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営業プロセスは徹底することが大事!次に進みたくても我慢しろ
営業プロセスは徹底することが大事!次に進みたくても我慢しろ 1024 683 Biz Tips Collection

以前、紹介した営業プロセス。5つのプロセスを認識することが重要と伝えた。本日はその営業プロセスをしっかり遵守する重要性について解説する。BtoB営業にしろ、BtoC営業でも優秀な営業職はこの基本を徹底しているので、本記事を読んでから少しずつご自身の営業にも取り入れていって欲しい。

 

営業は買う気にさせるのが仕事。営業すべきお客さまを見極めろ!

※本記事では以前紹介した「営業プロセス」の記事を前提に書いているので記事の内容がわかりくい場合はそちらを参考にして欲しい。

量販店の店舗に立っているといろいろなお客様を目にする
①ふらふら店舗を見ているヒト
②あるカテゴリーの商品のオススメを聞くヒト
③特定の商品のありかを聞いてくるヒト

この中で、最も早く商品を買ってくれるヒトは誰だろうか?

多くの場合、最も早く商品を買ってくれるヒトは「③特定の商品のありかを聞いてくるヒト」である。買う商品や目的が既にできあがっており、商品の条件(価格など)を調査している段階だ。お客様も仕入れという観点で以前紹介した営業プロセスに沿って行動しており、このお客様は価格交渉のフェーズにいる。

それでは、最も営業すべきお客様はどれだろうか。

結論から言うと「①ふらふら店舗を見ているヒト」である。理由は営業による購買意思への影響度が最も高いためだ。簡単に言うと特定の商品や価格に対して強い意志がないため、営業をすることで買わないが買うに変化する可能性が最も高いためだ。

先述した②と③のお客様は大抵、ニーズ喚起~価格交渉のフェーズにいる。よく考えてみるとそうであろう、「○○の売り場はどこにありますか?」というお客さまは購入するものがある程度決定しているはずだし、「○○の内、オススメは何ですか?」と聞いてくる客さまはニーズ(必要性)を既に感じていてその中で、どれが一番自分のニーズに合っているか確認する段階にある。

営業という仕事はお客様に商品をより多く届けることが生業だ。お客様が欲しがっているものを手渡すのは自動販売機でもできる。営業という仕事をヒトがやる意味は①の客をどれだけ購買までつなげられるかにかかっているのだ。

 

営業術は恋愛術と同じ。求めるではなく求めさせろ!

お店に入るとやたらめったらしゃべりかけてきて興味のない商品を説明したがる店員をウザイと感じたことがあるはずだ。このような店員は典型的なダメ営業マンである。恋愛をするときに一方的に好きだ付き合ってくれといって、上手くいったためしがない(恋愛する気がない(まったく買う気がない)ヒトに対しては時として有効であるが)。

大抵、ヒトを好きになる流れはふとした出会いの後、ちょっとした共通を感じて、アリかもと思ってるところでお互いの良い部分を見せ合い、気持ちを高めた上で成約に向かう。

上記の図のように営業と恋愛は似た流れをとっている。営業を恋愛に変換して考えると冒頭に述べた営業プロセスをしっかり遵守する重要性について認識いただけるだろう。

例えば、出会い(新規訪問)。先ほど触れた内容に近いが、初対面の相手が自分のことをめっちゃアピールしてくるヒト(価格交渉(特にいい条件であることを説明するフェーズ))だったらどうだろう。あなたが女性であれば、「なんだこのナルシスト、キモい!」となるだろうし、男性であれば、「こいつめっちゃぶりっ子だな、鏡見ろよ」となるだろう。1回会って、少なくとも好印象であればあまり感じないのに不思議なものである。

次に、恋愛トーク(ニーズ喚起)。「普段何してるの?」や「趣味とかある?」のようなトークだ。これは一義的に定義は難しいが何かしらの共通項を探して、そこに自分がいることを想起させる効果がある。こんなときに「私、最近ヨガやってるうんだー」、「おれゴルフにはまってて」といった自身の説明(商品説明)ばかりしてるヒトがもてないのは誰でもわかるだろう。たまたま、共通項であったら刺さる可能性もあるが、明らかなインドアな人にアウトドアな趣味ばかりであることをアピールしてもしょうがない。無難な質問を投げて相手の特性を知るべきなのだ。相手の特性を理解した上で自身も同じ趣味があるなどの演出をすることがもてる人の上等手段である。

このように、営業も同様でひとつひとつのプロセスを認識して、着実にクリアして制約に結ぶべきなのだ。営業プロセスのそれぞれの目的は以下である。

新規訪問:お客様に自分(営業職)の存在を認知ってもらう事
ニーズ喚起:欲しいかも、したいかもという衝動を植え付けること
商品説明:醸成されたお客様のニーズに合ったものである事を認知してもらうこと
価格交渉:お客様の努力によって最良の条件を引き出したと思わせること
契約締結:合意事項を誤りなく再合意し、営業活動をクロージングすること

 

営業はシミレーションゲーム。目的別にパラメータを用意しよう

とはいえ、周りを見ている購買しそうな客、つまり「②特定の商品のありかを聞いてくるヒト」ばかりを捕まえて営業成績を上げている人がいるのでそんなことやってられないと思う方も多いだろう。

