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編集部

提案プレゼンのストーリー作りの基本構成「TAPS法」とは?
提案プレゼンのストーリー作りの基本構成「TAPS法」とは? 1024 627 Biz Tips Collection

商品や企画など、ビジネスでは何かを提案する場面が多い。せっかくいい提案だと思ったのに、どんなに詳しく説明してもいまいち納得してもらえないことはないだろうか。よくあるミスは、いきなり提案内容の機能的な話ばかりしてしまうことだ。そんな時は、プレゼンのストーリー構成をちょっと意識するだけで、大きく上達できるだろう。

TAPS法とは

TAPSは、プレゼンのストーリー構成の基本的なフレームワークの1つだ。
まず相手にゴールと課題意識を明確化させ、提案をすることにより、ただ提案を伝えるよりも検討・承諾されやすくなる。
また、このフレームワークはプレゼンだけでなく、会議のファシリテーションをする際に、会議で検討する順番として活用することも有効だ。

TAPSは以下の4構成になっている。
To Be:相手の理想像
As Is:相手の現状
Problem:現状の課題
Solution:ソリューション(提案内容)

 

もう少し詳しく見ていこう。

To Be

初めに相手の理想像やゴールイメージを、クリアに伝える。
相手に明確なゴールがあれば、再確認してまず同意を得ておく。もしなければ、「こうあるべきですよね」と相手も納得するような理想像を勝手に定義してもよい。

ダイエットで痩せて、もてたいですよね!

As Is

理想像を伝えた後に、しかし現時点の状態はどうなのか、明確に示す。ゴールと現状のギャップを示すのだ。

でも現在は、ジムは登録しているものの「続ける」ことができない状態で、体重は見てのとおり効果が出ていませんよね。

Problem

理想像と現状のギャップを埋めるためには、どんな課題やハードルがあるのか特定する。
通常、解決すべき課題は、細かいものもあげていけば、いくらでも出てくるものだ。そんな中、ここで「理想と現状のギャップを埋めるためには、これが一番重要な課題だ」と説得できれば、それを解決する提案が通りやすくなる。具体的な提案内容であるSolutionよりも、実はProblemの納得感の方が重要な場合も多い。

1人でやろうとすることが問題です。人は1人でがんばろうとしても、最初だけやる気が出て、以降モチベーションが持続しないものなんですよ。自分のモチベーションを持続的に維持してくれる仲間が必要です。

Solution

最後に、上記で特定した課題を解決するソリューションを提案する。特定した課題の解決には、このソリューションこそが適切だと納得させることが重要だ。当然ながら、せっかく相手と共有した課題と関係ないソリューションになってしまっていては、このストーリー構成の意味がない。

ライザップに登録すれば、専属のトレーナーがいつも見てくれるので、強制的にダイエットを続けることができます。

 

TAPSの例

簡単な具体例をいくつか見てみよう。

エスキモーに冷蔵庫を販売する場合を考えてみよう。
以下2つのプレゼンを見てみて欲しい。

【Solutionのみの説明】
Solution:冷蔵庫いかがですか?食材を冷やしておける箱です。
エスキモー:アラスカでそんなものいらんやろ。

【TAPS法】
To Be:食材を家で調理できたら、日々の食事も豊かになりますよね。
As Is:でもアラスカでは、みんな室外でで食べ物を保存していて、結果食材が凍りすぎて調理できないですよね。
Problem:アラスカは寒すぎるのが問題です。食材の保存はできても、適温で保つことができないのです。
Solution:冷蔵庫いかがですか?食材を適温で冷やしておける箱です。(しかも、室外の冷凍場所まで食材を取りに行かなくてもよくなります。)
エスキモー:なるほど!ありがとな。買うわ。

このように、一見不要なものを、本人も気づいていない理想像をまず描いてあげることによって、欲しいものに変えることが可能だ。

他にもこんな例もある。

To Be:部屋は常に綺麗な方が、日々の気分も上がってやる気も出ますし、お客さんも家に呼びやすくなりますよね。
As Is:でも共働きだと中々掃除の頻度も少なくて、結構ちらかっちゃてしまっているんじゃないでしょうか。
Problem:やっぱり共働きで、そもそも家事の時間をあまり取れないのが一番の問題ですよね。
Solution:そんな時に、ルンバがあれば、毎日ロボットが勝手に掃除してくれます!

 

フレームワークを意識して一段上のプレゼンを・・・

いきなり具体的な提案に入るよりも、
相手のゴールを明確化し、(To Be)
現状とそのゴールとのギャップを確認し、(As Is)
ギャップを解消するために一番重要な課題を示し特定し、(Problem)
最後にその課題の解決策を提案する(Solution)
というステップを踏んだ方が、その提案内容の必要性を納得してもらいやすく、提案が通りやすい。

TAPSは汎用性の高いプレゼンストーリーのフレームワークなので、意識していくとよいだろう。
なお、プレゼン手法に関する記事は「現役コンサルが語る!プレゼンテーションのたった二つの手法①|シーン別のストーリー構成」にて記載しているのでフレームワークのみでは物足りない人はそちらを読んで欲しい。

ロジックツリーとは?3つの種類と使いこなすためのコツや注意点を解説!
ロジックツリーとは?3つの種類と使いこなすためのコツや注意点を解説! 1024 682 Biz Tips Collection

ロジカルシンキングの代表的な手法である「ロジックツリー」。あらゆる分析・問題解決において一段上の解を出せる、応用性の高い手法だ。

 

ロジックツリーとは

大きな問題はそのままでは中々手に負えない。大きな問題を、取り扱いやすい小さな問題まで分解する必要がある。しかし、思いつきで問題を特定してもキメ打ちになってしまう。全体を抑えながら構造的に分解していくのが重要だ。

ロジックツリーとは、こんな時に物事を構造的に分解して考える技術だ。全体-要素を樹形図に表現して考える。

例えば、以下のようなものがロジックツリーだ。全体からより詳細へと、階層を作りながら構造的に整理されているのがわかるだろう。

ツリーの分解は、MECE(モレなくダブりなく)を意識しよう。
MECEについては「論理思考の基本MECE(ミーシー/ミッシー)とは?!例や注意点を解説!」の記事で詳細を確認可能だ。

