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ウィンザー効果とは?実践例は?企業はこのように活用している! | 行動経済学的マーケティング手法シリーズ
ウィンザー効果とは?実践例は?企業はこのように活用している! | 行動経済学的マーケティング手法シリーズ 1024 722 Biz Tips Collection

人は情報の中身が同じでも、ちょっとした違いで受ける影響が大きく変わる。情報の入り方もその1つだ。ウィンザー効果も、よく利用される人間の傾向だ。この傾向を把握することで、うまく利用し、また影響を受けすぎないことが可能だ。今回は、ウィンザー効果とその実践方法の例を紹介する。

 

ウィンザー効果とは?

ウィンザー効果は、直接本人に言われるよりも、第三者から伝えられた方が、信頼性が増すという心理効果だ。

イメージしてもらいたい。
上司から「君には期待している!君は絶対に売上を達成できる!がんばってくれ!」と言われるのと、
同僚から「上司Aが、君にむちゃ期待してると言ってたよ。あいつなら絶対今回売上を達成できるとかって」と間接的に言われる。

どちらが、頑張る気になるだろうか。
恐らく、同僚から言われた場合だろう。本人に言われても、本当かよ、皆に言ってるだろ、などと考えてしまうのではないあろうか。
よく考えると、入ってきている情報は同じであるにも関わらず、やはり第三者から聞いた方が信頼できるのが、人の心理だ。

上司の意見を素直に受け取れない理由は、利害関係があるからだ。第三者である同僚には、特に利害関係がないので、事実のような気分で受け取れるのだ。

 

ウィンザー効果の活用例:お客様の声を載せる

ウィンザー効果に基づいて最も多用されているのはこれだろう。
会社の営業や広告が「この商品はすごい」と言うよりも、ユーザーレビュー、口コミなどが「これすごかった」と言っている方が信頼できる。

ハンバーガー屋が「うちおいしいですよ」と言っていても気にとめないが、友達から「あのハンバーガー屋おいしかった」と聞けば、言ってみたくなるだろう。

多くの営業資料で、「お客様の声」を載せているのはこのためだ。
もちろん、直接口コミを聞く方がよりよいが、載せないよりはよい。

この場合、厳密には第三者の声を本人が伝える形になっているので、いかに本当に第三者の声であるか説得力を持たせることが重要だ。
多くの営業資料やウェブサイトで、声に顔写真を添えているのは、このためだ。
また、アマゾンのレビューやツイートなどを引用してくるのも手だ。

 

ウィンザー効果の活用例:SNSなどで発言させる

先ほどの例のように、本人が第三者の意見を伝えるよりも、第三者の意見を第三者から聞く方がもちろんよい。

よく、「このハッシュタグをつけて感想をツイートしたら、抽選でプレゼント!」みたいなキャンペーンを見ないだろうか。商品について発信することに、プレゼントなどの報酬を与えることで促すのだ。バズればなおよしだ。

アフィリエイトプログラムもこのやり方の1つだろう。報酬が金銭というより直接的なものになっただけだ。しかし、これはこれでアフィリエイトの仕組みを理解している人からすると、相手に利害があることがわかってしまうので、信頼性を生まない場合もあるが、なんだかんだ多数の人はひっかかるのだろう。

 

ウィンザー効果の活用例:アンバサダー戦略

上記にもとても似ているが、アンバサダーを作るという手法もよく見る。
アンバサダーとは、直訳すると大使。要は、自発的に周りに商品の大使となって広めてくれるコアファンのことだ。

多くの商品・サービスなどが、まずコアファン作りに力を入れることがある。コアファンには、何かもらえたりイベントに参加できるなど、様々な特典を提供していたりする。これは、いつも買ってくれてる感謝だけで提供しているわけではない。より商品のことを好きになってもらい、最終的にはアンバサダーとなって周囲に広めてくれることを狙っているのだ。

 

ウィンザー効果の活用例:ステルスマーケティング

一時期問題になったが、いわゆる「ステマ」である。
ステルスマーケティングはまさにウィンザー効果を狙ったものだ。

会社や会社の息がかかった人が、それを隠してネットなどで商品を褒める。ユーザーは第三者の意見と勘違いして信頼してしまうのだ。褒められた手法ではないかもしれないが、効果があるのは間違いない。

特に最近多いステルスマーケティングの手法である、芸能人・Youtuber・インスタグラマーなどのインフルエンサーを活用したマーケティングは、権威のある第三者の意見なので、更に効果がある。

今では、自主規制で、スポンサーがいる場合はそう記載するようになっているが、それでもそれなりに効果はあるようだ。

 

ウィンザー効果の活用例:顧客から顧客を紹介してもらう

もちろんウィンザー効果は、B2Cのマス相手だけで効果を発揮するものではない。
多くのB2Bなどもっと狭い範囲でももちろん活用できる。

よくあるのは、顧客に顧客の紹介をお願いすることだ。サービスに満足してくれている顧客であれば、OKしてくれる場合はある。これは単純に営業リストを拡大するだけでなく、第三者を挟んで紹介してもらうことで、信頼性を上げているのだ。

より直接的に顧客紹介に特典を付けている場合も多々ある。B2Cだが、ゲームアプリなどで友達に紹介させるとポイントが入る仕組みもそうだ。

 