営業職は結果がすべてのケースが多いのでわからないでもない。しかし、安心して欲しい。そのような人たちは結果が一次的であるか、商品力で売っているに過ぎない。数打ちゃ当たる戦法のパリピや雰囲気美男美女は20代後半からはあまりモテないのと同様に、営業もちゃんと考えて基礎を徹底する人が勝つ仕組みになっている。ココで言う基礎とは、前章で述べたような適時適切な相手を見た営業をすることだ。つまり、営業プロセスを理解してしっかり必要なアクションを遵守することである。

ここでひとつ恋愛と営業が違うことを述べるとすれば、恋愛と違い営業は数を売ることが重要な成功要因であることだ。店舗職員であれば、レジに向かいそうなお客様に目を配りながら、ふらふらしているおばさんと話していることが重要になる。自身のリソース(捌けるお客様の数)を把握した上でそれぞれのプロセスにいるお客様をストックして状況を把握しているべきなのだ。

もし仮に、周りに本当に優秀な営業職がいるのであればその人は必ず自身の抱えている顧客がどのような状況にあり、商品を買ってくれるまでどれくらいの道のりがあるかを把握しているはずなので、聞いて確かめてみて欲しい。

 

好感度パラメータを意識して顧客を管理しよう

本記事では営業プロセスをしっかり把握して、その目的を遵守する重要性を説いてきた。
もし、クライアントを抱えていて、クライアントの状況を整理してないならば、是非本記事で説明したことを実施して役立てて欲しい。
具体的には営業プロセスのどのフェーズにクライアントがいるかを整理して、次のフェーズに持っていくにはどうすれば良いかを書き出す。
そして、次のフェーズを実施する期限を設定する。これだけだ。次のフェーズへの進むイメージがわかない場合でも本作業を実施して欲しい。次のフェーズに進むクライアントであれば、早くするに越したことはないし、そうでないクライアントであった場合は営業時間を掛けるだけ無駄なのだから。
このサイクルを徹底すれば、あなたは確実にトップ営業として躍り出ることだろう。

ビジネススキルの分類 | カッツの理論でスキルの種類を体系的に知る
ビジネススキルの分類 | カッツの理論でスキルの種類を体系的に知る 1024 685 Biz Tips Collection

ビジネススキルを伸ばしたい、と多くのビジネスマンが思うことだろう。また、部下のビジネススキルを評価して比較したい場合もある。しかし、ビジネススキルとは定義が曖昧で広い言葉だ。これをわかりやすく分類したのが、ロバート・カッツの理論だ。発表されてから長い時間がたったが、今でも成り立つ内容だ。ビジネススキルを整理することで、自分に何が足りていないか、何を鍛えるべきか、など見えてくるだろう。

 

カッツの理論は、ビジネススキルを大きく3種類に分類

カッツの理論は、当初管理職に必要なスキルを整理するために提唱されたが、その分類方法は管理職でなくても当てはまる。この理論では、ビジネススキルを、テクニカルスキル、ヒューマンスキル、コンセプチュアルスキルの3つに分類している。

すぐれたマネージャーやビジネスマンは、これらの3つを全てある程度兼ね備えている。また、自身の立場によってどのスキルがより重要かなどが変わってくる。

まず、それぞれを解説しよう。

 

テクニカルスキルは、業務遂行能力

テクニカルスキルは、実務の実行のための能力だ。業務遂行のために必要な、専門技術や知識を含む。

例えば、PC操作やパワーポイント、エクセルを使いこなす能力。または、扱う自社商品の知識もそうだ。SEであれば、プログラミングスキル。会計担当者であれば経理・財務の知識も入るだろう。このように、必要となるテクニカルスキルは、会社や業務内容によって大きく異なる。

テクニカルスキルは、スタッフ(作業実行者)である以上は不可欠なスキルである。かといってマネージャーなら全く不要ではないというわけではなく、ある程度の業務知識は必要だ。また、技術職であれば最も重要な能力だ。

 

ヒューマンスキルは、対人能力

多くのビジネスの現場では、決まった業務の遂行だけで全てが回るわけではない。対人コミュニケーションが発生する。ヒューマンスキルは、対人コミュニケーションの能力だ。

しっかり報連相(報告・連絡・相談)していくことや、チームワークも含まれる。リーダーシップを持って仲間を動かしていくことや、営業の現場での交渉力、または社内での調整力もヒューマンスキルだ。相手の懐に入り、人間関係を築くのもそうだ。

誰でもある程度必要となる能力だが、特に営業や管理職であればより重要となるだろう。

 

コンセプチュアルスキルは、概念化能力

最後の一見分かりづらいが非常に重要なのが、いわゆる「概念化能力」と呼ばれるコンセプチュアルスキルだ。事象や状況を構造化して捉えたり、抽象的に考えるスキルのことだ。物事を抽象的に捉えることで、大量の情報や複雑な事柄を整理し、問題の本質的な原因を捉えれたり、将来を予測したり、ビジョンを描くことが可能となる。いわゆるロジカルシンキングといった思考法や、発想力などもコンセプチュアルスキルの重要な要素となる。