ロジックツリーを使って、物事や解決策を分解・整理することにより、以下のようなメリットがある。
・議論の「広がり」と「深さ」を効率よく追求できる。
・全体を抑えた構造になっているため、ヌケモレなく議論が可能になる。
・階層になっていることにより、いきなり細かい点の議論にならず、論点が明確になる。
・階層になっていることにより、施策の効果や因果関係が構造的にわかる。
(例えば、[売上増]-[顧客単価UP]-[購入点数UP]-[セット陳列]と階層的に整理されているため、[セット陳列]という施策が売上増の中でも[顧客単価UP]に効く施策だと明確になる。)

 

3つのロジックツリーの種類

実はロジックツリーには3つの種類がある。
3種類のツリーが混同されているツリーを作り、結果的に整理されていない構造を構築している人が多いので注意してほしい。

①What(全体―部分)のツリー
②Why(問題―原因)のツリー
③How(目的―手段)のツリー

①What(全体―部分)のツリー

全体を構成要素に分解して、分かりやすく整理するのが、Whatのツリーだ。
例えば、以下のどんなターゲットを狙うべきか特定したい、どんな顧客が一番コストがかかっているか分析したいからまず顧客の種類を洗い出したい、といった時に使える。

 

②Why(問題―原因)のツリー

問題の原因を見つけたい場合は、Whyのツリーだ。
最上位に来るのが問題で、「なぜそうなったのか」掘り下げていく。
いわゆるなぜなぜ分析で利用されるロジックツリーだ。
例えば、売上が下がっているのがなぜかを特定したい時に、ありうる原因を洗い出していく。

初めの例は、このWhyのツリーだ。

③How(目的―手段)のツリー

達成したい目的に対して、有効な解決策を見つけたい場合は、Howのツリーだ。
「どうすれば達成できるか」を掘り下げていく。
売上を上げる方法を洗い出す時などに使える。

 

ロジックツリーを使いこなすには?コツや注意点

ロジックツリーは、一見単純な図のように見えるが、使いこなすにはいくつかコツや注意点がある。

MECEに分解する

重要なので繰り返しになるが、分解はMECEにするべきだ。
一番最後の分解において、具体的な施策をいくつか取り上げたら完全にはMECEにならないこともあるが、少なくとも上位概念のMECEは必須だ。

 

違う切り口をまぜない

例えば、Whatのツリーの例では、問い合わせを「誰から」の問い合わせかの切り口で分解している。
他にも「どんな内容」の問い合わせかで分解することも可能だ。どっちが有効化は、ロジックツリーを作る目的によるが、どっちかの切り口で統一することが大切だ。途中から違う切り口を混ぜるのは基本的に止めよう。

同階層の切り口の粒度を合わせる

階層の粒度を合わせないと、うまく構造化された状態にならない。
例えば以下のようになってしまっては駄目だ。

枠組みから考えたり、逆に具体例から考えたりをしながら作成する

いざロジックツリーを作ろうとすると、以外と思いつかず難しかったりする。
そんな時のポイントは、トップダウンとボトムアップの両方向から考えてみることだ。
トップダウンでは、全体から要素へとMECEに分解していく。これが基本だが、もし詰まった場合は、ボトムアップ的により階層の低い具体例を出していき、その上位概念が何か考えてみよう。
また、例えトップダウンで最後までツリーを描けたとしても、ボトムアップで例外はないか具体例を考えてみるのは、モレがないかのチェックとして有効だ。

 

まとめ

ロジックツリーとは、物事を構造的に分解して考える技術だ。全体-要素を樹形図に表現して考える。
ロジックツリーには3つの種類がある。
・What(全体―部分)のツリー
・Why(問題―原因)のツリー
・How(目的―手段)のツリー
使いこなすためのコツや注意点は、
・MECEに分解する
・違う切り口を混ぜない
・同階層の切り口の粒度を合わせる
・枠組みから考えたり、逆に具体例から考えたりをしながら作成する

そして最後に、ロジックツリーはツールだ。
どんなツールもそうだが、利用する目的をしっかり意識しよう。
目的さえはっきりしていれば、どの種類のツリーを使うべきか、どんな切り口で分解すべきか、判断できるだろう。

【3分】内発的モチベーションを引き出す!自己決定理論SDTとは?3つの基本欲求とは?
【3分】内発的モチベーションを引き出す!自己決定理論SDTとは?3つの基本欲求とは? 1024 665 Biz Tips Collection

部署のモチベーションが上がらない。部下が能動的に動いてくれない。
仕事において、周囲のモチベーションで悩む場面は多いのではないだろうか。
今回はモチベーションにおける有名な理論を紹介する。

 

自己決定理論とは、内発的モチベーションに関する理論

自己決定理論(SDT:Self Determination Theory)とは、心理学者のエドワード・L・デシが提唱した理論だ。
当時主流だった外発的動機付けに対して、内発的動機付けにフォーカスを当てたものだ。

外発的動機付けは、行動に対する報酬・罰や上司の命令など、外的な要因によるモチベーションだ。対して、内発的動機付けは本人が自らやりたくてやっている状態を意味する。

自己決定理論では、人間は3つの基本欲求を満たすことにより、内発的なモチベーションが向上し、自ら積極的に行動しようとすると提唱している。
3つの基本的欲求とは、「自律性」、「有能感」、「関係性」だ。

 

3つの基本的欲求

自己決定理論では、これらの3つの基本欲求を満たすことで、人は目の前の行動に楽しさややりがいを感じて動くようになると考えている。

自律性(Autonomy)

人は、自分の意志で決めて自律的に行動している、と思いたい欲求や、この自律性を高めたいという欲求がある。
人に強制されたり自分の選択肢がないと、やる気がでないことはないだろうか。
自分で選択して主体的な役割をおっている/ 言われたからではなく自分がやりたくてやっているのだ、と思えれば、モチベーションが上がりより積極的に動くようになるのだ。