ウィンザー効果をうまく活用しよう

このように、ウィンザー効果は、いたるところで活用されている。
この効果を把握することで、うまく活用することができ、またこの効果を狙った企業の施策に影響を受けすぎないようにもなれる。
まとめると以下の通りだ。
・ウィンザー効果は、直接本人に言われるよりも、第三者から伝えられた方が、信頼性が増すという心理効果
・効果の理由の1つは、情報源の利害関係の有無
・いたるところで活用されている:お客様の声、SNS発信促進、アンバサダー、ステルスマーケティング、顧客紹介、など

 

「行動経済学的マーケティング手法シリーズ」では以下も紹介している。
選択肢で行動を操るテクニック4選

目標設定の5つのコツ!「SMARTの法則」とは?解説と例
目標設定の5つのコツ!「SMARTの法則」とは?解説と例 1024 726 Biz Tips Collection

目標設定にはコツがある。目標の設定は重要だが、うまく設定しないと、意味のないものになってしまう場合が多い。目標はしっかり行動に結びつき、達成されてこそ意味がある。そうならない場合、そもそも目標がいけてない場合が多い。SMARTはそうならないための目標設定のフレームワークだ。

SMARTは結果の出やすい目標設定のフレームワーク

目標設定のフレームワークSMARTは、以下の通り「よい目標」に必要な5つの要素の頭文字からできている。
実は同じ頭文字で微妙に違うバリエーションもいくつかあるが、恐らく一番有名と思われるものを紹介する。

S – Specific :具体的

目標はできるだけ具体的な方が達成しやすい。曖昧なゴールは、何をどこまですればよいかわかりにくい。より具体的であるほど、達成のための方法や計画が立てやすい。具体的だからこそ、現状とのギャップが明確になるのだ。

悪い例:「人事制度を改善する。」「営業部隊を強化する。」

M – Measurable:測定可能

測定可能なことも重要だ。そもそも曖昧だったり、具体的でも測定ができない目標にしてしまうと、進捗や達成したかどうかの判断ができなくなってしまう。売上増加などであれば、いくら売り上げるのか定量化しよう。
ここは目標によっては結構難しかったりする。例えば、「社員のロイヤリティーを上げる」という目標を測定可能にする場合、「社内アンケートを事前・事後に実施して、スコアをx%増加させる。」などと、それように測定方法を考える必要がある場合もあるだろう。

悪い例:「事業Aの売上増加」「優秀な人材を3人採用(「優秀」を定義しないと測定できない)」

 

A – Achievable:達成可能

目標があまりに高すぎると、人はモチベーションが下がってしまう。現実的に達成可能そうな難易度に目標は設定するべきだ。目標は、本当に達成できるだけの十分な時間・人などのリソースがあるか、確認しよう。もちろん簡単すぎる目標はそもそも設定する意味があまりないので、ちょっと難しいが達成は可能なくらいがよいだろう。

悪い例:「本を1日2冊読む!」「売上を2倍にする!」(もちろん、現実的に達成可能かどうかは状況による)

R – Relevant:関連している

目標には、通常更にその上位の目標がある。部署の目標や会社としての経営目標などだ。更にその上には会社のビジョンがあったりするだろう。目標設定ではしっかりその上位の目標と関連していることを重視すべきだ。
目標は思いつきではなく、大目標や目的から考えよう。
個人レベルであれば、それは本当に自分が達成したい目標なのか、一度考えてみるのがよいだろう。

悪い例:
例えば部署の大きな方針として新規顧客開拓を重視していたとしよう。個人の目標が短期的な売上だけで設定されていると、手間や時間がかかる新規開拓よりも、売上を上げやすい既存顧客にばかり営業員が時間を使ってしまうリスクがある。その場合、新規開拓数も別で目標設定するか、それ専門の役割の人を立てるのがよいだろう。

T – Time-bound:期限がある

いつまでに達成すべきかわからない目標は、中々十分な行動に結びつかない。目標には、いつまでに達成するのかの期限は必ず含めるようにしよう。

悪い例:「いつか業界ナンバー1」「できるだけはやく売上xxx円」

 

SMARTで、スマートなゴールを設定しよう

SMARTは目標設定のためのフレームワークであり、まとめると以下の通りだ。
S – Specific :具体的
M – Measurable:測定可能
A – Achievable:達成可能
R – Relevant:関連している
T – Time-bound:期限がある

権威に訴える論証の解説と例 | 詭弁を見抜く!論理の間違いシリーズ
権威に訴える論証の解説と例 | 詭弁を見抜く!論理の間違いシリーズ 1024 774 Biz Tips Collection

「アインシュタインがそう言ったからそうだ」このような、根拠として権威を出してくる詭弁はよく登場する。広告でもよく使われる。健康食品広告の医者や、CMの芸能人などがわかりやすい例だろうか。人はなんとなくの雰囲気で勘違いしがちなので、意外と影響を受けるものである。解説と様々なパターンを見てみよう。

権威論証は、権威を根拠に使う論法

主な権威論証の論理展開は以下の通りだ。
・AさんはBと言っている(or AさんはBを実施している)
・Aさんはすごい
・なのでBは正しい

もちろん、専門家の意見は注目に値する場合もある。しかし、基本的に専門家がそう言っているから正しいとは論理的にならない。また、全く関係ない権威を持ち出して説得しようとする権威論証を使う人もいる。

