営業

B2B営業の受注見込み度を測る!BANT条件とは?
B2B営業の受注見込み度を測る!BANT条件とは? 1024 1024 Biz Tips Collection

営業案件の獲得確度は、営業担当としても、部署としても、把握すべき重要な内容だ。それ次第で、案件の優先順位や着地見込み、営業計画などが変わってくる。
しかし、営業の現場では、営業担当に獲得確度を聞いても感覚値しか返ってこない、むしろ営業担当者もどれぐらいの可能性で案件獲得の見込みとなるかよくわかっていないということがよくある。
そんな時に使えるフレームワークがBANT条件だ。

BANT条件は、Budget、Authority、Needs、Timeframe

BANTは、営業担当が受注見込み度を測るためのB2Bセールスにおけるヒアリングテクニックだ。

BANTは以下の頭文字の略となる。
Budget(予算)
Authority(決裁権)
Needs(必要性)
Timeframe(導入時期)

この4つのどれかが欠けると、少なくともすぐにの受注確度はかなり低くなる。
これが「条件」と呼ばれる理由だろう。
1つずつ見てみよう。

 

Budget(予算)

自社製品を購入するための予算があるのかを確認する。
全く予算がない、予算があっても自社製品の金額感と合わない、などの顧客では当然受注見込みが低い。
予算がこのために組まれていなくても、いつどんなプロセスで予算確保されるのか、予算確保される可能性はあるのか、把握することが重要だ。

Authority(決裁権)

営業では当然、決裁権限を持つ人物へのアプローチが最も近道だ。
逆に決裁権がない人物への営業ばかりしていては、どうしても効率が悪くなる。
「誰が実際に決裁権を持つか」、「その人物にアプローチできるか」、「目の前の人物が決裁権を持っていなくても持っている人にどう間接的にアプローチできるか」を聞き出すことは営業を効率的に実行するために重要だ。
見込み顧客の意思決定フロー・どんな稟議を通るのかをうまく聞きだせるとよいだろう。

 

Needs(必要性)

当然すぎることだが、相手に本当にニーズがあるかは確認すべきだ。
自社製品と先方のニーズのギャップがないか、よく確認しよう。

また、この時、目前の担当者個人だけの要望なのか、組織全体としてのニーズであるのかは意識しよう。
目前の担当者の個人的な要望に過ぎない場合、うまく予算が確保されないなどの可能性もある。
誰のニーズなのか(個人・会社として・部署として等)は、把握できるに越したことはない。

加えて、ニーズが具体的なのかぼんやりとしているのかも1つの確認ポイントだ。

Timeframe(導入時期)

製品の導入時期について決まっているかも確認すべきだ。
会社としてニーズはあり、いつかは導入すべきだが、今は他の優先順位が高いことに予算もリソースもかかりきりという状況もありうる。逆に、二ヵ月後にはこのような商品を導入したいと予定が決まっていれば、受注確度は高い。
一方で、他の優先順位が明確にあるわけでなく、なんとなく時期が決まっていないだけの場合は、営業担当が能動的にスケジュールを提案していってもよい。

 

BANT条件の活用方法

案件の受注見込み度を知ることで、優先順位の高い顧客を中心に営業を掛けて行く作戦を立てることができる。
これにより、営業活動全体をより効率的にしていくことが可能だ。
そのために必要な情報として、BANTの4つがあり、各法人営業担当がこれらを確認することを意識すれば、各案件の受注見込み度をしっかり把握できるようになる。

各営業員が自身の案件をしっかり把握できるようになることに加えて、営業部署として以下の2点のメリットがある。

1つは、案件受注確度の共通認識化だ。
よくこんな会話を聞かないだろうか。

「この案件確度どうなの?」

「多分行けそうなんですけどねー」

上司はよく案件の確度を気にしているが、それに対する答えはいつも営業担当の感覚になってしまう。
人によっては大げさに伝えておいたりする。そのため、あまり当てにならない場合が多い。
一方、BANT条件のようなフレームワークが部署としての共通認識になっていれば、より正確な受注見込み度を伝えることが可能だ。例えば、「決裁者にアプローチできていてニーズはあるようなのですが、予算化して導入するのは来期になるようです。なのでそれまで薄く繋がっておこうと思います。」と答えた方が、より正確な受注見込み度が伝わるだろう。

2つ目は、これらの情報をまとめて、部署として案件をセグメント化・整理が可能になることだ。
そうすれば、経営層や営業部署リーダーは、ひと目でどれくらいの案件がどれくらい受注見込みなのかがひと目でわかる。
そしてそれに応じて案件の優先順位を決めたり、来期の営業計画を立てることが可能だ。