有能感(Competence)

能力を発揮したり周囲に影響力を持つことで、自信や自尊心を高めたいという欲求だ。
周りから褒められたりすごいと思われていると、やる気が出てきたりすることはないだろうか。
これを満たしていくことで、学習意欲や達成意欲が高まる。

関係性(Relatedness)

他者と結びついていたい、良好な関係を築きたい、集団に属したい、といった要求のことだ。
これを単独で満たしてもモチベーションは上がらないとも言われているが、孤独を感じていたりメンバーと仲が悪かったら中々やる気が出ないことはあるだろう。
社員同士の良好な関係を築くようにするのが大切だ。

 

まとめ

自己決定理論によれば、以下の3つの基本欲求を満たすことで、人は内発的にモチベーションを感じ、楽しさややりがいを持って積極的に動くようになる。
・自律性
・有能感
・関係性

シンプルにコアなポイントをまとめたが、エドワード・L・デシは理論でより多くのことにも触れているので、追って紹介していきたい。

論理思考の基本MECE(ミーシー/ミッシー)とは?!例や注意点を解説!
論理思考の基本MECE(ミーシー/ミッシー)とは?!例や注意点を解説! 1024 682 Biz Tips Collection

ロジカルシンキングの1つ重要なことは「分解」・「構造化」することだ。MECE(ミーシーやミッシーと呼ばれる)は、この基礎となる概念だ。あらゆるフレームワークにもこのMECEの概念が使われている。MECEな考え方ができるようになることで、論理思考力を向上できるだろう。

 

MECE(ミーシー/ミッシー)とは、「モレなくダブリなく」のこと

MECEは、以下の略だ。
Mutually Exclusive (お互いに重ならない=ダブリなし)
Collectively Exhaustive(全体で網羅的=モレなし)

物事を分解する際に、抑えるべき概念だ。
図でまとめると以下のようになる。

例えば、新製品のターゲットにすべき層を決めるために選択肢を洗い出すとしよう。
顧客ターゲットをMECEに分解するには、以下のようなカテゴリへの分け方ができる。
・年齢別(0~9歳、10代、20代、・・・)
・在住地域別(東京都、北海道、神奈川県、・・・)
・血液型(A型、B型、AB型、O型)
どれも全ての人間をカバーでき(モレなし)、一人の人間は必ずどれか1つのカテゴリに入っている状態になる(ダブりなし)ことに気づくだろう。

 

MECEがなぜ重要か

そもそも、モレなくダブリなく分解することは、なぜ重要なのだろうか。
MECEにより、しっかり情報の全体像を把握でき、議論をわかりやすくし、大事な要因の見落としをなくすことができる。

いくつか悪い例を見ていこう。

例えば、ある小売店の赤字が続いているので、原因を特定したいとする。
思いつきで原因の候補をあげてしまうと例えばこのようになる:
競合店に客が取られている、客に飽きられた、商品単価が下がった、いい商品が仕入れられていない
これでは、売上に関する項目のみで、赤字の原因の可能性であるコスト増が検討すらされていない状態になってしまう。
検討した結果ターゲットから外すのと、検討し忘れるのは大きな違いがある。
小売店の赤字の原因をMECEに分解していくと、まず「売上減」と「コスト増」があり、そこから更に分解していけば、「売上減」から「顧客減」と「単価減」に分解して、というようにモレなく原因の候補を洗い出すことができる。
こうして議論はモレをなくすことで、結論がキメ打ちになることを防げるのだ。

また、売上見込みを出す場合はどうだろうか。
いきなり数値が出せないので、分解してそれぞれの数字を足し合わせるとしよう。
「地域Aの売上」、「地域Bの売上」、「新商品の売上」
この分解でそれぞれの売上見込みを出しても、「地域Aの売上」と「新商品の売上」にダブリがあるため、足し合わせると地域Aかつ新商品の売上見込みが多めに足されてしまう。この要素で足し合わせても、出したかった全体の売上見込みが出せないのだ。

 

MECEで注意すること

MECEに分解する際は、以下のようなことに気をつけよう。

全体が何か意識する

そもそも何を分解しているのかはしっかり意識しよう。
例えばあなたがコーヒーチェーンのオーナーで、市場を分析したいとする。
この市場の定義を「コーヒーチェーン」と置くのか、「飲食店」と置くのかで、どう分解すべきかは大きく変わってくる。
「コーヒーチェーン」にとってMECEな分け方は、「飲食店」にとってはモレだらけになるだろう。

 

分析の目的に合った切り口で分解する

MECEはあくまでツールだ。なんでもMECEにさえなっていればOKというわけではない。
顧客ターゲットを分析する際、先ほど血液型での分解を例に上げた。確かにMECEな分解になるだろう。しかし、血液型で分けたことで何か有意義な結論が出せるだろうか。(よしA型をターゲットにしよう!となるだろうか?)血液型占いを信じていない限り、通常の答えはNOだろう。
極論、「何か」と「その他」に分ければ、ほとんど何でもMECEになるが、その分解によって意味のある結論が出せるのか、一度考えてみるべきだろう。

 

切り口の定義を明確にする

曖昧な切り口では、しっかりMECEにならないし、各自が違う認識をしてしまうのでコミュニケーションが阻害される。
例えば飲食店の売上を時間別に分析するとする。「朝」「昼」「夕」「夜」と分けてしまった場合、20時は夕だろうか、夜だろうか?

 

MECEはロジカルシンキングの基本!