権威に訴える方法は、狭義では、「情報源が権威であることを根拠に使う」ことだが、
広義では、「さりげなく権威のあるものと関連付けて印象操作する」ことも含まれる。

また、権威と一言でも様々な種類がある。併用されることも多いが、いくつかのパターンの例を紹介する。

 

立場・肩書きへの訴え

これが最も主流なものだ。
権力者、専門家、芸能人、成功者、その他有名人など、様々な権威が悪用される。

「このタスクはこうやって進めた方が成功しやすい。部長がそう言っていた。」みたいな話は職場でもよくあるはずだ。部長はそれでうまくいったのかもしれないが、そうすべき理由になっていない。

権威を持ち出すのは、必ずしも間違いではない。例えば、以下の2文を見比べて頂きたい。
「部長によれば『昨年、女性がテレアポをした場合の成功率は男性の1.5倍だった』らしい。だからお前テレアポ担当な。」
「部長によれば『女性がテレアポした場合の方が結果が出る』らしい。だからお前テレアポ担当な。」
微妙な違いだが、前者はあくまで、検証結果を部長から引用しているので、より説得力がある。後者は結論だけなので、本当の場合もあるかもしれないが、実際どうか判別しようがなく、説得力に欠ける。

一方、CMで専門家に語らせたり、芸能人に商品を使わせるのは、より悪意のある権威論証の利用だろう。明らかに論理的な根拠がない場合が多い。「このシャンプーはすばらしい!なぜなら芸能人Bさんが愛用しているからです!」などは、(嘘だろうが)芸能人が本当に愛用していたからといって、シャンプーがすばらしい理由にはならない。

また、「トランプ大統領だって毎日コーラ飲んでて、70越えても元気なんだから、コーラの飲みすぎは問題ない」のような論法は、おかしい。トランプ大統領は確かにえらい人だが、そもそも健康の専門家ではない。このように、専門分野が無関係な権威が持ち出されることも多い。

また、同様の論理展開に、「自分の方が年長者だから~」「自分の方が経験豊富だから~」というものもある。

 

メディアへの訴え

実際、権威論証は、人が権威を感じるものであれば、なんでもよい。
立場への訴え以外によく会話で見られるのは、メディアへの訴えだ。
ネットの反映で若干下がってきているとはいえ、マスメディアにはまだ権威がある。

「ビットコイン買った方がいい。テレビで言ってた。」
「政治家Bが悪いらしいぞ。新聞で言ってた。」

言うまでもないが、メディアで言っていたからといって、必ずしも正しいとは限らない。

 

格言・ことわざの引用

「まぁ今すぐ手をつける必要はない。急がば回れというだろ?」
So what?である。

ことわざは、なんとなく正しい雰囲気をまとってる一種の権威だが、文脈に該当することわざがあることは、何の理由にもならない。

また、格言の引用と立場の悪用の組み合わせ技もある。有名人の名言を引用するのだ。
「そろそろ手を引かないと更に大損するだって?何を言っているんだ。ナポレオンも言っていただろう。『戦いは最後の五分間にある!』」

 

専門用語の活用

また、ことわざ等と同様に、なんとなく正しい雰囲気をまっているものに、専門用語がある。

以下のような広告はどうだろうか?
「このシャンプーは、オクトニキシン配合!」
なんとなくすごそうだが、本当にすごいかはオクトニキシンが何かによる。他のシャンプー全てに当たり前に含まれてる成分かもしれない。すごそうな専門用語をもちだしたからといって、それだけではそのシャンプーがすばらしいものという根拠にはならない。
ちなみにオクトニキシンは今適当に作った単語で存在しない。

以下の企業コンサルタントの発言はどうだろうか?
A「その件は、フィージビリティスタディを実施すべきでしょう。」
B「なるほど、私のロールのスコープ外なので、責任持って部長にエスカレーションしておきましょう。」
C「イシューの特定がクリティカルですね。」

一見すごそうだが、それぞれ言い換えてみよう。

A’「それいけそうかどうか確認した方がいいですね。」
B’「私じゃ手に負えないから、部長にお願いしておきます。」
C’「課題の特定が重要ですね。」
一気に普通になったのではないだろうか。Cに至っては当たり前のことしか言っていない。

コンサルタントがやたら日本語でもよいカタカナ用語を使ったり、バズワードを使うのは、権威を演出するためなのではないかと、たまに思う。それにより、発言に論理的根拠のない説得力を付与しているのだ。

 

なんとなくの雰囲気に騙されないようにしよう

権威に訴える論証は、主張に、権威者を紐付けて、正しいものにしようとする論証だ。
情報源や雰囲気で鵜呑みにする前に、「理由はなぜなのか」をしっかり自分の頭で考えるくせをつけよう。考えることが人間の尊厳のすべてだからだ。ってパスカルが言ってた。

「詭弁を見抜く!論理の間違いシリーズ」では、他にも以下を紹介している。
わら人形論法(ストローマン)とは?種類と例
循環論法とは?具体例と悪用方法
もっともらしいが間違った比較7種
軽率な一般化とは?例と気をつけ方

社会人の戦略的夏休みのとり方!長期休暇をもめずに取得する方法
社会人の戦略的夏休みのとり方!長期休暇をもめずに取得する方法 1024 682 Biz Tips Collection

休みは権利だ。しかし、多くの会社では休みづらい雰囲気がある。
「新入社員や若手で休暇を取るなんてありあえない。」「長期休暇なんて責任感がない。」こんな職場は、実態としてまだ多い。休みを申請すると上司達も表向きは断れないが、裏で陰口を言われるような残念なこともある。