また、コンセプチュアルスキルは、他のスキルも強化する。例えば、議事録作成というテクニカルスキルを考えてみよう。概念化が苦手は人は、とりあえずフォーマットにある必要な全ての項目を暗記するだろう。コンセプチュアルスキルが高い人は、要は「どの会議だったか(日時、人など)」、「決定事項」、「ネクストステップ」がわかればいいのだろう、と抽象化してポイントを捕らえることができる。これが優れている人は、いわゆる「仕事の飲み込みの早い人」だ。また、話の内容をうまく構造化できるので、わかりやすい説明も得意で、ヒューマンスキルも向上する。

 

立場によって重要なスキルが変わる

立場が上がると、必要なスキルの比重が変わってくる。

実務担当者であれば、主に比重を置かれるのはテクニカルスキルだろう。1チームのリーダーであれば、ヒューマンスキルが重要になってくるが、まだ自身でも業務遂行できる能力が必要だ。ミドルマネージメント、経営者などトップマネージメントと階層が上がっていくにつれ、テクニカルスキルの重要性は下がっていき、まずヒューマンスキルが重要となり、次にコンセプチュアルスキルの重要度が上がっていく。

そんなスキルの重要度の変容をイメージで表したのが、以下の図だ。

自身にとって重要なスキルを見極めて強化しよう

ビジネススキルの3分類を整理すると以下の通りだ。
・テクニカルスキル=業務遂行能力
・ヒューマンスキル=対人能力
・コンセプチュアルスキル=概念化能力
また、立場によって、各スキルの重要度は変わってくる。

また、本ブログの分類も、テクニカルスキル=「実務スキル」もしくは「専門スキル・知識」、ヒューマンスキル=「対人スキル」、コンセプチュアルスキル=「思考スキル」と言い換えて、それにそった形になっているので、ぜひチェック頂きたい。

BATNA(バトナ)の本当の意味とは?実践方法とZOPAとの関係 | 交渉フレームワーク
BATNA(バトナ)の本当の意味とは?実践方法とZOPAとの関係 | 交渉フレームワーク 1024 685 Biz Tips Collection

BATNAは交渉相手の心理を読むフレームワークだ。交渉はいわば心理型ゲームともいえる。将棋・チェスといったボードゲームからカードゲームや格闘系ゲームなど、対戦相手の心理を読み取り最適な一手を出すゲームと同種である。今回はBATNAを学び、ビジネス交渉をより優位に進める手立てを解説しよう。

なお、本章で触れる「交渉フレームワーク「ZOPA」の使い方|コレであなたも交渉上手」について確認したい方は本リンクを辿って欲しい。

 

BATNAとはBest Alternative to a Negotiated Agreement

BATNAとはBest Alternative to a Negotiated Agreementの略称である。日本語で調べてみると交渉学では不調時対策案などともっとわかりにくい言葉がでてくる。

一言で言うと、BATNAは「交渉で合意できなかった場合の最も望ましい代替案」のことだ。自分にとっては、最悪交渉決裂してもこうすればいいや、という代替案である。逆に、交渉相手が交渉が決裂した場合にとる可能性が最も高い行動のことである。

例えば、商品Aの価格交渉をしているとする。最悪、自分は別で同様の製品を3,000円で買えるとわかっていれば、それ以上高いようであれば交渉を決裂させてもよい。逆に相手の立場に立っても、相手のBATNAを把握できていれば、相手の承諾する金額の最低ラインがわかる。

 

BATNAの実践方法・本当の使い方

「交渉が決裂した場合にとる可能性が最も高い行動」がわかったところで何をすれば良いかわからない。そんな方も多いのではないだろうか?これがフレームワークの難しいところである。ココからは交渉フレームワーク「BATNA」の利用法について解説する。
交渉フレームワーク「BATNA」の目的は、交渉相手と自身それぞれの選択肢を洗い出すことだ。多くの方がいざ交渉を前にした時にできていないことなので一歩立ち止まって考えるだけで大きな差が出てくる。

①:とりうる選択肢の列挙
自身と相手のとることができる選択肢を列挙する。例えば、自身の場合は他に売り手があるかどうか?逆に相手の場合は他に買い手があるかどうか?選択肢の中には自分で作ることや中古品を買ったりすることもある。このフェーズはあくまで洗い出しなので、ブレインストーミングのように実施して欲しい。

②:選択肢の整理
前フェーズで行った「とりうる選択肢の列挙」で出てきた案を採択した場合の影響を定量的・定性的に分析して欲しい。金額やリスク、手間、他のモノへの影響などの要素が浮かびあがってくるはずである。

③:BATNAの決定
「選択肢の整理」で浮かびあがった要素の交渉締結の最低条件を決定し、それぞれのBATONAを決定していく。ココで注意して欲しいのはそれぞれの要素のに相関関係がある場合だ。例えば、本当は新品が欲しいけど、800円以下なら中古でも良いみたいな状況のことである。この場合、要素を仮置きしてこの条件あればAのようなシミレーションを行ってほしい。忘れがちであるが、交渉の要素が複雑である場合のほうが多く、このシミレーションの作業が交渉締結のための最低条件発掘のためのBATNAの真髄と言えよう。