ロジカルシンキングの1つ重要なことは「分解」・「構造化」することだ。
あらゆる論理展開において、分解された概念1つ1つが、積み木のパーツのようなものだ。ここがしっかりMECEに分解されておらずあやふやなままだと、論理展開がしっかりしていても結論まであやふやになってしまう。
日ごろから、MECE(モレなしダブリなし)を心がけよう。

【初心者必見!】財務分析の前に理解しておきたいこと|オススメ分析のやり方
【初心者必見!】財務分析の前に理解しておきたいこと|オススメ分析のやり方 1024 761 Biz Tips Collection

安定してると思っていた大企業が、実際は、経営の危機に陥っていたというニュースを見たことがあるだろう。ニュースで見た場合は他人事に感じるが、それが自分の会社だったとしたら、明日からの生活に不安になるのではないか。また、ビジネスパーソンに限らず、就活生や株式投資を始めたい方々も、会社の経営状態を客観的にとらえることは非常に重要だ。
財務諸表を使った経営分析(財務分析)は、専門書等も多く発行されているが、ROI・ROE・PERなどのワードが出てきて、アレルギーを起こしやすい。このアレルギーは、そもそも財務分析をする前に理解すべきことを一足飛びにしているために起こる。そのため、今回は財務分析を学ぶ前に理解すべき以下3つのことについて紹介したい。

1. 分析とは何かを理解する
2.分析結果にはパターンがあることを理解する
3.示唆を入れて初めて優秀な分析

なお、分析以前にそもそも財務諸表とは?という状態の方は、まずは「財務諸表とは何か?財務諸表の役割と見方について」を参照頂きたい。

 

おさらい:財務諸表とは?

財務諸表(Financial statements、通称F/S)とは、「企業の経営状態を数値で把握できる資料」だ。そして、財務諸表は以下の4つから構成されている。
①.貸借対照表(Balance sheet、通称B/S)…企業の一時点の財産の状況(財政状態という)を明らかにする表
②.損益計算書(Profit&Loss Statement、通称P/L)…企業の一定期間の利益の状況(経営成績という)を明らかにする表
③.株主資本等変動計算書(Statements of Shareholders’ Equity、通称S/S)…貸借対照表(B/S)の純資産の部の一定期間の変動を明らかにする表
④.キャッシュ・フロー計算書(Cash flow statement、通称C/F)…企業の一定期間の現金の変動を明らかにする表

財務諸表3表

財務諸表の中でも、特に重要なものが、貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書だ。これらは「財務諸表3表」と呼ばれている。この3つの分析をすることが、企業の経営状況を効率的に把握する近道だ。

 

1.分析とは何かを理解する

財務分析に限らず、分析とは「比較すること」することだ。当たり前の様であるが意外とこれを理解いない人が多い。とりあえず、全体の何%か計算してみたり、ROI・ROEなどのフレームワークの計算をするのが典型的な失敗例だ。目的を理解し、そのために必要なもの同士を比較して初めて分析といえる。そのため、分析を始める前に比較する”対象”と比較する”方法”を整理しておくことが重要だ。

では、比較する”対象”と比較する”方法”とはどういったものだろう。普段皆さんが無意識に行っている比較を例に挙げて解説する。例えば、ビタミンの摂取量に不安があり、高ビタミンな食材を購入しにスーパーにいったとする。限られた時間の中で効率的に食材を探し出し購入する場合、どのような思考プロセスを経ているだろうか。

まず、大体の人が何処のコーナーで食材を購入するかを検討するはずだ。これが比較する対象(What)の検討だ。例えば、「A. のり・乾物コーナー」と「B. 果物コーナー」のどちらで食材を探すのが効率的だろうか。
おそらく、「B. 果物コーナー」を探すのが効率的だと感じてたはずだ。それは「A. のり・乾物コーナー」の方が一般的にビタミン包含量の少ないイメージだからだ。

次に「B.果物コーナー」の中でビタミン保有量の多い食材を選定する。どのような基準で選ぶかを考えて食材を選ぶはずだ。これが比較する方法(How)だ。方法としては「a. 目で色合いや鮮度を比べる」「b. 触って大きさや密度を比べる」「c. 品種毎のビタミン量を調べて比べる」などがある。いずれも有効そうであるが、最も定量的かつ客観的に比較できるのは、c. の方法だろう。

このように分析を行うためには必ず「対象(A&B)」と「方法(a&b&c)」が必要だ。恐らく食材探しであれば読者の皆さんも無意識にできているはずだ。しかし、この2つが事前に整理されていないと広いスーパーで生産性のない食材探しを行うことになる。
いざ、財務分析と聞くとROI・ROEの分析方法や計算式を暗記しようとしてしまう人が多い。実は財務諸表の分析も食材購入の例と同様の思考プロセスで成り立っていることを知って欲しい。目的があり、それを明らかにするための比較対象があり、比較する方法が存在するのだ。

比較する対象(What)と目的

比較する”対象”は、その資料を作成する目的に合わせて決定する必要がある。財務諸表3表の作成目的を踏まえると、比較する”対象”は以下が望ましい。

比較する方法(How)

次に比較する”方法”だが、財務諸表を定量的に比較する方法は、大きく以下に分類される。
①時系列の分析(例えば、ある会社の売上高の推移)
②全体と一部の比較(例えば、市場全体とある会社の比較)
③一部と一部の比較(例えば、競合他社とある会社の比較)

 

2.分析結果にはパターンがあることを理解する

分析する方法と対象をシンプルにしたときに得られる分析結果について、触れておきたい。
対象の数字を一定の方法で比較したとき、結果は①増加した/②減少したとなる。そして、増加したことが会社にとって、喜ばしいことであれば「良化」、そうでないなら「悪化」と言い換えることができる。前述した比較対象を見直すと、ほとんどの対象は増えるほど、良化したと言えるものだ(負債合計だけは異なる)。以上を踏まえた上で、分析結果のパターンをまとめると以下のようになる。


分析対象と分析方法をシンプルにすると、当然、分析結果もシンプルにすることができるのだ。

 

3.示唆を入れて初めて優秀な分析

改めて考えてみてほしい。財務分析をやったことがない人でも、分析結果はパターンで仕分けられる。財務諸表を見ながら、「A社は、○○な会社ですね」なんてことは容易に言えるはずだ。ただし、そこで止めてはもったいない。分析結果から、その人なりの示唆ができて、初めて優秀な分析と言える。パターン化された分析結果を並べても、「そんなの見れば分かる」や、「それで何が良いたいの?」と言われるのがオチだ。それについて、具体的に見ていこう。

