは全て会議の目的を達成するためである。つまり、ちゃんと結論を出すことが重要だ。
アジェンダから次のアジェンダに移る際には、ちゃんと結論が出たのか、しっかりチェックしよう。白熱した議論をしたのに、なんとなく次の議題に移ってしまったり会議が終わってしまっては、何のための議論かわからなくなる。ざっくりとしたブレストや情報共有が目的ならまだいいかもしれないが、ほとんどの議題には結論がある。
また、出した結論は、しっかり全体に対して明言して、その場の同意を確認するのが大切だ。話の流れでまぁこんな結論になっただろうとひっそり議事録に書いて議題を終わらせてはいけない。それでは、メンバーの中に違う認識を持ったままの人がいてしまうことがある。そうすると、結論が実行されなかったり、決定したはずの議題についてまたミーティングを設定しなければいけなくなってしまうかもしれない。しっかり明言して共通認識を持つことが重要だ。
ファシリテーションのコツ⑤:
結論では、ネクストステップをまとめる
結論を出す時に注意したいのは、「で、会議の後どうするか」を明確化することだ。でないと、次のアクションに繋がらない。
ビジネスのミーティングは、学者として何が正しいのかの結論を出したいわけではない。ビジネスではアクションがないとことが進まない。
会議で「採用エージェントを導入する」という結論が出たとする。その段階で会議を終えてしまっては、導入することは決まったが、何も動いていないという状況になりがちだ。
例えば、では「どの採用エージェントを使うのか、を次回の議題とする」「○○さんがその件を実行する」といったネクストステップもセットで結論を出せれば、ビジネスを動かしていくことができる。
次に誰が何をするのかを明確にしよう。
担当者はしっかり指定するべきだ。すべきことの実行者がいないと会議の目的は達成されない。中々決まらない時は、そこはファシリテーターが思い切って指名すべきだ。
また、結局結論がでないことも現実的にはある。そんな時も、「結論はもちこす」ことを全体に明言し、「次回会議で話す」、「結論を出すために足りなかった○○の情報を□□さんが調べる」のようなネクストステップをしっかり設定することが重要だ。でないと、結論がでなかったまま、その議題が放置されることもありうる。
まとめ:
一番重要なのは、目的、アジェンダ、ネクストステップ
ファシリテーションにおいて一番重要なのは、目的やアジェンダについてしっかり議論し、結論としてネクストステップを必ず示すことだ。
①目的とアジェンダの準備
②常に現在のアジェンダの明確化
③名指しで意見を求めて議論を活性化
④アジェンダと会議の終わりごとに結論をまとめる
⑤結論を出す時は、ネクストステップもセットで決める
もちろんファシリテーションの手法は他にもたくさんある。しかし、これらさえ意識すれば、初心者でもそれなりのファシリテーションをできるだろう。