④:BATNA以下の条件で合った場合のアクションの決定
交渉によってBATNAを達成できなかった場合にどのようなことを実行するかを明確にしておくことも重要だ。これにより、一定の条件以下であった場合に合意しないスタンスを自身の中で明確にすることができるので、条件の変更による心の揺れも防止できる。

重要なのはどのプロセスも自分だけでなく、相手についても実施することだ。相手が想像しにくい場合は、相手の肩書きや職種、年代が近しいなど、属性の近い人物などにヒアリングするのも手だ。実際M&Aの実務現場ではそのようなヒアリングを行うこともある。

また、BATNAは状況の変化によってすぐに変わる。株の市場価格の変動の激しさと同様に周辺環境の変化によって意思決定要素は変わるのである。そのため、交渉現場を迎えるたびにBATNAの把握は都度してほしい。

 

BATNAとZOPAの関係

前述した要素を洗い出して、売り手と買い手のBATNAを並べてみると、価格以外を含めた締結可能なラインが見えてくる。これがZOPAである。以前の記事でZOPAを「売買が成立可能な価格帯」と表現したが、厳密には価格以外にも意思決定に関係する交渉条件はあるので本記事を読んだ方はZOPAの定義をリバイズしておいて欲しい。

 

BATNAを意識するだけで変わってくる

心理型ゲームは以下の順番でプレイヤーレベルが上がっていく。
B:自身のやりたい戦術を確定するレベル
A:相手のやりたいことを予測する
S:相手のやりたいことを予測した上で対応した戦術に組み替える

面白いことにプレーヤーの割合は
B:A:S=20:4:1
程度になるといわれている。冒頭に述べたように交渉においても心理ゲームと同様のことが言え、筆者がこれまで交渉に関するインタビューをしてきても実はほとんどの方がBにいる様に見受けられる。BATNAを意識して書き出すだけで、Aのレベルがどのようなものか理解できるはずなので、一歩上を目指して、より良い交渉を心がけていって欲しい。

できる営業の真似が難しいのは営業プロセスを知らないからだ!身に着けておくべき営業プロセスの知識
できる営業の真似が難しいのは営業プロセスを知らないからだ!身に着けておくべき営業プロセスの知識 1024 683 Biz Tips Collection

営業職を感覚的な業務と捉えられているは典型的なダメな例だ。できる営業職は必ず共通点が存在していて、営業力の強い組織は優秀な営業職のナレッジを共有できる体制を整えている。しかし、いざ自分ができる営業職の真似をしようとするとどうもむずかしい。今回は営業という仕事を分析する際に必須となる営業プロセスについて解説する。営業のコツがいろいろあることは皆さんも想像つくとこだろうが、そのコツが適切なタイミングで実効されているかが営業では大きな差となる。あなたの身近な優秀な営業職は営業のコツをどのプロセスで実施しているかを知ろう。

 

営業の基本ステップは5ステップ

営業という仕事は5ステップに分けられる。「新規訪問」、「ニーズ喚起」、「商品説明」ここまでは多くの人がイメージできるだろう。ではその先の2つのステップはなんだろうか。

上記の図の通り、残りの2ステップは「価格交渉」、「契約締結」である。表現の仕方はどうあれ、営業という仕事はこれらのプロセスを基本的に通る。会社にとって業務管轄(職掌)は異なるかもしれないが、会社から見て商品を仕入れたり、仕入れをしたりする仕事はここまでで完結といえよう。

わざわざ、プロセスを分けて紹介したのには理由がある。それは後の二つのプロセスも他のプロセスと同様に重要であるにも関わらず、意識されることが少ないからだ。日本では他国に比べてBtoCの取引での価格交渉が少ない。価格交渉への馴染みがないため、プロセスに大きな隔たりが出来、以降のクロージングのプロセスの意識も薄くなっていると考えられる。

違いと重要性を理解する為にも各プロセスを簡単に説明する。

 

「新規訪問」は別名ドアノックとも呼ばれる

初めてのお客様と接点を持つプロセスの事をいう。このプロセスの目的は、お客様に自身の存在を認知ってもらう事だ。ここでは特に商品を買ってもらおうとせず、また会ってくれる関係を築く事が重要だ。あの人イイひとだね、面白い!と言った個人の評価を上げることに注力しよう。

 

次は「ニーズ喚起」

このプロセスは文字通り営業商材に関するアクションをお客様がしたいと思えるような状況を作る事だ。目的は欲しいかも、したいかもという衝動を植え付けること。ここで重要なのは押し付けない事。まだ、商材をお客様が認識する必要はなく、商材が必要性を認知する事が重要だ。お客様が能動的に必要性を感じる様に促すというイメージだ。具体的な方法は別の機会に紹介するが、買う気がない状況の人にあからさまに営業をかけるのは好手とはいえない。

 

ここにきて初めて、「商品説明」である

「商品説明」のプロセスは温まったニーズが出来た所で紹介する。このプロセスの目的は商品が醸成されたお客様のニーズに合ったものである事を認知してもらうことだ。その際に、重要なのは出会いの演出だ。この商品はこんなに良い商品なんです、買って下さい。ではなく、醸成したニーズを的確に捉えた商品に出会ったと思わせるのだ。優秀な営業職は売るのではなく、買わせるのだ。

さて、次からは忘れがちなプロセス。

 