休暇は権利とはいえ、仕事に迷惑をかけないよう、社会人にはうまい休み方も求められる。
あなたが全く人の目を気にしないタイプであれば必要ないかもしれないが、本稿ではできるだけ問題を起こさずに、うまく夏休みを取る方法を紹介する。

長期休暇を取る時に気にするのは、仕事を止めないことと、周囲へのフォロー

組織に属している以上、夏休みを取る際に気をつけなければいけないのは、以下の2点だけだ。
・業務に支障をきたさないこと
・周囲の感情のフォロー

「業務に支障をきたさないこと」は、社会人として最低限守るべきことだ。いくら休暇が権利とはいえ、それは業務を遂行するという責任との引き換えに得ている権利だ。

「周囲の感情のフォロー」も、追加で重要だ。仕事の休みづらさは、結局制度でなく、周囲の認識や感情に起因する。極論、万が一業務に支障があっても、周りが気にしなければいいのだ。また、この点の難しいことは、皆表立って言ってこないから判断がしにくいことだ。陰口を言われていたりするので、一見何も言われないからといって安心しすぎない方がよい。

合理主義者は、業務に支障さえきたさなければいいだろと言う場合も多いが、それはあくまで業務上だけの合理性だ。組織人として物事を円滑に進める上では、周囲の感情や共通認識へのフォローは、結局自分のためになる。組織の多くの非合理的な行動も、周囲の感情を目的とみると合理的だったりする。(まぁここを切り捨ててわが道を行くという選択も自由だが。)

これら2点は、小手先のテクニックでなんとかなったりするので紹介していこう。

 

①かなり早めから根回しをする

一番アウトな休み方は、直前に休暇を言い出すことだ。特に若手であれば尚更だ。
不在期間の引継ぎの負担があがるし、周りも心情的に準備ができていない。

できるだけ早めから、自分は休む予定だということを多くの人に認識させておくとよい。
予定が決まる前からでもよいので、休むつもりだとできるだけ早めに言ってしまおう。2, 3ヶ月前から言っていても早すぎではない。

人の感情は、基本的に期待とのギャップに反応する。突然休まれると「なんだあいつ仕事してるべきなのに休みやがって」となるところを、早めにわかっていると「あぁ、そういえばあいつ前々から言ってたしな」の反応になりやすい。

また、早めに休みの相談をした方が、OKの言質を取りやすい。
そして引継ぎに関しても、早めから動くことができるので、業務に支障をきたしにくい。

②引継ぎは隙なくしっかりやる

せっかく早めに言っていても、あなたがいないことで仕事上のトラブルが発生すると、全て台無しになる。業務に支障をきたしただけでなく、周りの心情としても「ほら、やっぱりあいつが休んだせいで」と思われてしまう。

あなたがいないことで問題が起こらないよう、引継ぎは隙を残さずにするべきだ。
もちろんそれには、
・自分が必須でない時期を選ぶ。(もしくは仕事がそうなるように調整する)
・(いやだろうが)いざという時、連絡が取れるようにしておく。
のようなことも含まれる。

自分が必須でない時期を選ぶというのは、場合によっては先輩の休みと時期をかぶらせないようにすることも含まれる。特に若手であれば、みんなが休みたがるドンピシャな時期を外した方が懸命な場合もある。どうしても時期がずらせない場合は、やはり早めに根回しが重要だ。
(ちなみに、みんなが長期休暇を取るようなまっとうな職場であれば、ドンピシャな時期は逆にヒマで、他の時期に休んだ方が得な場合もある。)

また、これも小手先のテクニックだが、休暇中に一回でも仕事のメールを送っておくと、休暇中なのに仕事のことをちゃんと考えてるんだな、という印象を与えることも可能だ。

 

③休み明けの対応に気をつける

周囲の感情のフォローとして重要なのは、休み方だけでなく休んだ後もだ。

ここか職場の文化にもよるが、一般的には以下のようなことをしっかりしておくと無難だ。
・お土産を買っていく
・関わった人たちに感謝を伝える

逆にNGなのは、休みボケの感覚を伝えてしまうことだ。
つい言ってしまうのが、「休みが楽しすぎて、仕事のやる気が出ない」「久しぶりすぎて、ちょっと思い出せなくて」みたいなセリフだが、休んでいない周りからしたら「知らねーよ」なのである。
休み明けから、すっぱり仕事モードで、するべきことも明確なのが、周りから見ると理想だ。

これも小手先だが、休み明けは早めに出社していると、見栄えもよいし、溜まったメールを裁けるのですぐに仕事モードに入れる。

そのためには、休み期間中にぎりぎりまで旅行行ったりせず、休みを一日増やしてでも何もない一日を入れて疲れをとった方がよかったりする。

 

④普段からしっかりする

元も子もないような話だが、ぶっちゃけ普段からしっかりしている人がたまに休むくらい、気にされない場合が多い。
そういう人が休むと「いつも、がんばってるしな」と勝手に納得してくれやすいが、普段勤務態度が悪い人が休むと「あいつ休みまでちゃっかり取りやがって」となる。

同じ休暇を取っているという行動は一緒だが、人の感情なんてそんなものである。

引継ぎの依頼にしても、いつも迷惑をかけている人からお願いされるのと、いつも助けてもらっている人からお願いされるので、頼まれた時の気分は違うし、実際の引継ぎ業務の実行においても力の入れ具合は変わってくる。

自己ブランディングみたいなものである。見方を変えれば、普段から「信頼貯金」を貯めておけば、それを使って多少わがままを言っても問題ないのである。
休暇の権利をとることはわがままではない、という意見もあるだろうが、周囲の期待や共通認識に逆らったら、わがままと見られてしまうのである。

 

夏休みの取得は戦略的に!