分析結果から考えられる示唆

例えば、売上高の推移が以下の図のようになっていたとする。

A社の売上高の分析した場合、単純な分析結果は「売上高を時系列で比較したとき、10%ずつ良化している」といえる。しかし、そこにB社の売上高分析、市場全体の分析結果を踏まえると、「市場全体は緩やかに縮小し、シェア50%程度を占めるB社も売上減少が続く、そのような中で、市場シェアが小さいA社は10%以上の売上伸長を達成している」といった、踏み込んだ分析結果になるだろう。さらに想像を膨らませれば、A社は、×5年も売上が伸長するのでは?や、他社が持っていない販売ルートがあるのでは?とか、特殊な営業部隊がいるのでは?といった独自の意見を言うことができる。つまり、財務分析で言う「示唆」とは以下のことを指す。

 

財務分析の前提まとめ

今回の記事で、分析とその結果について、そして、分析結果から考えられる示唆についてご理解頂けたのではないだろうか。まとめると以下のようになる。
①分析=「比較すること」
②分析の”対象”と”方法”は事前に整理すること
③分析結果はパターン化できる
④分析結果を積み上げて「示唆」できてこそ1流
財務諸表という単語だけで、アレルギーを起こす気持ちはよく分かるが、1つ1つの工程は決して難しいことではない。また、「分析」という言葉も曖昧に使われることが多いが、財務諸表に限らず、記事のやり方に沿って試してみてほしい。
また、世の中には「経営指標」といい、財務諸表の数値を用いて、経営状態を分析するツールが存在する(すでに示唆が含まれているツール)。今回は考え方とプロセスまでを理解してほしかったため割愛したが、また別の機会に紹介しよう。

最低限これさえ抑えれば伝わる!プレゼンの基本構成「PREP法」
最低限これさえ抑えれば伝わる!プレゼンの基本構成「PREP法」 1024 682 Biz Tips Collection

商談、社内会議、飲み会の挨拶など、社会人になると細かいプレゼンをする機会が大量にある。話がまとまらず、うまく伝わらなかったりする経験はないだろうか。ほとんどの場合、構成さえ意識して基本の流れができるだけで、話は一気に伝わるようになる。今回は、最低限これさえ覚えておけば大体のプレゼンに応用できる「PREP法」を紹介する。

PREP法とは、Point、Reason、Example、Point

プレゼンで話を伝える際、非常に重要な要素の1つが構成だ。
構成がしっかりしていないと、話がとっちらかって、相手がついてこれなくなる。
非常に応用しやすく、恐らく最も基本的な型の1つはこのPREP法だろう。

PREP法は、以下の構成でできている。
Point(結論・主張)
Reason(理由)
Example(例)
Point(再び結論・主張)

非常にシンプルだが、このように組み立てるだけで、話のわかりやすさと説得力が増す。
話がわかりやすい人は、普段の会話からこの型ができていることに気づくだろう。
ReasonとExampleのセットは、1つ以上あってもよいが、3つくらいまでにおさめるのがよいだろう。人はそれ以上は中々消化できないからだ。

 

Point(結論・主張)

ビジネスで「結論から話せ」とよく言われないだろうか。この構成ももちろんそのようになっている。
始めに結論から伝えることで、何の話をするのか、聞き手が認識できる。
何の話なのか、結局何が言いたいのか、わからないまま話が進むと、大体の聞き手は混乱してしまう。

 

Reason(理由)

結論や主張だけただ言われても、説得力はない。
なぜそうなのか、ちゃんと理由を添えることが重要だ。
また、しっかり結論のすぐ後に理由を言うことで、話のつながりがわかりやすい。

 

Example(例)

論理的な理由だけ伝えても、思った以上に人に伝わらなかったり納得しなかったりするものだ。
Reasonを裏付ける具体例を述べよう。
例を入れる目的は、相手に腹落ち感を持たせるためだ。
もし可能なら、できるだけ相手に関連付けた例や、イメージの湧く例だとよい。
Reasonは左脳や理性に訴えるが、うまいExampleは相手の右脳や感覚・感情に訴えることができる。
人の印象に残ったり、行動を促すのは、後者なのだ。

 

Point(再び結論・主張)

最後に結論を繰り返す。
聞き手への伝わらなさを侮ってはいけない。
大切なことは繰り返し伝えることで、相手の記憶に残すのだ。

 

PREP法の例

いつくか例を見てみよう。

Point:このシステムを導入すべきです。
Reason:なぜなら、業務を効率化し、部署の残業を減らせるからです。
Example:導入した他社事例では、残業が非常に多く、メンバーは疲弊して雰囲気も悪く、残業代が高くて経営陣も頭を抱えていました。導入したことにより、毎日1人平均xx時間だった残業が、1ヶ月でxx時間まで減り、残業代だけで約xx円の節約になりました。更にメンバーも余裕が出てきてモチベーションが上がり、売上も15倍になりました。
Point:そのため、貴社にもこのシステムの導入をお勧めします。

Point:この物件が一番のお勧めです。
Reason:なぜなら、駅から非常に近いからです。
Example:この物件なら駅から徒歩1分。大雨でもほとんど濡れることはないですし、急ぎの用事でもぎりぎりまで家にいることができます。お忙しいあなたには、このように駅から近い物件がぴったりなのではないでしょうか。
Point:なので、この物件をお勧めします。

 

日々の会話でも意識しよう

紹介したPREP法は、ほとんどのプレゼンで応用できる、基本的な構成だ。
日々のちょっとした会話や報告でも、意識できるようにするとよいだろう。
プレゼンに限らず、ちょっとした文章でも使える。
話の伝わりやすさが、段違いによくなるはずだ。

まとめ
PREP法は、以下の構成でできている。
Point(結論・主張)
Reason(理由)
Example(例)
Point(再び結論・主張)

【5分】セット売りやリピーター促進!ディドロ効果とは?活用方法例は? | 行動経済学的マーケティング手法シリーズ
【5分】セット売りやリピーター促進!ディドロ効果とは?活用方法例は? | 行動経済学的マーケティング手法シリーズ 1024 683 Biz Tips Collection