まずは「価格交渉」

ここでいう価格交渉とは言わば条件交渉だ。値引きだけではなく、個数や支払い時期等も含まれる。(詳しくは「まずは基本を知る!ビジネスのためにネゴシエーション(交渉術)を学ぶ①」を読んで欲しい。)ここの目的は、お客様の努力によって最良の条件を引き出したと思わせることだ。

 

最後に「契約締結」だ

契約締結の目的はこれまでの合意事項を誤りなく再合意し、営業活動をクロージングすることだ。そのため、お客様の気分が変わらない様に最短でかつ間違いなく結ぶ必要がある。よく、契約になると法務部や異なる担当者が出てくることがある。仮に出てきたとしても営業職主導で完結まで持って行くべきなのだ。商材が複雑だったり、金額がたかければ高いほどお客様の気は変わり安くなる。そのような商材ほど、営業職がしっかりしているのはこの様な要素を組織的に気を使っているからだ。

 

プロセスを知り、その目的を抑えることが重要

ココまで触れてきたように営業は大きく5つのプロセスに分かれる。それぞれ目的が異なるので実施すべきことも違う。自身の営業力を把握したり、優秀な営業職の真似をしようとする際もがむしゃらに行うのではなく、各アクションがどのプロセスに対応するアクションであるかを把握して分析を行うようにしよう。

新規訪問:お客様に自分(営業職)の存在を認知ってもらう事
ニーズ喚起:欲しいかも、したいかもという衝動を植え付けること
商品説明:醸成されたお客様のニーズに合ったものである事を認知してもらうこと
価格交渉:お客様の努力によって最良の条件を引き出したと思わせること
契約締結:合意事項を誤りなく再合意し、営業活動をクロージングすること

 

まずは基本を知る!ビジネスのためにネゴシエーション(交渉術)を学ぶ①
まずは基本を知る!ビジネスのためにネゴシエーション(交渉術)を学ぶ① 1024 557 Biz Tips Collection

会社買収や事業買収、事業提携と言った大きな話から人材調達、資材調達といった通常業務まで実はビジネスの現場では意外に交渉シーンは存在する。そして、タチの悪い事にそのような状況は突然仕事として発生する。大体のビジネスパーソンはその突然の状況に一時的に交渉術を調べ、付け焼き刃の状態で交渉に臨み、その交渉がうまくいったのか、行かなかったのかあまり明確にせず通常業務に戻っていく。
ネゴシエーション(交渉術)は、日本ではあまり学問としてメジャーではないが、アメリカなど海外のMBAでは一般科目として認知されている。そしてスコットワークスなどの交渉専門の研修会社も存在し、ビジネスパーソンはそのスキルを磨いている。
今回はそれらのネゴシエーション技術を習得するための土台となる交渉に関する基本的な考え方に触れていくことする。

ネゴシエーション(交渉)の本質とは?

交渉を一言で表現すると何であろう。考えて見てほしい。妥協の模索、意思を通すための話し合い、利益の取り合い‥‥。。いろいろ表現の仕方はあるだろうが、この記事を読んでからはネゴシエーション(交渉)を「交換(エクスチェンジ)」と考えてほしい。以下、図を見てほしい。

ある価格交渉における各交渉人の頭の中を図式化したものだ。ここで注目してほしいのは価格以外に条件を考えていると言うことだ。支払い条件や取り扱い条件もビジネスにおいては重要な条件だ。経理から支払いタイミングを遅らせてほしい。倉庫係から受け取り人員が休みがちなので発送の取り扱いを一回の発送で行なってほしい。このような背景から条件が複数あった上で交渉を実施しているのだ。「交換」というのは自身の優先順位の高い条件と相手の優先順位の低い条件、自身の優先順位の低い条件と相手の優先順位の高い条件をマッチングして、入れ替える作業と言えよう。

そんな、都合よく条件のマッチングなんてできるわけないと思う人はいるかも知れない。しかし、実はそのような方は自身の条件をかなり詳細まで落とし込んだ状態で交渉に挑んでいないというのが実情だ。
通常の買い物時、これならいいかなと思ってレジに向かった後に送料がかかるとわかって買うのをやめた事は誰れもがあるだろう。

想定していない悪い条件があるのと同様に、想定していない良い条件も存在する。交渉上手はその良い条件を相手から引き出し交換を成立させるのだ。
買い物の例と同様に後出しの条件が出てきて交渉が破談になるケースは多々ある。事項では交渉が成立する条件を確認することとする。

交渉に臨む前に頭に入れておこう。交渉が成立する条件

交渉が成立する条件は以下の5点を満たしている必要がある。当たり前のことも含まれているが重要な要素なのでしっかり抑えよう。コレが満たされないと予測される場合は、どんなに努力して時間を費やしても意味がないので早々に交渉を切り上げるべきといっても過言ではない。

①最低限2名以上の関係者:当然の話だが、交渉をする相手がいないと交渉は成立しない。また、三角関係のような複数間における利害関係の成立するケースはあるので2名以上という表現になっている。

②取引の設定:交渉が成立した場合、その結果的として必ず取引が行われる。たとえば、お金と商品の交換であったり、商品同士の交換、時にはお金と将来への期待との交換であったりもする。