まとめると以下の通りだ。
①かなり早めから根回しする
②引継ぎは隙なくしっかりやる
③休み明けの対応に気をつける
④普段からしっかりする

休暇取得は、自分がいなくても業務が回るように引継ぎを設計するというマネージメントへの第一歩でもあり、
また(権利とはいえ)自分のわがままを組織に気持ちよく通すための、社内政治への第一歩である。
戦略的に休もう。

3分でわかる!バリューポートフォリオとは?株主と経営者の両視点の事業分析フレームワーク
3分でわかる!バリューポートフォリオとは?株主と経営者の両視点の事業分析フレームワーク 1024 683 Biz Tips Collection

バリューポートフォリオ分析は、経営戦略に使われるフレームワークの1つだ。事業ポートフォリオとして、どの事業に経営資源を投下し、どの事業から撤退するか、の判断に使われる分析だ。特徴は、事業を株主視点と経営者視点の両方から分析することだ。

バリューポートフォリオは株主視点と経営者視点の双方から事業ポートフォリオを分析

以下がバリューポートフォリオ分析の例だ。

ごらんの通り、バリューポートフォリオでは、以下の2軸で各事業を評価する。
・ROI (株主視点)
・会社ビジョンとの整合性(経営者視点)
また、円の大きさは投下した資本で表すことが多い。投下した資本の大きさによって事業の力の入れ具合がわかるので、大きいほうから順に優先的にポジショニングを確認していくべきだ。

それぞれについて見てみよう。

ROI

ROI(Return on Investment)は、「投資利益率」のことだ。
一言でいえば、その事業がいくら儲かってるかの指標だ。

式としては、「利益(儲かった金)÷資本(投入した金)」で、数値が高ければ高い程、投資した金に対してより多く利益を上げていることになる。

株主にとっては、自分が投資した金がより多く利益を上げることが一番の目的のため、このフレームワークでは、このROIが株主視点として位置づけられている。

ビジョンとの整合性

金を投資してそこから更なる利益を上げるのが会社の目的の1つである一方、会社には加えて「経営ビジョン」がある。
経営ビジョンとは、会社として「将来あるべき姿」や「実現したい姿」のことだ。

これは、利益目標と関連しつつもそれと別の、会社としての夢や目標なので、このフレームワークでは、経営者視点と位置づけられている。

例えば、ライオン株式会社の経営ビジョンは以下の通りだ。

次世代ヘルスケアのリーディングカンパニーへ
「健康、快適、清潔・衛生を通じた新たな顧客体験価値の創造」により、毎日の習慣を、もっとさりげなく、楽しく、前向きなものへ”リ・デザイン”することで、1人ひとりの「心の身体のヘルスケア」を実現する。

このように、会社として何を目指しているかを、示している。

ライオン株式会社の例で言えば、健康や快適さに関係する事業であれば、ビジョンとの整合性は高いと判断できる。逆に、広告事業や出会い系事業などを始めたら、それはビジョンとの整合性が低いと判断されるだろう。

 

バリューポートフォリオの各セグメントの戦略

ROIとビジョンとの整合性の2軸で、会社の各事業を評価すると、以下の事業を4象限のセグメントに分けることができる。
・本命事業
・課題事業
・機会事業
・見切り事業

これら各セグメントの事業に対して、どんな戦略が望ましいのか。詳しく見ていこう。

本命事業は更なる拡大

ROIも高く、経営ビジョンとの整合性も取れている事業は、本命事業だ。
しっかり利益を上げつつ、あるべき姿に向かっているという、完璧な事業だ

これは、事業ポートフォリオの中で、最重要視すべき事業たちであり、更なる拡大を狙うべきだろう。

課題事業は利益向上を狙う

会社のビジョンと整合性は高いが、利益をいまいち上げていないのは、課題事業だ。
求められるのは、採算性を改善して、うまく本命事業に持っていくことだ。
長期にわたってそれができないと、いくら会社のあるべき姿に向かって貢献しようとも、株主や投資家から撤退するよう圧力を受けてしまうかもしれない。

機会事業はビジョンとの整合性を合わせる

利益を上げているが、会社ビジョンと合致しないのは、機会事業だ。
これも、課題事業と考え方は同じで、ビジョンとの整合性を持たせて、本命事業になるように持っていくのが望ましい。

方法は2通りある。①うまくビジョンと整合するように事業を微調整・ピボット(方向転換)する。②経営ビジョンを定義し直す。もちろん②の方がハードルが高い。しかし多角化した新事業がもはやメイン事業となり、それに合わせて経営ビジョンを変更した例は実際多々ある。

ビジョンと整合しなくても、あくまで収益源として位置づけて残すという手もある。主要事業としてWebサービスを作っているベンチャーが、主要事業が利益を上げるまでシステム開発の受託を主な収入源にする場合はよくある。