「化粧品を1つ買ったら、一式同じブランドで揃えたくなる」
「身の回りのものをついつい同じ色のものばかり買ってしまう」
「テーブルを買ったら、同じメーカーのイスをまとめて買いたくなる」
このように思うことはないだろうか。
これは、ディドロ効果と呼ばれる心理が影響している。ディドロ効果とはどんなものなのか、企業はどのように活用できるか、解説する。

 

ディドロ効果は、同様のものを揃えたくなる心理

ディドロ効果(Diderot effect)という名は、ディドロという人物のエピソードがもとになっている。
ある日、ディドロはエレガントで高級なガウンをプレゼントされた。それがきっかけで、ディドロは身の回りのものを全て同様にエレガントで高級なもので揃えだした。

このように、新しいタイプや雰囲気のものが身の回りに導入されると、そのトーンに合わせた同様のものを揃えたくなる心理を、ディドロ効果と呼ぶ。
主に、高級品を1つ買ったら、全て高級品で揃えたくなる心理として語られることも多い。しかし、高級品の話に限らず、例えば節約志向に走り、身の回りのものを全て安物で揃えたくなるのを、同じくディドロ効果だ。

分かりやすい例は、着る物などを全て同じブランドで揃えたくなったり、部屋のインテリアを同じ雰囲気で揃えたくなり、ついつい必要なくても購入してしまう場合などだ。

 

ディドロ効果の発生理由は、一貫性を求める人の心理

ディドロ効果の背景には、人の物や行動が「一貫していたい」という心理がある。

人は違和感に居心地悪さを感じ、統一されていると安心する。
なので、シリーズ物で一部穴があると残りが欲しくなってしまったり、イスだけ部屋の雰囲気から浮いていると買い換えたくなったりするのだ。

また、「一貫していたい」心理の理由のもう1つに、購入や所有が自己表現でもあることがある。
自分はこういう人間なのだと外に向かって表現するためには、ある程度の一貫性がないとどんな人間か伝わらないのだ。
衣服が最もわかりやすい例だが、それ以外の持ち物にも、意識的にか無意識にか、本人の自己が表現されているものである。

ディドロ効果の活用方法

ディドロ効果はマーケティングや販促で活用可能だ。
同様のもので揃えたくなる心理を使うと、セット売りやリピーター化を促進し、顧客当たりの単価上昇を狙える。
いずれにせよポイントは、「同じジャンルの商品のまとまり」を消費者の頭の中に意識させることが前提だ。「同じ金額帯で物を揃えたい」、「同じ色で物を揃えたい」、というディドロ効果を消費者に発揮されても、全てを自社商品で取り込むことはできない。そのため、自社の商品で揃えた「まとまり」を消費者に意識させることが重要なのだ。

主に以下のような手法が見られる。

統一された世界観でブランディングする

自社ブランドだろうが、様々なところから仕入れるセレクトショップだろうが、有象無象のものを提供しているわけではない。これには様々な効果があるが、ディドロ効果もそのうちの1つだ。
ブランドは商品を売るのではなく、「世界観」や「ライフスタイル」を売ることによって、消費者をリピーター/ファン化していくのだ。

ブランディングされた世界観を維持して、多角化する

有名ブランドが商品ラインを多角化すると売りやすいのは、ブランドの信頼があるからだけでなく、このディドロ効果もある。
衣服から始まったブランドが、鞄や香水に商品を広げていくが典型だ。
これまで衣服をそのブランドで揃えてた人を、それまではそれで満足していたはずなのに、鞄も合わせなきゃ違和感がするような気持ちにさせることができる。

シリーズやセットで商品ラインナップを組む

同じトーンの商品でシリーズのラインナップを作ったり、セットで展示するのは、よくある手だ。
リアル店舗で、マネキンに揃えられた着こなしや、同じ雰囲気のインテリアを一緒に展示する、テーブルとイスを一緒に展示する、などはよく見られる手だ。このように、ちょっとした展示の仕方で、1個だけ買っても「足りない感」を醸成できる。

最初の一品目の獲得のハードルを下げる

ディドロ効果の起源となった、ディドロのエピソードでも、きっかけはプレゼントだった。特に高級品であれば、最初の獲得ハードルを下げる施策は有効だろう。
例えばソーシャルゲームでも、無料プレイしていたのに、ちょっとした時にレアカードが手に入り、手持ちをレアで揃えたくなって課金してしまう、ということがある。よくソーシャルゲームは、レアカードを一枚持ってれば遊べるものは少なく、手に入れたカードを3つ程選んでデッキやチームを組むことが多い。これは、レアカードが例えば2枚あったら残り1枚もレアにしたいという欲求をかきたてているのかもしれない。

 

まとめ

・ディドロ効果は、同様のものを揃えたくなる心理
・ディドロ効果の発生理由は、一貫性を求める人の心理
・以下のような手法で、ディドロ効果により顧客単価向上が狙える
-統一された世界観でブランディングする
-ブランディングされた世界観を維持して、多角化する
-シリーズやセットで商品ラインナップを組む
-最初の一品目の獲得のハードルを下げる

また、逆に消費者として無駄な買い物をしないためにも、本当にその商品が必要なのか、ただ揃えたくて欲しくなってしまっているのか、自問するのがよいだろう。

「行動経済学的マーケティング手法シリーズ」では以下も紹介している。
ウィンザー効果とは?実践例は?企業はこのように活用している!
選択肢で行動を操るテクニック4選

【5分で丸わかり!】スーパーの新トレンド、グローサラントとは?背景やメリットは?
【5分で丸わかり!】スーパーの新トレンド、グローサラントとは?背景やメリットは? 1024 682 Biz Tips Collection

食品流通業界でのトレンドであるグローサラント。アメリカのスーパーなどで注目を浴びている形態で、日本でも導入するところが増えてきたものだ。今回はこのグローサラントが何なのか、普及の背景は何か、などを解説する。

 

グローサラントとは?イートインとの違いは?