③取引条件の落としこみ:前項でも説明した自身の取引条件を詳細まで落としこむ作業である。発送料の例をとってもわかるように、想定していなかった要素を少しでも減らすために最低限のこだわりだけでなく、一般的に発生しそうな要素まで検討すべきだ。「この要素はどんな条件でも可」という認識をもつのも③の重要な作業だ。

④相手の認識の把握:相手の認識の把握とは、交渉相手の「目的」と「して欲しいそうなこと」の認識を把握するということだ。こちらの条件が明確になっていても、相手がそれをOKとしてくれなければ取引は成立しない。相手がOKといってくる条件を相手目線から確認する必要がある。もともと、こちらの条件が相手の条件内に納まっていない限りは、どんなにごり押ししても・営業してもただの迷惑行為に過ぎない。論理的に相手がOKしてくれる条件や環境をつくりだす事ができなければ、交渉とは呼べないのだ。

⑤双方の合意:②~③の内容を受けて、最終的に合意が必要である。両者の合意なくして取引は成立しないので、当然、交渉も成立しない。

以上が交渉が成立する絶対条件だ。コレがひとつでも欠けていると取引が破談になったり、交渉とは呼べないシロモノになる。

交渉とは「交換」。相手を知り、自分をよく知ること

今回は交渉を学んでいくための基礎知識として、交渉とはなにか?交渉になるための条件について解説してきた。何事も基本の理解が短期習得に欠かせないものなのでしっかり抑えて欲しい。次回はまた、同様に基礎的な内容として「交渉の種類」と「交渉のプロセス」について解説していきたい。一時期話題になった「ハーバード流交渉術」や「誰もに発生しうる交渉シーン」の例をもちいて解説するので楽しみにしてほしい。

まずこれだけ抑えれば会議をうまく回せる!ファシリテーションのコツ【基本編】
まずこれだけ抑えれば会議をうまく回せる!ファシリテーションのコツ【基本編】 1024 768 Biz Tips Collection

「明日の会議で絶対結論を出さなくてはいけない。」「突然会議のファシリテーターに任命された。」そんな時、最低限これさえ意識していれば、それなりに会議を運営できるであろうコツを紹介する。
ファシリテーションは、会議を有意義にするために重要なスキルだ。まずは、基本を抑えることが重要。以下の5つのコツを意識することから、ファシリテーションマスターへの第一歩を踏み出せるだろう。

ファシリテーションのコツ①:
会議の目的とアジェンダを事前に設定する

ファシリテーションで重要なことの1つは、しっかり準備をすることだ。中でも、最低限準備していくべきことは、会議の目的とアジェンダ(検討課題)だ。

目的とアジェンダ(検討課題の対処法を含む)が会議の内容の全てだ。
目的はそもそも会議を開催する意味であり、アジェンダはその目的を達成するための会議の予定表のようなものだ。はっきり言って、目的とアジェンダのない会議は会議ではない。ただの雑談だ。

基本の基のはずが、目的やアジェンダが明確でない会議はごまんとある。
「議論をたくさんしたのに、何も結論が出なかった」
「雑談だけで終わった」
そんな会議に終わってしまうのは、ほとんどの場合が目的やアジェンダが明確でないからだ。

また、会議の目的は、「今日この会議ですべき具体的な理由」でなくてはいけない。
たとえば、「ユーザー数を増やす」では広すぎる。もちろんこれは最終目的かもしれないが、今日のこの2時間で達成すべき目的ではない。
「来週実施する施策を決定する。」「広告出稿のメディアを選定する。」といった、その日決められることにすべきだろう。(もちろん、決定が目的でなく、共有が目的の会議もある。しかし、それは本来報告会と呼ばれるべきだ)
また、1つの会議でアジェンダの詰め込みすぎにも注意すべきだろう。

ファシリテーションのコツ②:
今どのアジェンダの話をしているのか、常に明確化する

会議の目的とアジェンダが明確になれば、いい会議とはちゃんとそのアジェンダに沿って実施される会議だ。そのためには、今どのアジェンダの話をしているのか、常に明確に把握しメンバーへ共有しなければならない。自分の中にだけとどめていては、メンバーは何の話をしたらいいかわからない。

まず、目的とアジェンダを一番初めに会議の参加者全員に共有する。
前項で用意したアジェンダシートをプロジェクターで共有しながら会議進行するのが典型的な手法だ。

次に、これからどのアジェンダの話をするのか、明言する。
いわゆる議事進行だが、ファシリテーターとして最低限の仕事だ。
「それでは、まず○○の件から始めましょう」「○○の件は、XXということでよろしいですか?では次に□□の件に移りましょう」といった感じだ。

今現在の話題を明確に共有することで、メンバーの話をしっかり話すべき内容に誘導できる。また、話が脱線した時にすぐ気づくことができる。そんな時は、遠慮せず話をアジェンダに戻そう。
例えば「それはいい点ですが、今のアジェンダではないので、次のアジェンダで話しましょう。」「その件は、○○さんと○○さんが話せばいい件だと思うので、この場ではいったんアジェンダに戻らせてください。」といった感じだろう。

ファシリテーションのコツ③:
名指しで人に意見を聞く

発言が出ない。
いつも同じ人ばかり話している。
これもよくある光景だ。

せっかく目的やアジェンダが明確でも、意見が出なければ、集まった意味がない。
そんな時は、ファシリテーターとして、遠慮せず意見を聞こう。それだけでも、会議を回している感も出せる。

