マネジメント

部下によってリーダーシップを変える!SL理論II(状況対応リーダーシップ)とは?
部下によってリーダーシップを変える!SL理論II(状況対応リーダーシップ)とは? 1024 668 Biz Tips Collection

研究では、管理職の54%が1つのリーダーシップスタイルしか実践できないようだ。(*1)しかしSL理論によれば、唯一の最適なリーダーシップスタイルは存在せず、状況によってスタイルを使い分けることが重要だ。ここでいう状況とは、部下の習熟度のことだ。どんな部下に対してどんなスタイルがよいのか、解説する。
(SL理論は、本来のものと、SLⅡと呼ばれる後に更新さえた理論がある。ここでは最新のSLIIを紹介するが、本来のものもいずれ紹介したい。)

 

リーダーの2つの行動:指示型と支援型

SL理論では、リーダーの部下に行動は以下の2つの行動に大別できるとしている。これらの組み合わせでリーダーシップスタイルが分類できる。
指示型行動
指示型行動とは、その名の通り、明確な業務内容の指示を与えて部下の行動を規定する行動だ。
支援型行動
支援型行動は、部下へのコミュニケーションや承認、傾聴など、主に心理的・人間関係的なサポートを指す。

4パターンのリーダーシップスタイル

上記の図の通り、指示型行動と支援型行動の組み合わせで、4つのリーダーシップスタイルがある。
指示型リーダーシップ(S1)
指示型行動が多く、支援型行動が少ない。
コーチ型リーダーシップ(S2)
指示型行動も支援型行動も多い。
支援型リーダーシップ(S3)
指示型行動が少なく、支援型行動が多い。
委任型リーダーシップ(S4)
指示型行動も支援型行動も少ない。

4パターンの部下の習熟度

部下の習熟度は、スキルとコミットメントの2つで見ることが可能だ。この理論では、以下の4つで考え、基本的にD1からD4に順番に移行していくと考えられている。
D1
スキルは低いが、コミットメントは高い。
例えば、始めたばかりでやる気のある初心者だ。
D2
スキルは低いか少しあるが、コミットメントがない。
例えば、しばらく経って最初のやる気が減ったが、スキルがまだ伸びきっていない部下だ。
D3
スキルはついたが、コミットメントが流動的。
それなりのスキルがあるが、まだ責任を取りたがらない部下などが該当する。
D4
スキルもコミットメントも高い。

リーダーシップスタイルを部下の習熟度に対応させる

図の通り、習熟度に合わせて対応するリーダーシップスタイルは違う。
始めの頃は指示型行動が重要となり、中盤では支援型行動が重要となり、最後には委任する。
またこの理論では、部下の習熟度はタスクごとに意識すべきと考えている。そのため同じ部下でも、するタスクによってリーダーシップスタイルを変えることが望ましい。

4つのスタイルを使いこなせるのは管理職の1%

SL理論は、部下に合わせてリーダーシップスタイルを変える重要性を説いているが、様々なスタイルを使いこなせる人は少ないようだ。研究(*)では、以下の割合になる。
1つのスタイルしかうまくできない管理職:54%
2つのスタイルをうまくできる管理職:25%
3つのスタイルをうまくできる管理職:20%
4つのスタイルをうまくできる管理職:1%
この通り、リーダーシップスタイルの柔軟性は、レアな能力であり、うまく身に付けられれば大きな強みになるだろう。

*出所:https://mercureaace2013.wordpress.com/2013/08/02/leadership-management-situational-leadership/

【3分】内発的モチベーションを引き出す!自己決定理論SDTとは?3つの基本欲求とは?
【3分】内発的モチベーションを引き出す!自己決定理論SDTとは?3つの基本欲求とは? 1024 665 Biz Tips Collection

部署のモチベーションが上がらない。部下が能動的に動いてくれない。
仕事において、周囲のモチベーションで悩む場面は多いのではないだろうか。
今回はモチベーションにおける有名な理論を紹介する。

 

自己決定理論とは、内発的モチベーションに関する理論

自己決定理論(SDT:Self Determination Theory)とは、心理学者のエドワード・L・デシが提唱した理論だ。
当時主流だった外発的動機付けに対して、内発的動機付けにフォーカスを当てたものだ。

外発的動機付けは、行動に対する報酬・罰や上司の命令など、外的な要因によるモチベーションだ。対して、内発的動機付けは本人が自らやりたくてやっている状態を意味する。

自己決定理論では、人間は3つの基本欲求を満たすことにより、内発的なモチベーションが向上し、自ら積極的に行動しようとすると提唱している。
3つの基本的欲求とは、「自律性」、「有能感」、「関係性」だ。

 

3つの基本的欲求

自己決定理論では、これらの3つの基本欲求を満たすことで、人は目の前の行動に楽しさややりがいを感じて動くようになると考えている。

自律性(Autonomy)

人は、自分の意志で決めて自律的に行動している、と思いたい欲求や、この自律性を高めたいという欲求がある。
人に強制されたり自分の選択肢がないと、やる気がでないことはないだろうか。
自分で選択して主体的な役割をおっている/ 言われたからではなく自分がやりたくてやっているのだ、と思えれば、モチベーションが上がりより積極的に動くようになるのだ。

有能感(Competence)

能力を発揮したり周囲に影響力を持つことで、自信や自尊心を高めたいという欲求だ。
周りから褒められたりすごいと思われていると、やる気が出てきたりすることはないだろうか。
これを満たしていくことで、学習意欲や達成意欲が高まる。

関係性(Relatedness)

他者と結びついていたい、良好な関係を築きたい、集団に属したい、といった要求のことだ。
これを単独で満たしてもモチベーションは上がらないとも言われているが、孤独を感じていたりメンバーと仲が悪かったら中々やる気が出ないことはあるだろう。
社員同士の良好な関係を築くようにするのが大切だ。

 

まとめ

自己決定理論によれば、以下の3つの基本欲求を満たすことで、人は内発的にモチベーションを感じ、楽しさややりがいを持って積極的に動くようになる。
・自律性
・有能感
・関係性

シンプルにコアなポイントをまとめたが、エドワード・L・デシは理論でより多くのことにも触れているので、追って紹介していきたい。