グローサラントとは、grocery(食品スーパー)とrestaurant(レストランと)を掛け合わせた単語だ。
簡単にいうと、食品スーパーと飲食スペースを融合した業態だ。
スーパーの敷地内で、売っている食材を使ったレストラン並みの料理を食べれるスペースを提供している。
顧客は、売っている商材を購入して、グローサラントのメニューを家で再現することも可能だ。
外食と内食の間である、中食事とも呼ばれるものの一種だ。
欧米で注目を浴び、日本でも提供され始めている。

グローサラントは、イートインやフードコートと似ている。
イートインは、スーパーやコンビニなどで、その場で買ったものを食べられるスペースだ。
また、フードコートは、複数のテナントが集まって営業する形だ。
対してグローサラントは、そのスーパーで販売している食品を使ってその場で調理してくれたものを食べられる。
イートインを進化させたようなものと考えてよい。
ただし厳密には、オペレーションコストの問題などから、実際は調理でなくそのまま買える惣菜の盛り付けだけで、実態として大きなイートインになっているものもある。

 

グローサラントの背景・スーパーの狙い

グローサラントがトレンドとなっているのには、いくつか背景がある。

イートインの普及

そもそも多くのスーパーや特に日本のコンビニなどでは、イートインが増えてきている。いわゆる中食の需要が増えているという形だ。それを次の段階に進める形で、より付加価値の高いイートインを提供しようという流れでグローサラントが提供されてる。

外食需要の取り込み

イートインやグローサラントを導入するスーパーは、外食などのシェアを奪って新たな売上を上げたいという狙いがある。外食需要の取り込みという意味で、イートインからより質の高い料理を提供するグローサラントへの移行は、自然な1つの方向性だろう。また、ついで買いによるプラス効果もある。
ただし、少なくとも現段階の日本の実態としては、外食市場は減っていなく、内食の場面がこの中食に移行しているのがほとんどという話もある。

 

スーパーの差別化戦略

スーパーにとって、グローサラントは差別化の要素の1つだ。これには2つの意味がある。

1つ目は、競合の小売店との差別化だ。
前述したようにそもそもイートインを提供するスーパーなどが増えている中、他社との差別化としてより高付加価値のグローサラントを提供する動きもある。また、コンビニなどの小型店舗ではイートイン以上のものを提供するのが難しいため、差別として大型のスーパーに導入されている。

2つは、ECとの差別化だ。
近年、あらゆる小売がオンライン販売にシェアを取られている。食材を扱うスーパーも、最近は例外ではない。そんな中、リアルだからこそ提供できる価値として、このような空間を提供している。

 

今後の動き

中食の需要増や、イートインコーナーを増やしている対コンビニという観点から、日本のスーパーでもどんどんグローサラントは増えていくのではないだろうか。

一方で、日本では海外と比べて立地が狭い・人手不足などの制限もあり、提供は一部のエリアに限られるかもしれない。実際、立地や人手の問題から、オペレーションコストを減らすため、本来の「販売している食材を材料に調理したレストラン級のメニューを提供する」ものでなく、そのまま買える惣菜を提供する実態としてイートインと変わらないものをグローサラントと呼んで提供している場合もあるようだ。

小売の動向を要チェックだ。

 

まとめ

・スーパーなどにおけるグローサラントがトレンド
・グローサラントは、グローサリーとレストランを合わせた造語で、そのスーパーで販売している食品を使ってその場で調理してくれたものを食べられる場
・背景は、イートインの普及、外食需要の取り組みの狙い、競合との差別化

合成の誤謬と分割の誤謬とは? | 詭弁を見抜く!論理の間違いシリーズ
合成の誤謬と分割の誤謬とは? | 詭弁を見抜く!論理の間違いシリーズ 1024 684 Biz Tips Collection

世は詭弁にあふれている。論理的に間違っていることをしっかり見抜くには、どんな詭弁があるか頭に入れておくのが早道だ。今回は表裏一体である2つの詭弁である「合成の誤謬」と「分割の誤謬」を紹介する。

 

合成の誤謬は、部分的な特性を全体の特性とすること

「A高校のBさんは頭がいい。なのでA高校はみな頭がいいはずだ。」

合成の誤謬(fallacy of composition)は、一部分を取り上げて、一部分がこうだから全体もこうだ、と主張する論法だ。

論理展開は以下の通りだ。
・BはXである。
・BはAの一部分である。
・それゆえ、AはXである。

他にも例を見てみよう。

「分子に意識はない。なので、分子で構成された脳が意識の源であるはずがない。」
何かによって構成されたものが、その何かが持たない性質を持つ場合もある。

「サッカー観戦で立ち上がると試合がよく見れる。なので、皆が立ち上がれば皆が試合をよく見れる。」
他の人が座っているからこそ効果があるという条件を忘れて、全員に適用してしまった例だ。このように、一部だからこそ効果のあることを全体がすると効果はなくなる。

また、合成の誤謬は、早まった一般化と似ているが違うものだ。
合成の誤謬は、あるものの一部分の特性が全体に適用されるという前提から主張を展開しているのに対して、早まった一般化は少ないサンプルから主張を展開している。結果同じようなことを言っている場合もあるが、論理展開(論理は間違っているが)が違う。

 

分割の誤謬は、全体の特性を部分の特性とすること

「A高校は進学校だ。なのでA高校のBさんも成績がよいはずだ。」

上記の例文はどうだろうか。正しい場合もあるかもしれないが、必ずしもそうとは言えないだろう。
全体の平均や合計などから、個々の特性を必ずしも正しく当てることはできない。

分割の誤謬(fallacy of division)は、全体がこうだから、一部分もこうだ、と主張する論法だ。合成の誤謬の逆パターンと言える。

論理展開は以下の通りだ。
・AはXである。
・BはAの一部分である。
・それゆえ、BはXである。

他にも例を見てみよう。

「アメリカは世界一の経済大国だ。お隣のアメリカ人Aも金持ちに違いない。」
アメリカ人全員が金持ちとは限らない。

「Aさんは、ラーメンが好きだ。なので、ネギやメンマをそのまま食わせても好きだろう。」
ラーメンが好きだからといって、材料全てが好きとは限らない。

 