名指しで意見を聞くのは、以下の3パターンのタイミングがいいだろう。
a:発言すべき人が明確な時
当然だが、発表者が決まっている場合や、特定の人しかわからない件の場合は、指名して意見を言ってもらおう。
b:全体に聞いて、意見があがらない時
「○○の件について、意見がある人はいますか?」とまずは聞くだろうが、それで意見が上がらない場合がある。そんな時は誰かを名指ししよう。全体に聞かれるより自分に聞かれた方が、人は答えなきゃとなる。
c:一部の人ばかり発言している時
一部の声が大きい人ばかりが発言していると、結論が偏ったり、他の参加者に当事者意識が芽生えなかったりする。そんな時はあまり発言していない人に「ちなみに○○さんはどんな意見ですか?」と聞いてみよう。

ファシリテーションのコツ④:
各アジェンダの最後と会議の最後に結論をまとめる

ファシリテーターの仕事は、上記のアジェンダ設定や意見のうながしが含まれるが、それは全て会議の目的を達成するためである。つまり、ちゃんと結論を出すことが重要だ。

アジェンダから次のアジェンダに移る際には、ちゃんと結論が出たのか、しっかりチェックしよう。白熱した議論をしたのに、なんとなく次の議題に移ってしまったり会議が終わってしまっては、何のための議論かわからなくなる。ざっくりとしたブレストや情報共有が目的ならまだいいかもしれないが、ほとんどの議題には結論がある。

また、出した結論は、しっかり全体に対して明言して、その場の同意を確認するのが大切だ。話の流れでまぁこんな結論になっただろうとひっそり議事録に書いて議題を終わらせてはいけない。それでは、メンバーの中に違う認識を持ったままの人がいてしまうことがある。そうすると、結論が実行されなかったり、決定したはずの議題についてまたミーティングを設定しなければいけなくなってしまうかもしれない。しっかり明言して共通認識を持つことが重要だ。

ファシリテーションのコツ⑤:
結論では、ネクストステップをまとめる

結論を出す時に注意したいのは、「で、会議の後どうするか」を明確化することだ。でないと、次のアクションに繋がらない。
ビジネスのミーティングは、学者として何が正しいのかの結論を出したいわけではない。ビジネスではアクションがないとことが進まない。

会議で「採用エージェントを導入する」という結論が出たとする。その段階で会議を終えてしまっては、導入することは決まったが、何も動いていないという状況になりがちだ。
例えば、では「どの採用エージェントを使うのか、を次回の議題とする」「○○さんがその件を実行する」といったネクストステップもセットで結論を出せれば、ビジネスを動かしていくことができる。

次に誰が何をするのかを明確にしよう。
担当者はしっかり指定するべきだ。すべきことの実行者がいないと会議の目的は達成されない。中々決まらない時は、そこはファシリテーターが思い切って指名すべきだ。

また、結局結論がでないことも現実的にはある。そんな時も、「結論はもちこす」ことを全体に明言し、「次回会議で話す」、「結論を出すために足りなかった○○の情報を□□さんが調べる」のようなネクストステップをしっかり設定することが重要だ。でないと、結論がでなかったまま、その議題が放置されることもありうる。

 

まとめ:
一番重要なのは、目的、アジェンダ、ネクストステップ

ファシリテーションにおいて一番重要なのは、目的やアジェンダについてしっかり議論し、結論としてネクストステップを必ず示すことだ。
①目的とアジェンダの準備
②常に現在のアジェンダの明確化
③名指しで意見を求めて議論を活性化
④アジェンダと会議の終わりごとに結論をまとめる
⑤結論を出す時は、ネクストステップもセットで決める
もちろんファシリテーションの手法は他にもたくさんある。しかし、これらさえ意識すれば、初心者でもそれなりのファシリテーションをできるだろう。

交渉フレームワーク「ZOPA」の使い方|コレであなたも交渉上手
交渉フレームワーク「ZOPA」の使い方|コレであなたも交渉上手 1024 681 Biz Tips Collection

「ZOPA」とは「合意可能領域」のこと。交渉学やネゴシエーションのスキルを磨こうとしたことがあれば誰でも見たことあるフレームワークだ。概念はシンプルだが、実際の交渉現場では利用しにくいと感じている方も少なくないだろう。それは「ZOPA」を交渉テクニックと勘違いしているに過ぎず、フレームワークとしての使い方を知らないがためにそのような状況に陥っているといえる。本記事では実践での使い方も含めて「ZOPA」について解説する。

価格交渉フレームワーク「ZOPA」とは?

