提案プレゼンのストーリー作りの基本構成「TAPS法」とは?

提案プレゼンのストーリー作りの基本構成「TAPS法」とは? 1024 627 Biz Tips Collection

商品や企画など、ビジネスでは何かを提案する場面が多い。せっかくいい提案だと思ったのに、どんなに詳しく説明してもいまいち納得してもらえないことはないだろうか。よくあるミスは、いきなり提案内容の機能的な話ばかりしてしまうことだ。そんな時は、プレゼンのストーリー構成をちょっと意識するだけで、大きく上達できるだろう。

TAPS法とは

TAPSは、プレゼンのストーリー構成の基本的なフレームワークの1つだ。
まず相手にゴールと課題意識を明確化させ、提案をすることにより、ただ提案を伝えるよりも検討・承諾されやすくなる。
また、このフレームワークはプレゼンだけでなく、会議のファシリテーションをする際に、会議で検討する順番として活用することも有効だ。

TAPSは以下の4構成になっている。
To Be:相手の理想像
As Is:相手の現状
Problem:現状の課題
Solution:ソリューション(提案内容)

 

もう少し詳しく見ていこう。

To Be

初めに相手の理想像やゴールイメージを、クリアに伝える。
相手に明確なゴールがあれば、再確認してまず同意を得ておく。もしなければ、「こうあるべきですよね」と相手も納得するような理想像を勝手に定義してもよい。

ダイエットで痩せて、もてたいですよね!

As Is

理想像を伝えた後に、しかし現時点の状態はどうなのか、明確に示す。ゴールと現状のギャップを示すのだ。

でも現在は、ジムは登録しているものの「続ける」ことができない状態で、体重は見てのとおり効果が出ていませんよね。

Problem

理想像と現状のギャップを埋めるためには、どんな課題やハードルがあるのか特定する。
通常、解決すべき課題は、細かいものもあげていけば、いくらでも出てくるものだ。そんな中、ここで「理想と現状のギャップを埋めるためには、これが一番重要な課題だ」と説得できれば、それを解決する提案が通りやすくなる。具体的な提案内容であるSolutionよりも、実はProblemの納得感の方が重要な場合も多い。

1人でやろうとすることが問題です。人は1人でがんばろうとしても、最初だけやる気が出て、以降モチベーションが持続しないものなんですよ。自分のモチベーションを持続的に維持してくれる仲間が必要です。

Solution

最後に、上記で特定した課題を解決するソリューションを提案する。特定した課題の解決には、このソリューションこそが適切だと納得させることが重要だ。当然ながら、せっかく相手と共有した課題と関係ないソリューションになってしまっていては、このストーリー構成の意味がない。

ライザップに登録すれば、専属のトレーナーがいつも見てくれるので、強制的にダイエットを続けることができます。

 

TAPSの例

簡単な具体例をいくつか見てみよう。

エスキモーに冷蔵庫を販売する場合を考えてみよう。
以下2つのプレゼンを見てみて欲しい。

【Solutionのみの説明】
Solution:冷蔵庫いかがですか?食材を冷やしておける箱です。
エスキモー:アラスカでそんなものいらんやろ。

【TAPS法】
To Be:食材を家で調理できたら、日々の食事も豊かになりますよね。
As Is:でもアラスカでは、みんな室外でで食べ物を保存していて、結果食材が凍りすぎて調理できないですよね。
Problem:アラスカは寒すぎるのが問題です。食材の保存はできても、適温で保つことができないのです。
Solution:冷蔵庫いかがですか?食材を適温で冷やしておける箱です。(しかも、室外の冷凍場所まで食材を取りに行かなくてもよくなります。)
エスキモー:なるほど!ありがとな。買うわ。

このように、一見不要なものを、本人も気づいていない理想像をまず描いてあげることによって、欲しいものに変えることが可能だ。

他にもこんな例もある。

To Be:部屋は常に綺麗な方が、日々の気分も上がってやる気も出ますし、お客さんも家に呼びやすくなりますよね。
As Is:でも共働きだと中々掃除の頻度も少なくて、結構ちらかっちゃてしまっているんじゃないでしょうか。
Problem:やっぱり共働きで、そもそも家事の時間をあまり取れないのが一番の問題ですよね。
Solution:そんな時に、ルンバがあれば、毎日ロボットが勝手に掃除してくれます!

 

フレームワークを意識して一段上のプレゼンを・・・

いきなり具体的な提案に入るよりも、
相手のゴールを明確化し、(To Be)
現状とそのゴールとのギャップを確認し、(As Is)
ギャップを解消するために一番重要な課題を示し特定し、(Problem)
最後にその課題の解決策を提案する(Solution)
というステップを踏んだ方が、その提案内容の必要性を納得してもらいやすく、提案が通りやすい。

TAPSは汎用性の高いプレゼンストーリーのフレームワークなので、意識していくとよいだろう。
なお、プレゼン手法に関する記事は「現役コンサルが語る!プレゼンテーションのたった二つの手法①|シーン別のストーリー構成」にて記載しているのでフレームワークのみでは物足りない人はそちらを読んで欲しい。