まとめ

今回は、表裏一体である合成の誤謬と分割の誤謬を紹介した。
まとめると以下の通りだ。
・合成の誤謬は、部分の特性を全体の特性とすること
・分割の誤謬は、全体の特性を部分の特性とすること

「詭弁を見抜く!論理の間違いシリーズ」では、他にも以下を紹介している。
権威に訴える論証の解説と例
わら人形論法(ストローマン)とは?種類と例
循環論法とは?具体例と悪用方法
もっともらしいが間違った比較7種
軽率な一般化とは?例と気をつけ方

【5分でわかる】レモン市場・ピーチ市場とは?解説と具体例
【5分でわかる】レモン市場・ピーチ市場とは?解説と具体例 1024 634 Biz Tips Collection

レモン市場は、情報の非対称性が市場に与える影響に関するミクロ経済学の理論だ。例えば自分の属す業界や買い手となっている市場において、情報の非対称性がどんな悪影響を与えるか把握することで、対策を立てることができるだろう。※ちなみに、情報の非対称性とは知っている者が得をする状態のことで公平な状況でないことを指す。

レモン市場とは、買うまで商品価値がわかりにくい市場

レモン市場は、レモンの原理とも呼ばれる。
情報の非対称性が大きく、すぐに商品の価値がわかりにくい市場のことだ。

レモンは、厚い皮を持つため、外見から鮮度を判断できない。
レモンのように、商品の品質がわかりにくい市場では、商品の品質についての情報は売り手のみが持っており、買い手には共有されていない。ここに情報の非対称性(不公平な状況)が存在する。

例えば、中古車市場がよい例だ。中古車は、購入してしばらく乗ってみるまで、その車の品質がわからない。乗り始めてすぐ不調が出たり壊れても、もはや返品できないのだ。
一時期のSEO業者もレモン市場と言われることがある。頼むまで効果はわからず、(しかも結果が出るまで時間がかかる)、業者が乱立し、どこがいいのか悪いのか買い手には区別がつきづらい。

 

レモン市場は、崩壊する

レモン市場では、どんなことが起こるだろうか。
①まず、不良品など質の低い商品を売る事業者が増える。質のいい商品をしっかり売るよりも、粗悪品をさばく方が得するからだ。どうせ買い手にはわからない。
②消費者が不安になり、高いお金を出さなくなる。(消費者の期待価格が、良品と粗悪品の間の金額になる。)
③真面目に質のいいものを出している事業者がますます儲からなくなる。
④安い金しか出さない消費者と、粗悪品しか出さない事業者だらけになる。
⑤消費者は商品を買わなくなり、市場はなくなる。

このように、レモン市場では、市場の商品の質と価格が下落し、売り手も買い手も得しない状態になる。市場は縮小し、崩壊することすらある。

レモン市場の理論では、良品をピーチと呼び、粗悪品をレモンが呼ばれることが多い。レモンは英語で「良くない」「うまくいかない」といった意味があるからだ。情報の非対称性が大きい市場では、人はピーチとレモンの見分けを付けれないため、市場はレモンだらけになっていく。

 

レモン市場の食い止め方

市場全体として、商品の質も価格も下落していくのは、売り手にとっても買い手にとってもいいことではない。

レモン市場の問題の回避方法は、情報の非対称性をできるだけなくすことだ。

1つのやり方は、可能であれば、「ピーチを市場に投入する」というやり方がある。
ピーチ(桃)はレモンと違い、少し古くなると、表面が黒ずみ、鮮度の低下がすぐに見て分かる。
つまり、透明性が高く質の高いものを市場に投入すれば、買い手は皆そっちに群がるので、他社も追従せざるを得なくなるということだ。
ただし、そもそも買うまで質がわかりにくい商材がレモン市場なので、透明性を高める(買い手に質の高さを買う前に納得してもらう)ことが現実的でない場合も多い。

他にも、以下のようなやり方がある。

・規制
法律や、業界団体が、品質担保や透明化のための規制を実施する場合がある。成分などの表示義務や、検査義務化、などだ。むりやり市場の透明性をあげる方法だ。
例えば、サブプライムローンが出回っていた金融市場はレモン市場と言えるだろう。金融商品の理解には専門知識が必要である上、商品は複雑化し原資がどこから来ているのか追えない場合も多かった。金融商品の原資の追跡可能性(トレーサビリティ)を規制で確保しようとする動きは、この一例だろう。

・第三者評価
アマゾンの商品レビューや、食べログのレビューなど、第三者による評価は、市場の透明性を高める効果がある。また、業界規制でもあるが、第三者の評価機関を設置する形もあるだろう。

・ブランド化
市場自体の改善というよりは一事業者視点では、ブランド化がある。例えば先ほどの買うまでわからない中古車市場でも、「会社Aのものは質がよい」というブランドが築ければ、業界自体がレモン市場化し価格下落していったとしても、会社Aは高品質高価格を維持できるだろう。あくまでイメージなので、透明性が高いと呼べるかは微妙だが、先ほどのピーチを市場に投入するという考えに似ている。

 

ピーチ市場とは、情報の非対称性が少ない市場

先ほど、良品をピーチ、粗悪品をレモンと例えたが、
レモン市場と逆の考えとして、情報の非対称性の少ない市場をピーチ市場と呼ぶ場合もある。

こんな市場では、レモン市場と逆のことが起こる。
商品の良し悪しが買い手にもすぐにわかってしまうので、粗悪品は駆逐される。
また、良いものは良いとアピールしやすく、買い手にも粗悪品をつかまれるリスクが少ないので、レモン市場のように価格が下落していくことはない。
売り手も質を上げる努力をするだろうし、他社との違いの良さをアピールしやすいため価格も上げやすい。

 

まとめ

・レモン市場は、情報の非対称性がある市場
・情報の非対称性がある市場では、品質劣化と価格下落がおこる
・対策は、情報の透明性をあげること。方法は「ピーチ」を投入する、規制、第三者レビュー、ブランド化、などがある。
・情報の非対称性が少ない市場(ピーチ市場)では、逆に質が粗悪な商品が駆逐されていく。