
ビジネススキルの分類 | カッツの理論でスキルの種類を体系的に知る
ビジネススキルの分類 | カッツの理論でスキルの種類を体系的に知る https://biz-tips-collection.com/wp/wp-content/uploads/2018/06/robert_eyecatch-1024x685.jpg 1024 685 Biz Tips Collection Biz Tips Collection https://biz-tips-collection.com/wp/wp-content/uploads/2018/06/robert_eyecatch-1024x685.jpgビジネススキルを伸ばしたい、と多くのビジネスマンが思うことだろう。また、部下のビジネススキルを評価して比較したい場合もある。しかし、ビジネススキルとは定義が曖昧で広い言葉だ。これをわかりやすく分類したのが、ロバート・カッツの理論だ。発表されてから長い時間がたったが、今でも成り立つ内容だ。ビジネススキルを整理することで、自分に何が足りていないか、何を鍛えるべきか、など見えてくるだろう。
カッツの理論は、ビジネススキルを大きく3種類に分類
カッツの理論は、当初管理職に必要なスキルを整理するために提唱されたが、その分類方法は管理職でなくても当てはまる。この理論では、ビジネススキルを、テクニカルスキル、ヒューマンスキル、コンセプチュアルスキルの3つに分類している。
すぐれたマネージャーやビジネスマンは、これらの3つを全てある程度兼ね備えている。また、自身の立場によってどのスキルがより重要かなどが変わってくる。
まず、それぞれを解説しよう。
テクニカルスキルは、業務遂行能力
テクニカルスキルは、実務の実行のための能力だ。業務遂行のために必要な、専門技術や知識を含む。
例えば、PC操作やパワーポイント、エクセルを使いこなす能力。または、扱う自社商品の知識もそうだ。SEであれば、プログラミングスキル。会計担当者であれば経理・財務の知識も入るだろう。このように、必要となるテクニカルスキルは、会社や業務内容によって大きく異なる。
テクニカルスキルは、スタッフ(作業実行者)である以上は不可欠なスキルである。かといってマネージャーなら全く不要ではないというわけではなく、ある程度の業務知識は必要だ。また、技術職であれば最も重要な能力だ。
ヒューマンスキルは、対人能力
多くのビジネスの現場では、決まった業務の遂行だけで全てが回るわけではない。対人コミュニケーションが発生する。ヒューマンスキルは、対人コミュニケーションの能力だ。
しっかり報連相(報告・連絡・相談)していくことや、チームワークも含まれる。リーダーシップを持って仲間を動かしていくことや、営業の現場での交渉力、または社内での調整力もヒューマンスキルだ。相手の懐に入り、人間関係を築くのもそうだ。
誰でもある程度必要となる能力だが、特に営業や管理職であればより重要となるだろう。
コンセプチュアルスキルは、概念化能力
最後の一見分かりづらいが非常に重要なのが、いわゆる「概念化能力」と呼ばれるコンセプチュアルスキルだ。事象や状況を構造化して捉えたり、抽象的に考えるスキルのことだ。物事を抽象的に捉えることで、大量の情報や複雑な事柄を整理し、問題の本質的な原因を捉えれたり、将来を予測したり、ビジョンを描くことが可能となる。いわゆるロジカルシンキングといった思考法や、発想力などもコンセプチュアルスキルの重要な要素となる。
また、コンセプチュアルスキルは、他のスキルも強化する。例えば、議事録作成というテクニカルスキルを考えてみよう。概念化が苦手は人は、とりあえずフォーマットにある必要な全ての項目を暗記するだろう。コンセプチュアルスキルが高い人は、要は「どの会議だったか(日時、人など)」、「決定事項」、「ネクストステップ」がわかればいいのだろう、と抽象化してポイントを捕らえることができる。これが優れている人は、いわゆる「仕事の飲み込みの早い人」だ。また、話の内容をうまく構造化できるので、わかりやすい説明も得意で、ヒューマンスキルも向上する。
立場によって重要なスキルが変わる
立場が上がると、必要なスキルの比重が変わってくる。
実務担当者であれば、主に比重を置かれるのはテクニカルスキルだろう。1チームのリーダーであれば、ヒューマンスキルが重要になってくるが、まだ自身でも業務遂行できる能力が必要だ。ミドルマネージメント、経営者などトップマネージメントと階層が上がっていくにつれ、テクニカルスキルの重要性は下がっていき、まずヒューマンスキルが重要となり、次にコンセプチュアルスキルの重要度が上がっていく。
そんなスキルの重要度の変容をイメージで表したのが、以下の図だ。
自身にとって重要なスキルを見極めて強化しよう
ビジネススキルの3分類を整理すると以下の通りだ。
・テクニカルスキル=業務遂行能力
・ヒューマンスキル=対人能力
・コンセプチュアルスキル=概念化能力
また、立場によって、各スキルの重要度は変わってくる。
また、本ブログの分類も、テクニカルスキル=「実務スキル」もしくは「専門スキル・知識」、ヒューマンスキル=「対人スキル」、コンセプチュアルスキル=「思考スキル」と言い換えて、それにそった形になっているので、ぜひチェック頂きたい。