いろいろな種類のグラフを効果的に使い分ける!目的別グラフ選択術
いろいろな種類のグラフを効果的に使い分ける!目的別グラフ選択術 https://biz-tips-collection.com/wp/wp-content/uploads/2018/05/shutterstock_596185226-1024x623.jpg 1024 623 Biz Tips Collection https://biz-tips-collection.com/wp/wp-content/uploads/2018/05/shutterstock_596185226-1024x623.jpg「線グラフや円グラフなど種類がたくさんがあるが、いつどれを使ったらいいかわからない。」というのは、意外とよくある悩みではないだろうか。むしろグラフの種類が意識されないこと場合も多いのではないだろうか。
資料の内容を効果的に伝える方法としてグラフを利用することは多いだろう。特に分析資料などではデータからのインサイト(考察)を見つけ、視覚的に表現するためにグラフが多用されている。多くの人はエクセルやパワーポイントのグラフ機能を利用してグラフを作成しているが、「作ってみるとしっくりとこない」、「グラフ要素が多すぎてきれいに表現できない」など状況に陥ることが多々あるだろう。コレは発見したいインサイトや表現したいことにマッチしたグラフの種類を知らないことに起因する。今回はデータから把握したいインサイト・伝えたいこと別の適切なグラフの種類を解説する。
時系列データは縦棒グラフか折れ線/面グラフ
時系列データからは、全体的な傾向や特異な時点の存在するというインサイトが抽出されることが多い。多くの要素を並べて全体として比較をすることで全体の流れや一時点の特異性を表現する。そのため、「20XX年~20XX年の市場売上推移」などのデータ表現には縦棒グラフと折れ線グラフが利用される。ここで気をつけて欲しいのが縦棒グラフと折れ線グラフの使いわけだ。
縦棒グラフ
縦棒グラフは折れ線グラフと異なり横軸で表現できる要素の数が少ない(時系列データであれば表示可能な年数が少ない)。多くの要素を並べてしまうと横軸が見えなくなってしまうので10個以内に収めよう。もし10個以上の要素を並べる場合は要素間を等間隔にして欲しい。(たとえば、3年単位であれば、2007・2010・2013・2016といったように)読み手にとってわかりづらくなるからだ。
折れ線グラフ・面グラフ
折れ線グラフは縦棒グラフと異なり全体を線でつないでいる。そのため、上昇傾向・下降傾向といったトレンドを表現するのに適している。縦棒グラフにくらべてひとつひとつの要素を正確に表現する必要も減るので、データ欠損や異常値を排除する必要性があった場合に利用しやすい。
面グラフは2つ以上のデータの傾向が関係あるかないかを表現する際に有効だ。折れ線グラフで線を2つ以上載せればいい場合もあるが、各要素が合わせて全体を構成するような場合は、面グラフがよい。推移とともに全体に対する割合も視覚的に見れるためだ。
(例:会社Aの売上と会社Bの売上⇒折れ線グラフで線を2つ。
石油発電量、天然ガス発電量、等の推移。⇒面グラフで、各エネルギーの発電量の推移を見せながら、全体としてエネルギー発電量の推移も見せる。)
構成比率や割合のデータは円グラフか積み上げ棒グラフ
構成比率や割合データは、その構成要素が全体に対してどれだけ比重を占めているか、つまり重要度のインサイトを抽出する。そのため、割合を表すことのできる円グラフか積み上げ棒グラフが利用される。
円グラフは積み上げ棒グラフよりも直感的な割合の表現に長けている。一方で、他の時点などとの比較に向いていない。1要素の更なる内訳として利用されるケースもあるが多くても2つの円グラフの利用が限界であることを覚えていてほしい。
積み上げ棒グラフは逆に直感的な割合の把握はしにくいが、たとえばA社の利益率がB社の利益率より高いことを示す構成割合の比較に長けている。コスト構造やコスト構造の比較、地域間の競合シェア比較、企業間または時系列の構成比の比較に利用できる。
単体の割合なら円グラフ、複数の割合なら積み上げ棒グラフと覚えておくと良いだろう。
アンケート調査や企業間比較は横棒グラフ
アンケート調査や企業間比較といったデータは、比較するデータに大きな差が出ることが多く、調査の性質上、要素を省略することが適切でない場合が多い。たとえば、1,000人にアンケートをとり、「特になし」といったデータが50人分合った場合に「特になし」も重要な意見なので削除するわけにはいかないといった具合だ。また、要素が数値ではなく、文章や単語であったりすることもあるので、縦書きより横書きのほうが読みやすい。これらの理由からアンケート調査や企業間比較は横棒グラフで表現されることが好まれるである。
変化の原因を特定するにはウォーターフォールグラフ(見せ方重視)
売上が1000万円から2000万円に増えた。その原因を共有したい。そんな時に有効なのがウォータフォールグラフだ。コレまで紹介してきたグラフは視覚的にインサイトを抽出し、それを共有するためのツールとして紹介してきた。しかし、ウォーターフォールグラフはどちらかというと見せ方重視といえよう。既に差分が把握されており、その原因をパズルのように当てはめて表現していく。一部、株価変動のような分析用の利用の仕方もあるが、基本的には変動の原因を共有することに特化したグラフと考えてほしい。
利用データによって適切なグラフを選択
データによって得られるインサイト(考察)は基本的に限られている。そのため、利用するデータによってグラフも変わってくるといてても良いだろう。グラフはインサイトを得やすくするツールなので、適切な使い方をしなければその効果はない。また、インサイトを伝えるためのツールであるのでインサイトが得られない結果のグラフを資料に載せて共有するのは避けるべきだ(資料の読者の理解の妨げになるため)。最後にこの記事で解説したことをまとめる。
・縦棒グラフ:時系列データ(10個以内)
・折れ線グラフ:時系列データ(10個以上)
・面グラフ:複数の時系列データ(10個以上)
・円グラフ:割合/構成比率データ(2個以内)
・積み上げ棒グラフ:割合/構成比率データ(2個以上)
・横棒グラフ:アンケート/企業間比較データ
・ウォーターフォールグラフ:株価変動データ