しかし、ビジョンと整合しない事業を長期に続けると、従業員のモチベーション低下や対外的なブランド力低下という悪影響があるとも言われており、できるだけビジョンに合わせるようにした方が望ましい。

見切り事業は見切る

利益も上げず、本業とも関係ない事業は、見切り事業だ。
これはその名の通り、撤退するのが望ましい選択だ。

 

まとめ

・バリューポートフォリオは、自社の事業を、ROIとビジョンとの整合性の2軸で評価・分析
・ROI高・ビジョン整合性高:本命事業⇒拡大
・ROI低・ビジョン整合性高:課題事業⇒採算性向上
・ROI高・ビジョン整合性低:機会事業⇒ビジョンとのすり合わせ
・ROI低・ビジョン整合性低:見切り事業⇒撤退

「戦略」と「戦術」の違いとは?ビジネスにおける具体例と解説
「戦略」と「戦術」の違いとは?ビジネスにおける具体例と解説 1024 682 Biz Tips Collection

よくごっちゃにされてしまう「戦略」と「戦術」という言葉。しっかり違いをわかっているだろうか。2つの違いを解説する。

戦略とは中長期の方向性。戦術は具体的な手段

戦略や戦術はもともと軍事用語だ。軍事では、全体的な攻め方、例えばどこに兵を配置するか、どの地域を攻めるかなどを、戦略と呼ぶ。個別の戦闘における戦い方は戦術と呼ばれる。今ではビジネスを含め様々な場面で使われる言葉だ。

簡単に言うと、戦略は、目標達成のための全体的な方向性だ。
まず目的がと現状があり、その間のギャップをどう埋めるのか、というのが戦略だ。

対して、戦術とは、戦略に沿った具体的な手段となる。
戦略の方向性に対して、実際にどんな個々の打ち手を打つのかが戦術だ。

戦略がWhat(何をするか)で、戦術がHow(どうやってするか)と考えるとよい。
戦略では大局的・長期的な視点で向かう方向性を決めるが、戦術は短期的な具体策だ。

 

ビジネスにおける戦略と戦術の例

まずシンプルな例を見てみよう。

商品の事業戦略:まずは認知を上げる。
戦術:TV CMを打つ。

人事戦略:エンジニア人員を拡大する。
戦術:①エンジニア向けの転職サイトに掲載する。②既存エンジニアによる社員紹介制度を導入する。

戦略と戦術の違いのイメージがついただろうか。
目的に対して戦略も複数設定されることや、1つの戦略に対して複数の戦術が設定されることは問題ない。
他にも実際の例を見てみよう。

ユニクロの例

企業戦略:価格の安さで競争優位性を確立する。(コスト・リーダーシップ戦略と呼ばれる)
戦術:SPA(製造小売業)。企画、生産、販売まで一貫して自社で行うことで、低価格を実現する。

ロケット・インターネットの例

企業戦略:既存のITサービスを速攻でパクり、まだない国でローンチする
戦術:アメリカのオークションサイト「イーベイ」をパクって、ドイツで「アランド」というオークションサイトをローンチする

この企業は、この方法で200以上のサービスをローンチした。

セブンイレブンの例

出店戦略:むやみに様々なエリアに進出せず、特定の地域に高密度に出店していく
戦術:①まずは○○区にXX店出店する。②○○区に絞ってフランチャイズオーナーの募集をかける

セブンイレブンのこれは、いわゆるドミナント戦略と呼ばれるものだ。同じエリアに大量に出店することで、認知度や親近度が上がる、物流や広告のコストが下がる、といったメリットがある。
コンビニが広まり始めていた頃、別のコンビニ企業は、各地域に一店づつ出店していきセブンイレブンよりカバーする地域は広かったが、この戦略を取ったセブンイレブンの方が業績がよかったという。まさに戦略勝ちのいい例だろう。

 

戦略と戦術のどちらかが欠けてもうまくいかない

戦略と戦術は、どちらかの方が重要ということではない。しっかり両方を意識することが重要だ。

戦術なき戦略では、実行が伴わない。
どんなすばらしい戦略の絵を描いても、実際に実行しなければ意味はない。

逆に、戦略なき戦術は、どこに向かうべきかわからない、かむしゃらな努力になってしまう。
労力も分散してしまうし、どの戦術をよしとすべきかの判断も難しい。ビジネスではリソースは限られている。戦略は何をするかを決めることで、逆に何をしないかを決めていると見ることもできる。「戦略とは捨てること」と言う人もいるくらいだ。

戦略がしっかりあることで、現場での判断がしやすくなる。ただ「売上を上げろ」という状態の営業部隊よりも、「特定の業界を狙う」、「商品Aをフックにして、後々Bを追加発注させる」、などといった販売戦略的な方針がある営業部隊の方が、動きやすい。

また、戦略も戦術もあるが、戦術が戦略に対応していないというケースもある。例えば、上層部は新規開拓への注力を戦略としてあげているのも関わらず、現場は既存顧客の対応ばかりしているという場合だ。戦略と戦術は、しっかり対応させることで意味がある。

 

戦略と戦術の両方を持とう

まとめると以下の通りだ。
・戦略は、目的達成のための全体的な方向性
・戦術は、戦略に沿った具体的な手段
・戦略と戦術はいずれも欠けず、しっかり対応していることが重要