 

BANT条件の注意点

BANT条件は、あくまで営業のヒアリング項目だ。
よくある間違いだが、マーケティング部門の道具ではない。
例えば営業がしっかり各案件のBANT条件をデータベースに入力していて、そのデータをマーケティング部門が活用するなら問題はないだろう。

しかし、マーケティング部門が率先的にBANT条件のデータを取りに行くのは基本的にうまくいかない。BANTは直接聞かないととれないデータだからだ。
マーケティング部門が、セミナーや展示会の参加者にアンケートでBANTの情報を聞き出そうとしても、正確な答えは通常返って来ないだろう。

また、BANT条件は見込み度を測り比較できる数値ではあるが、BANT条件が満たされないから見込み度が全くゼロというわけではない。あくまですぐには受注しなさそうだということなので、すぐに案件を捨てるべきとは限らない。

 

営業する時は、BANTをうまく聞き出そう

BANTは、受注見込み度を測るための、B2B営業におけるヒアリングテクニックで、以下の4つを聞き出すものだ。
Budget(予算)
Authority(決裁権)
Needs(必要性)
Timeframe(導入時期)
これらをしっかり聞き出すことで、案件の見込み度がわかり、部署としても管理可能となる。

営業プロセスは徹底することが大事!次に進みたくても我慢しろ
営業プロセスは徹底することが大事!次に進みたくても我慢しろ 1024 683 Biz Tips Collection

以前、紹介した営業プロセス。5つのプロセスを認識することが重要と伝えた。本日はその営業プロセスをしっかり遵守する重要性について解説する。BtoB営業にしろ、BtoC営業でも優秀な営業職はこの基本を徹底しているので、本記事を読んでから少しずつご自身の営業にも取り入れていって欲しい。

 

営業は買う気にさせるのが仕事。営業すべきお客さまを見極めろ!

※本記事では以前紹介した「営業プロセス」の記事を前提に書いているので記事の内容がわかりくい場合はそちらを参考にして欲しい。

量販店の店舗に立っているといろいろなお客様を目にする
①ふらふら店舗を見ているヒト
②あるカテゴリーの商品のオススメを聞くヒト
③特定の商品のありかを聞いてくるヒト

この中で、最も早く商品を買ってくれるヒトは誰だろうか?

多くの場合、最も早く商品を買ってくれるヒトは「③特定の商品のありかを聞いてくるヒト」である。買う商品や目的が既にできあがっており、商品の条件(価格など)を調査している段階だ。お客様も仕入れという観点で以前紹介した営業プロセスに沿って行動しており、このお客様は価格交渉のフェーズにいる。

それでは、最も営業すべきお客様はどれだろうか。

結論から言うと「①ふらふら店舗を見ているヒト」である。理由は営業による購買意思への影響度が最も高いためだ。簡単に言うと特定の商品や価格に対して強い意志がないため、営業をすることで買わないが買うに変化する可能性が最も高いためだ。

先述した②と③のお客様は大抵、ニーズ喚起~価格交渉のフェーズにいる。よく考えてみるとそうであろう、「○○の売り場はどこにありますか?」というお客さまは購入するものがある程度決定しているはずだし、「○○の内、オススメは何ですか?」と聞いてくる客さまはニーズ(必要性)を既に感じていてその中で、どれが一番自分のニーズに合っているか確認する段階にある。

営業という仕事はお客様に商品をより多く届けることが生業だ。お客様が欲しがっているものを手渡すのは自動販売機でもできる。営業という仕事をヒトがやる意味は①の客をどれだけ購買までつなげられるかにかかっているのだ。

 

営業術は恋愛術と同じ。求めるではなく求めさせろ!

お店に入るとやたらめったらしゃべりかけてきて興味のない商品を説明したがる店員をウザイと感じたことがあるはずだ。このような店員は典型的なダメ営業マンである。恋愛をするときに一方的に好きだ付き合ってくれといって、上手くいったためしがない(恋愛する気がない(まったく買う気がない)ヒトに対しては時として有効であるが)。

大抵、ヒトを好きになる流れはふとした出会いの後、ちょっとした共通を感じて、アリかもと思ってるところでお互いの良い部分を見せ合い、気持ちを高めた上で成約に向かう。

上記の図のように営業と恋愛は似た流れをとっている。営業を恋愛に変換して考えると冒頭に述べた営業プロセスをしっかり遵守する重要性について認識いただけるだろう。

例えば、出会い(新規訪問)。先ほど触れた内容に近いが、初対面の相手が自分のことをめっちゃアピールしてくるヒト(価格交渉(特にいい条件であることを説明するフェーズ))だったらどうだろう。あなたが女性であれば、「なんだこのナルシスト、キモい!」となるだろうし、男性であれば、「こいつめっちゃぶりっ子だな、鏡見ろよ」となるだろう。1回会って、少なくとも好印象であればあまり感じないのに不思議なものである。

