【5分で丸わかり!】スーパーの新トレンド、グローサラントとは?背景やメリットは?

【5分で丸わかり!】スーパーの新トレンド、グローサラントとは?背景やメリットは? 1024 682 Biz Tips Collection

食品流通業界でのトレンドであるグローサラント。アメリカのスーパーなどで注目を浴びている形態で、日本でも導入するところが増えてきたものだ。今回はこのグローサラントが何なのか、普及の背景は何か、などを解説する。

 

グローサラントとは?イートインとの違いは?

グローサラントとは、grocery(食品スーパー)とrestaurant(レストランと)を掛け合わせた単語だ。
簡単にいうと、食品スーパーと飲食スペースを融合した業態だ。
スーパーの敷地内で、売っている食材を使ったレストラン並みの料理を食べれるスペースを提供している。
顧客は、売っている商材を購入して、グローサラントのメニューを家で再現することも可能だ。
外食と内食の間である、中食事とも呼ばれるものの一種だ。
欧米で注目を浴び、日本でも提供され始めている。

グローサラントは、イートインやフードコートと似ている。
イートインは、スーパーやコンビニなどで、その場で買ったものを食べられるスペースだ。
また、フードコートは、複数のテナントが集まって営業する形だ。
対してグローサラントは、そのスーパーで販売している食品を使ってその場で調理してくれたものを食べられる。
イートインを進化させたようなものと考えてよい。
ただし厳密には、オペレーションコストの問題などから、実際は調理でなくそのまま買える惣菜の盛り付けだけで、実態として大きなイートインになっているものもある。

 

グローサラントの背景・スーパーの狙い

グローサラントがトレンドとなっているのには、いくつか背景がある。

イートインの普及

そもそも多くのスーパーや特に日本のコンビニなどでは、イートインが増えてきている。いわゆる中食の需要が増えているという形だ。それを次の段階に進める形で、より付加価値の高いイートインを提供しようという流れでグローサラントが提供されてる。

外食需要の取り込み

イートインやグローサラントを導入するスーパーは、外食などのシェアを奪って新たな売上を上げたいという狙いがある。外食需要の取り込みという意味で、イートインからより質の高い料理を提供するグローサラントへの移行は、自然な1つの方向性だろう。また、ついで買いによるプラス効果もある。
ただし、少なくとも現段階の日本の実態としては、外食市場は減っていなく、内食の場面がこの中食に移行しているのがほとんどという話もある。

 

スーパーの差別化戦略

スーパーにとって、グローサラントは差別化の要素の1つだ。これには2つの意味がある。

1つ目は、競合の小売店との差別化だ。
前述したようにそもそもイートインを提供するスーパーなどが増えている中、他社との差別化としてより高付加価値のグローサラントを提供する動きもある。また、コンビニなどの小型店舗ではイートイン以上のものを提供するのが難しいため、差別として大型のスーパーに導入されている。

2つは、ECとの差別化だ。
近年、あらゆる小売がオンライン販売にシェアを取られている。食材を扱うスーパーも、最近は例外ではない。そんな中、リアルだからこそ提供できる価値として、このような空間を提供している。

 

今後の動き

中食の需要増や、イートインコーナーを増やしている対コンビニという観点から、日本のスーパーでもどんどんグローサラントは増えていくのではないだろうか。

一方で、日本では海外と比べて立地が狭い・人手不足などの制限もあり、提供は一部のエリアに限られるかもしれない。実際、立地や人手の問題から、オペレーションコストを減らすため、本来の「販売している食材を材料に調理したレストラン級のメニューを提供する」ものでなく、そのまま買える惣菜を提供する実態としてイートインと変わらないものをグローサラントと呼んで提供している場合もあるようだ。

小売の動向を要チェックだ。

 

まとめ

・スーパーなどにおけるグローサラントがトレンド
・グローサラントは、グローサリーとレストランを合わせた造語で、そのスーパーで販売している食品を使ってその場で調理してくれたものを食べられる場
・背景は、イートインの普及、外食需要の取り組みの狙い、競合との差別化