話に上がった案は、戦略なのか戦術なのか、常に意識できるとよいだろう。事業全体の話をしているのに、戦術的な具体策の話に話題がひっぱられてしまうことは多々ある。

会社のヴィジョンや目的と、戦略や戦術の関連性については、以下の記事も参考頂きたい。
組織の目的と戦略に一貫性を持たせる! VMOSTモデル

論点とは解決すべき課題 | 論点思考の 基本と2つの考え方
論点とは解決すべき課題 | 論点思考の 基本と2つの考え方 1024 700 Biz Tips Collection

論点をうまく設定できるかは、仕事ができるかどうかの1つの分かれ目だ。この能力は特に立場が上がれば上がる程重要となる。コンサルティングなど一部の業種であれば、常に意識するよう教育される場合もあるが、あまり意識されないことが実際多いのではないだろうか。そもそも論点とは何か、また論点思考とは何か、解説する。

論点とは、答えるべき問い=解決すべき課題のこと

論点とは、「答えるべき問い」のことだ。文字通りの意味であれば、「論じるべき点」だ。
一言で言うと、これを常に意識することが論点思考だ。今話していることは、本当に答えるべき問いなのか。このプロジェクトで次に答えるべき問いは何なのか。そういったことを考えるのが論点思考だ。

ビジネスシーンでは、この「答えるべき問い」にあたるのが「解決すべき課題」だ。課題の解決にいくら時間をかけようが、そもそも課題の設定が間違っていれば、意味がないか、少なくとも非効率になる。この論点設定の精度を上げるのが論点思考だ。

論点思考は、2つの能力に分けられる。
①大論点の設定と、②サブ論点の設定だ。
(実際、大論点も通常何かのサブ論点ではあるので、本質的には変わらないが。)

 

①大論点の設定 – 本当に解決すべき課題を特定する

有名な例なのでどこかで聞いたことがあるかもしれないが、以下を見てもらいたい。

AさんとBさんの前にケーキがある。どう分けたらいいだろうか。

よくある間違った答えは、正確に二等分する方法ばかり考えてしまうことだ。これは、論点を「いかに正確に切るか」に設定してしまっている。だが、本当にそれが本当に解決すべき課題だろうか。要は二人が納得すればいいのである。正確に切ることは納得のための手段でしかない。これに気づければ、論点を「以下に2人が納得できるよう分けるか」に設定して考えることができる。模範解答は「Aが切り分けて、Bが取るほうを選ぶ」だ。始めに論点設定を間違えるとこの答えは中々出ない。

こんなジョークもある。
アメリカのNASAは、100億ドルかけて、無重力空間でも使えるボールペンを開発した。一方、ロシアは鉛筆を使った。
これこそ論点思考のいい例だろう。NASAは、「ボールペンを無重力空間で使えない」という問題を解決しようとした。ロシアは、論点は「無重力空間でいかに筆記できるようにするか」だと理解した。
このとき論点思考をでききていたのはロシアの科学者であり、ロシアは100億ドルを浪費せずに済んだのだ。

この論点設定をする際、事象と原因で分けて考えるのも重要だ。例えば、Cさんが仕事でミスを起こすという問題が発生したとする。ひとまずCさんを叱ったり罰するなりして終わりの場合も多い。だが、本当にこれはCさんが100%悪いのだろうか。Cさんのミスはあくまで事象に過ぎず、同様のミスが他にも起こってないだろうか。こんな時、「ミスが起こる背景は何だろうか」と考えるべきだ。もしかしたら、業務過多になっているのが原因かもしれない。であれば解決すべき課題は、「いかに業務量を減らすか」かもしれない。

この適切な課題設定の能力は、ほとんどどんな仕事でも応用できるだろう。常に、本当に解決すべき課題は何か、意識することが大切だ。上司が課題設定してくれ、言われたことをやってればいい立場もあるが、立場が上がれば上がるほど、これを自身で考えなくてはならなくなる。

 

②サブ論点の設定 – 論点を分解する

さて、先ほどの大元の解決すべき課題を、大論点とする。これを更にサブ論点に分解するのも、重要な能力だ。いわゆる「論点整理」と呼ばれるものでもある。

例えば、ある会社として「○○国に進出すべきか」という大論点があったとしよう。そもそもこれは本当に検討すべきかと考えるのも論点思考だが、会社の状況から考えて正しい大論点だったとしよう。じゃあこの論点がわかったところで、すぐに答えが出せるだろうか。話がざっくりしすぎていて、何から手をつけたらいいかわからないだろう。

こんな時は、大論点を更にサブの論点に分解することが大切だ。「○○国に進出すべきか」という問いに答えを出すためには、どんな問いの答えがわかればいいか考えるのだ。

例えばの例は、「市場の成長が見込めるか」、「競合に勝つ見込みがあるか」、「自社に進出できるリソースがあるか」だ。これら3つのサブ論点に答えが出せれば、「○○国に進出すべきか」の答えが出せるだろう。このサブ論点を更にサブサブ論点に分けていってもよい。

この論点整理する能力が弱いと、せっかく大元の課題の設定が合っていても、適切に答えが出せないだろう。「○○国に進出すべきか」という例でいうと、「○○国は日本語ができる人がいるか」などとサブ論点を設定しても(商品によるが)全く意味はないし、逆に「競合に勝つ見込みがあるか」の視点がもれていると、進出した後に間違いだったことが判明するかもしれない。適切なサブ論点を設定するには、ロジカルシンキングで論理的に考える能力も重要だ。

 

論点思考で真に解決すべき課題を特定しよう!