次に、恋愛トーク(ニーズ喚起)。「普段何してるの?」や「趣味とかある?」のようなトークだ。これは一義的に定義は難しいが何かしらの共通項を探して、そこに自分がいることを想起させる効果がある。こんなときに「私、最近ヨガやってるうんだー」、「おれゴルフにはまってて」といった自身の説明(商品説明)ばかりしてるヒトがもてないのは誰でもわかるだろう。たまたま、共通項であったら刺さる可能性もあるが、明らかなインドアな人にアウトドアな趣味ばかりであることをアピールしてもしょうがない。無難な質問を投げて相手の特性を知るべきなのだ。相手の特性を理解した上で自身も同じ趣味があるなどの演出をすることがもてる人の上等手段である。

このように、営業も同様でひとつひとつのプロセスを認識して、着実にクリアして制約に結ぶべきなのだ。営業プロセスのそれぞれの目的は以下である。

新規訪問:お客様に自分(営業職)の存在を認知ってもらう事
ニーズ喚起:欲しいかも、したいかもという衝動を植え付けること
商品説明:醸成されたお客様のニーズに合ったものである事を認知してもらうこと
価格交渉:お客様の努力によって最良の条件を引き出したと思わせること
契約締結:合意事項を誤りなく再合意し、営業活動をクロージングすること

 

営業はシミレーションゲーム。目的別にパラメータを用意しよう

とはいえ、周りを見ている購買しそうな客、つまり「②特定の商品のありかを聞いてくるヒト」ばかりを捕まえて営業成績を上げている人がいるのでそんなことやってられないと思う方も多いだろう。

営業職は結果がすべてのケースが多いのでわからないでもない。しかし、安心して欲しい。そのような人たちは結果が一次的であるか、商品力で売っているに過ぎない。数打ちゃ当たる戦法のパリピや雰囲気美男美女は20代後半からはあまりモテないのと同様に、営業もちゃんと考えて基礎を徹底する人が勝つ仕組みになっている。ココで言う基礎とは、前章で述べたような適時適切な相手を見た営業をすることだ。つまり、営業プロセスを理解してしっかり必要なアクションを遵守することである。

ここでひとつ恋愛と営業が違うことを述べるとすれば、恋愛と違い営業は数を売ることが重要な成功要因であることだ。店舗職員であれば、レジに向かいそうなお客様に目を配りながら、ふらふらしているおばさんと話していることが重要になる。自身のリソース(捌けるお客様の数)を把握した上でそれぞれのプロセスにいるお客様をストックして状況を把握しているべきなのだ。

もし仮に、周りに本当に優秀な営業職がいるのであればその人は必ず自身の抱えている顧客がどのような状況にあり、商品を買ってくれるまでどれくらいの道のりがあるかを把握しているはずなので、聞いて確かめてみて欲しい。

 

好感度パラメータを意識して顧客を管理しよう

本記事では営業プロセスをしっかり把握して、その目的を遵守する重要性を説いてきた。
もし、クライアントを抱えていて、クライアントの状況を整理してないならば、是非本記事で説明したことを実施して役立てて欲しい。
具体的には営業プロセスのどのフェーズにクライアントがいるかを整理して、次のフェーズに持っていくにはどうすれば良いかを書き出す。
そして、次のフェーズを実施する期限を設定する。これだけだ。次のフェーズへの進むイメージがわかない場合でも本作業を実施して欲しい。次のフェーズに進むクライアントであれば、早くするに越したことはないし、そうでないクライアントであった場合は営業時間を掛けるだけ無駄なのだから。
このサイクルを徹底すれば、あなたは確実にトップ営業として躍り出ることだろう。

できる営業の真似が難しいのは営業プロセスを知らないからだ!身に着けておくべき営業プロセスの知識
できる営業の真似が難しいのは営業プロセスを知らないからだ!身に着けておくべき営業プロセスの知識 1024 683 Biz Tips Collection

