ロジックツリーとは?3つの種類と使いこなすためのコツや注意点を解説!

ロジックツリーとは?3つの種類と使いこなすためのコツや注意点を解説! 1024 682 Biz Tips Collection

ロジカルシンキングの代表的な手法である「ロジックツリー」。あらゆる分析・問題解決において一段上の解を出せる、応用性の高い手法だ。

 

ロジックツリーとは

大きな問題はそのままでは中々手に負えない。大きな問題を、取り扱いやすい小さな問題まで分解する必要がある。しかし、思いつきで問題を特定してもキメ打ちになってしまう。全体を抑えながら構造的に分解していくのが重要だ。

ロジックツリーとは、こんな時に物事を構造的に分解して考える技術だ。全体-要素を樹形図に表現して考える。

例えば、以下のようなものがロジックツリーだ。全体からより詳細へと、階層を作りながら構造的に整理されているのがわかるだろう。

ツリーの分解は、MECE(モレなくダブりなく)を意識しよう。
MECEについては「論理思考の基本MECE(ミーシー/ミッシー)とは?!例や注意点を解説!」の記事で詳細を確認可能だ。

ロジックツリーを使って、物事や解決策を分解・整理することにより、以下のようなメリットがある。
・議論の「広がり」と「深さ」を効率よく追求できる。
・全体を抑えた構造になっているため、ヌケモレなく議論が可能になる。
・階層になっていることにより、いきなり細かい点の議論にならず、論点が明確になる。
・階層になっていることにより、施策の効果や因果関係が構造的にわかる。
(例えば、[売上増]-[顧客単価UP]-[購入点数UP]-[セット陳列]と階層的に整理されているため、[セット陳列]という施策が売上増の中でも[顧客単価UP]に効く施策だと明確になる。)

 

3つのロジックツリーの種類

実はロジックツリーには3つの種類がある。
3種類のツリーが混同されているツリーを作り、結果的に整理されていない構造を構築している人が多いので注意してほしい。

①What(全体―部分)のツリー
②Why(問題―原因)のツリー
③How(目的―手段)のツリー

①What(全体―部分)のツリー

全体を構成要素に分解して、分かりやすく整理するのが、Whatのツリーだ。
例えば、以下のどんなターゲットを狙うべきか特定したい、どんな顧客が一番コストがかかっているか分析したいからまず顧客の種類を洗い出したい、といった時に使える。

 

②Why(問題―原因)のツリー

問題の原因を見つけたい場合は、Whyのツリーだ。
最上位に来るのが問題で、「なぜそうなったのか」掘り下げていく。
いわゆるなぜなぜ分析で利用されるロジックツリーだ。
例えば、売上が下がっているのがなぜかを特定したい時に、ありうる原因を洗い出していく。

初めの例は、このWhyのツリーだ。

③How(目的―手段)のツリー

達成したい目的に対して、有効な解決策を見つけたい場合は、Howのツリーだ。
「どうすれば達成できるか」を掘り下げていく。
売上を上げる方法を洗い出す時などに使える。

 

ロジックツリーを使いこなすには?コツや注意点

ロジックツリーは、一見単純な図のように見えるが、使いこなすにはいくつかコツや注意点がある。

MECEに分解する

重要なので繰り返しになるが、分解はMECEにするべきだ。
一番最後の分解において、具体的な施策をいくつか取り上げたら完全にはMECEにならないこともあるが、少なくとも上位概念のMECEは必須だ。

 

違う切り口をまぜない

例えば、Whatのツリーの例では、問い合わせを「誰から」の問い合わせかの切り口で分解している。
他にも「どんな内容」の問い合わせかで分解することも可能だ。どっちが有効化は、ロジックツリーを作る目的によるが、どっちかの切り口で統一することが大切だ。途中から違う切り口を混ぜるのは基本的に止めよう。

同階層の切り口の粒度を合わせる

階層の粒度を合わせないと、うまく構造化された状態にならない。
例えば以下のようになってしまっては駄目だ。

枠組みから考えたり、逆に具体例から考えたりをしながら作成する

いざロジックツリーを作ろうとすると、以外と思いつかず難しかったりする。
そんな時のポイントは、トップダウンとボトムアップの両方向から考えてみることだ。
トップダウンでは、全体から要素へとMECEに分解していく。これが基本だが、もし詰まった場合は、ボトムアップ的により階層の低い具体例を出していき、その上位概念が何か考えてみよう。
また、例えトップダウンで最後までツリーを描けたとしても、ボトムアップで例外はないか具体例を考えてみるのは、モレがないかのチェックとして有効だ。

 

まとめ

ロジックツリーとは、物事を構造的に分解して考える技術だ。全体-要素を樹形図に表現して考える。
ロジックツリーには3つの種類がある。
・What(全体―部分)のツリー
・Why(問題―原因)のツリー
・How(目的―手段)のツリー
使いこなすためのコツや注意点は、
・MECEに分解する
・違う切り口を混ぜない
・同階層の切り口の粒度を合わせる
・枠組みから考えたり、逆に具体例から考えたりをしながら作成する

そして最後に、ロジックツリーはツールだ。
どんなツールもそうだが、利用する目的をしっかり意識しよう。
目的さえはっきりしていれば、どの種類のツリーを使うべきか、どんな切り口で分解すべきか、判断できるだろう。