ZOPAとはZone Of Possible Agreementの略語で「売買が成立可能な価格帯」の事を指す言葉として交渉学では広く使われている概念だ。交渉の最小単位である2名の取引において、最終的に決定されるであろう価格の幅を把握するために使われる。通常はBATNAという言葉と一緒に説明される事が多いが今回はシンプルに理解を深めてもらう為にBATNAを使わず解説していきたい。

フリーマーケットで服を買うとき皆さん何を考えるだろうか。
サイズが合うか?ほしい色はあるか?デザインはいけてるか?
色々考えて、欲しい服が見つかったとする。
さて、もちろん重要なのは価格だ。フリーマーケットなので、決まった価格はなく、値切り可能だ。
あなたは、いくらまでなら出せるという価格の条件がある。相手にも同じように条件があることを想定して、考えるのがZOPAだ。

買い手がこの商品なら¥1,300までなら買おうと考えているのと同様に、売り手が¥1,200までなら売ってもいい(これ以上は原価割れするなど)と考えていて、この重なる¥1,200~1,300が「ZOPA」、すなわち「売買が成立可能な価格帯」だ。交渉が成立するとすれば、このZOPAの価格帯の中になる。もし、この重なる価格帯がなければ、そもそも交渉成立不可能で、交渉してもお互いに無駄だとわかる。

実際の現場では、例えば買い手は¥1,100~1,300の間で買いたい、売り手は¥1,200~1,400の間で売りたいというように、すでにお互いにある程度の幅が決まっていることが多い。ここで重要なのは、これの売り手と買い手の価格帯がそれぞれの売買するにおいて最も不利な条件(これ以下だと交渉決裂な条件)とできることなら獲得したい条件(あわよくばのゴール)であることだ。

基本的には相手がどのように考えているかを把握し交渉に臨むことが重要であるという考え方である。交渉術を学ぶ方の動機はどのように値下げするかだったりするので、あまり重要性が把握されず利用されないケースが多い。以降ではこのZOPAをどのようにフレームワークとして活用すべきか解説する。

ビジネスにおいてZOPAは意思決定前倒しのためのフレームワーク

先述したとおり、ZOPAは交渉テクニックではない。ZOPAを把握したところで、商品を買い叩く・商品を高く売るためのロジックが形成されるわけではないからだ。では、ZOPAはどのようなシーンで利用されるのか。結論から言うとZOPAはビジネスにおいて意思決定を前倒しするためのフレームワークとして利用される。簡単な例を用いて説明する。
ビジネスで商品の仕入れを行う場面を想像してみて欲しい。どのようなプロセスで商品の仕入れが行われるだろう。あくまで一例に過ぎないが基本的なプロセスを下記する。

画像の例では商品の仕入担当者として社内の関係者に要件を確認した上で、相手方に交渉に行き、その上でまた社内承認を取りにいき、合意に至っている。実際に仕入担当を経験した方や感のいい方ならわかるであろうが、このプロセスで一番面倒なのは自社内の最終合意から契約書に捺印するまでのプロセスだ。それは先方も同じようなプロセスを経ていることを想定すると理解しやすい。つまり、先方も同様に最終合意を相手方内で獲得し合意を取らなければならないため、どちらか(自社または相手方)が社内の合意形成に失敗するとまた交渉が振り出しに戻ってしまう可能性が多いということだ。実は会社における最終合意形成時は一番意見が変わりやすいポイントである。なぜなら、意思決定をするための要素が万全になり、具体的な金額感も見えてくるため、能力の低い意思決定者でも判断が可能となってくるからだ。筆者もM&Aの交渉現場で何度泣かされたかわからない。

交渉の場は水物である。少しでも、時期がずれたり商環境に変化があったりすると条件は変わり、取引は変化する。実際の交渉現場に立ったことがある方なら十分に理解いただけるであろう。社の代表としての交渉人は最後のプロセスを経ずにその場に判子を持っていって捺印できる状況を切実に願っているはずだ。ここで、出てくるのが意思決定前倒しのためのZOPAである。

自社が仕入れを実行するための最も不利な条件とできることなら獲得したい条件を見える化する。それだけだと現場に出てこない意思決定者は現場の不安定な交渉状況を理解できないので、相手次第だといって意思決定をしてくれない。ここで想定しうる相手方の同様の情報を提示し、ZOPAで「売買が成立可能な価格帯」を握るのだ。前述したプロセスで言うところの「詳細・条件交渉」の場面で一定の範囲でならば契約可能という状況をつくるのだ。

つまりZOPAのフレームワークを使えば、「自社としては、この範囲で売りたいと思います。他社の状況を加味するに、どうやらこの範囲内が合意可能な範囲のようです。」のような説明で、ZOPA内での交渉締結の許可を早めにもらってしまえば、上長確認の回数を減らして意思決定のスピードを上げることが可能なのだ。

組織で金銭のやり取りをする場合は必ずZOPAで意思決定の前倒しを

今回は交渉術のひとつとしてよく紹介されているZOPAを確認した。しかし、ZOPAは交渉術というよりはビジネスにおける交渉準備時に利用するフレームワークであることを説明した。以下でZOPAのフレームワークとして重要なポイントを改めて確認する。

・ZOPA=売買が成立可能な価格帯
・売買するにおいて最も不利な条件とできることなら獲得したい条件を確認
・ZOPAですべきことは意思決定の前倒し

交渉術には様々な概念があり、それらはテクニックとして求められているケースが多い。しかし、交渉学として紹介される概念はフレームワークであることが多く、利用シーンをちゃんと理解しないとテクニックとし実践していくことは難しい。ZOPAに付随する概念であるBATNAも同様のことが入れるので次回、また説明していくこととする。また、機会があれば交渉のテクニックについても事例を用いて解説・紹介していきたい。

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