営業職を感覚的な業務と捉えられているは典型的なダメな例だ。できる営業職は必ず共通点が存在していて、営業力の強い組織は優秀な営業職のナレッジを共有できる体制を整えている。しかし、いざ自分ができる営業職の真似をしようとするとどうもむずかしい。今回は営業という仕事を分析する際に必須となる営業プロセスについて解説する。営業のコツがいろいろあることは皆さんも想像つくとこだろうが、そのコツが適切なタイミングで実効されているかが営業では大きな差となる。あなたの身近な優秀な営業職は営業のコツをどのプロセスで実施しているかを知ろう。

 

営業の基本ステップは5ステップ

営業という仕事は5ステップに分けられる。「新規訪問」、「ニーズ喚起」、「商品説明」ここまでは多くの人がイメージできるだろう。ではその先の2つのステップはなんだろうか。

上記の図の通り、残りの2ステップは「価格交渉」、「契約締結」である。表現の仕方はどうあれ、営業という仕事はこれらのプロセスを基本的に通る。会社にとって業務管轄(職掌)は異なるかもしれないが、会社から見て商品を仕入れたり、仕入れをしたりする仕事はここまでで完結といえよう。

わざわざ、プロセスを分けて紹介したのには理由がある。それは後の二つのプロセスも他のプロセスと同様に重要であるにも関わらず、意識されることが少ないからだ。日本では他国に比べてBtoCの取引での価格交渉が少ない。価格交渉への馴染みがないため、プロセスに大きな隔たりが出来、以降のクロージングのプロセスの意識も薄くなっていると考えられる。

違いと重要性を理解する為にも各プロセスを簡単に説明する。

 

「新規訪問」は別名ドアノックとも呼ばれる

初めてのお客様と接点を持つプロセスの事をいう。このプロセスの目的は、お客様に自身の存在を認知ってもらう事だ。ここでは特に商品を買ってもらおうとせず、また会ってくれる関係を築く事が重要だ。あの人イイひとだね、面白い!と言った個人の評価を上げることに注力しよう。

 

次は「ニーズ喚起」

このプロセスは文字通り営業商材に関するアクションをお客様がしたいと思えるような状況を作る事だ。目的は欲しいかも、したいかもという衝動を植え付けること。ここで重要なのは押し付けない事。まだ、商材をお客様が認識する必要はなく、商材が必要性を認知する事が重要だ。お客様が能動的に必要性を感じる様に促すというイメージだ。具体的な方法は別の機会に紹介するが、買う気がない状況の人にあからさまに営業をかけるのは好手とはいえない。

 

ここにきて初めて、「商品説明」である

「商品説明」のプロセスは温まったニーズが出来た所で紹介する。このプロセスの目的は商品が醸成されたお客様のニーズに合ったものである事を認知してもらうことだ。その際に、重要なのは出会いの演出だ。この商品はこんなに良い商品なんです、買って下さい。ではなく、醸成したニーズを的確に捉えた商品に出会ったと思わせるのだ。優秀な営業職は売るのではなく、買わせるのだ。

さて、次からは忘れがちなプロセス。

 

まずは「価格交渉」

ここでいう価格交渉とは言わば条件交渉だ。値引きだけではなく、個数や支払い時期等も含まれる。(詳しくは「まずは基本を知る!ビジネスのためにネゴシエーション(交渉術)を学ぶ①」を読んで欲しい。)ここの目的は、お客様の努力によって最良の条件を引き出したと思わせることだ。

 

最後に「契約締結」だ

契約締結の目的はこれまでの合意事項を誤りなく再合意し、営業活動をクロージングすることだ。そのため、お客様の気分が変わらない様に最短でかつ間違いなく結ぶ必要がある。よく、契約になると法務部や異なる担当者が出てくることがある。仮に出てきたとしても営業職主導で完結まで持って行くべきなのだ。商材が複雑だったり、金額がたかければ高いほどお客様の気は変わり安くなる。そのような商材ほど、営業職がしっかりしているのはこの様な要素を組織的に気を使っているからだ。

 

プロセスを知り、その目的を抑えることが重要

ココまで触れてきたように営業は大きく5つのプロセスに分かれる。それぞれ目的が異なるので実施すべきことも違う。自身の営業力を把握したり、優秀な営業職の真似をしようとする際もがむしゃらに行うのではなく、各アクションがどのプロセスに対応するアクションであるかを把握して分析を行うようにしよう。

新規訪問:お客様に自分(営業職)の存在を認知ってもらう事
ニーズ喚起:欲しいかも、したいかもという衝動を植え付けること
商品説明:醸成されたお客様のニーズに合ったものである事を認知してもらうこと
価格交渉:お客様の努力によって最良の条件を引き出したと思わせること
契約締結:合意事項を誤りなく再合意し、営業活動をクロージングすること