部下によってリーダーシップを変える!SL理論II(状況対応リーダーシップ)とは?
部下によってリーダーシップを変える!SL理論II(状況対応リーダーシップ)とは? https://biz-tips-collection.com/wp/wp-content/uploads/2019/04/leadership-ii_eyecatch-1024x668.jpg 1024 668 Biz Tips Collection https://biz-tips-collection.com/wp/wp-content/uploads/2019/04/leadership-ii_eyecatch-1024x668.jpg研究では、管理職の54%が1つのリーダーシップスタイルしか実践できないようだ。(*1)しかしSL理論によれば、唯一の最適なリーダーシップスタイルは存在せず、状況によってスタイルを使い分けることが重要だ。ここでいう状況とは、部下の習熟度のことだ。どんな部下に対してどんなスタイルがよいのか、解説する。
(SL理論は、本来のものと、SLⅡと呼ばれる後に更新さえた理論がある。ここでは最新のSLIIを紹介するが、本来のものもいずれ紹介したい。)
リーダーの2つの行動:指示型と支援型
SL理論では、リーダーの部下に行動は以下の2つの行動に大別できるとしている。これらの組み合わせでリーダーシップスタイルが分類できる。
指示型行動
指示型行動とは、その名の通り、明確な業務内容の指示を与えて部下の行動を規定する行動だ。
支援型行動
支援型行動は、部下へのコミュニケーションや承認、傾聴など、主に心理的・人間関係的なサポートを指す。
4パターンのリーダーシップスタイル
上記の図の通り、指示型行動と支援型行動の組み合わせで、4つのリーダーシップスタイルがある。
指示型リーダーシップ(S1)
指示型行動が多く、支援型行動が少ない。
コーチ型リーダーシップ(S2)
指示型行動も支援型行動も多い。
支援型リーダーシップ(S3)
指示型行動が少なく、支援型行動が多い。
委任型リーダーシップ(S4)
指示型行動も支援型行動も少ない。
4パターンの部下の習熟度
部下の習熟度は、スキルとコミットメントの2つで見ることが可能だ。この理論では、以下の4つで考え、基本的にD1からD4に順番に移行していくと考えられている。
D1
スキルは低いが、コミットメントは高い。
例えば、始めたばかりでやる気のある初心者だ。
D2
スキルは低いか少しあるが、コミットメントがない。
例えば、しばらく経って最初のやる気が減ったが、スキルがまだ伸びきっていない部下だ。
D3
スキルはついたが、コミットメントが流動的。
それなりのスキルがあるが、まだ責任を取りたがらない部下などが該当する。
D4
スキルもコミットメントも高い。
リーダーシップスタイルを部下の習熟度に対応させる

図の通り、習熟度に合わせて対応するリーダーシップスタイルは違う。
始めの頃は指示型行動が重要となり、中盤では支援型行動が重要となり、最後には委任する。
またこの理論では、部下の習熟度はタスクごとに意識すべきと考えている。そのため同じ部下でも、するタスクによってリーダーシップスタイルを変えることが望ましい。
4つのスタイルを使いこなせるのは管理職の1%

SL理論は、部下に合わせてリーダーシップスタイルを変える重要性を説いているが、様々なスタイルを使いこなせる人は少ないようだ。研究(*)では、以下の割合になる。
1つのスタイルしかうまくできない管理職:54%
2つのスタイルをうまくできる管理職:25%
3つのスタイルをうまくできる管理職:20%
4つのスタイルをうまくできる管理職:1%
この通り、リーダーシップスタイルの柔軟性は、レアな能力であり、うまく身に付けられれば大きな強みになるだろう。
*出所:https://mercureaace2013.wordpress.com/2013/08/02/leadership-management-situational-leadership/