論点思考ができれば、本当に大切な問題に意識を集中して結果を出すことができる。先ほどのCさんのミスの例で見ても、その原因を特定して解決しようという意識がなければ、永遠に同じようなミスをもぐら叩きする状態になってしまう。また、論点思考は問題解決の効率化にもなる。無限のリソースがあれば、全ての手を打つことができるが、そんなことはないので、優先順位が必要だ。適切な課題設定、適切なサブ論点を設定することで、優先的に手を打つべきことだけにリソースを集中できるのだ。

また、論点思考以外にもロジカルシンキングなど、様々な思考法がある。これらはごっちゃにされることが多い。論点思考と他の思考法の違いは、以下を確認して頂きたい。
ロジカルシンキングとクリティカルシンキングの違いは?思考法の整理

財務諸表とは何か?財務諸表の役割と見方について
財務諸表とは何か?財務諸表の役割と見方について 1024 768 Biz Tips Collection

皆さんは、自分の会社のことをどこまで理解されているだろうか。社歴や商品知識、人事制度など、会社を理解するために必要なことは多いが、定量的な部分は「財務諸表」から捉えることが有意義だ。財務諸表は、読み方が分かっていないと、ただの数字の羅列に見えてしまう。自らの会社をより深く理解するために、財務諸表の読み方のコツをマスターしてほしい。

財務諸表とは何か?

財務諸表(Financial statements、通称F/S)とは、「企業の経営状態を定量的に把握できる資料」と理解してほしい。財務諸表は以下の4つから構成されている。

①.貸借対照表(Balance sheet、通称B/S):企業の一時点の財産の状況(財政状態という)を明らかにする表
②.損益計算書(Profit&Loss Statement、通称P/L):企業の一定期間の利益の状況(経営成績という)を明らかにする表
③.株主資本等変動計算書(Statements of Shareholders’ Equity、通称S/S):B/Sの純資産の部の一定期間の変動を明らかにする表
④.キャッシュ・フロー計算書(Cash flow statement、通称C/F):企業の一定期間の現金の変動を明らかにする表

ここで重要なのは専門的な言葉の定義ではない。理解してほしいのは、企業の経営状態を定量的に把握するときは、①持っている財産(資産という)と債務(負債という)、②稼いだ利益、③純資産(資産から負債を差し引いた差額)の変動、④稼いだお金。という4つ視点から見ていくということ。そして、この4つは互いに繋がっているということだ。

 

財務諸表のそれぞれの繋がり(B/S,P/L,S/S,C/F)

それでは、財務諸表がそれぞれどのように繋がっているかを具体的に見ていこう。ここでは、架空の商店の取引を例に見ていく。皆さんが1人で事業をおこしたと想像して読んでもらいたい。

 

財務諸表の作成

あなたは駄菓子屋の開店すべく、以下のことを行った。
①自分の預金口座から1,000円を会社用の口座に移した。
②600円を現金で支払って商品を仕入れた。
③500円分の商品を1,200円で販売した。ただし入金は1か月後とした。

これらを財務諸表に表すと以下のようになる。
簿記の知識が無いと、すべてを正確に理解するのは難しいかもしれないが、結果を見て大体のイメージが持てれば問題ない。念のため、財務諸表の各資料の説明を補足しておく。
・B/S・・・会社の財産となるのは、現金400円(会社資金1,000円ー現金仕入600円)と、将来現金になる売掛金1,200円、将来販売できる商品100円(仕入600円-販売500円)。債務についてはなし。純資産については、株主資本等変動計算書から転記(後述)
・P/L・・・会社の利益となるのは700円(商品売上1,200円ー商品売上原価500円)、利益の結果を株主資本等変動計算書へ転記
・S/S・・・純資産の変動は資本金の流入1,000円と当期純利益の発生700円。結果について、貸借対照表へ転記
・C/F・・・営業活動(販売活動)からは600円の赤字(600円の商品仕入 ※商品売上については未入金)、投資活動はなし。財務活動については資本金の流入1,000円。現金の残高について貸借対照表へ転記。

 

財務諸表の繋がり

上記の例により作成された財務諸表を見て、理解してほしいのは、財務諸表は互いに連携しているということだ。そして、すべての起点になっているのは貸借対照表だ。あなたが、事業をしようと思ったときを想像してほしい。まずに初めに行うことは、借入れだろうが、自己資金(自分のお金)だろうが、会社を運営するための資本の用意だろう。貸借対照表から事業が始まり、事業の成果が貸借対象表へ帰ってくるのだ。

 

財務諸表の読み方まとめ

今回の内容をまとめると以下の通りだ。
①財務諸表とは、企業の経営状態を定量的に把握できる資料
②財務諸表は4つの資料で構成されており、それぞれ以下を明らかにするために作成する
・貸借対照表(B/S)・・・持っている財産(資産という)と債務(負債という)の金額
・損益計算書(P/L)・・・企業が一定期間に稼いだ利益の金額
・株主資本等変動計算書(S/S)・・・純資産(資産から負債を差し引いた差額)の一定期間の変動額
・キャッシュ・フロー計算書(C/F)・・・企業が一定期間に稼いだお金
③財務諸表の起点は貸借対照表で、4つの資料は互いに連携している

上記を理解できていれば、財務諸表を分かると言っても差し支えないだろう。ただし、財務諸表の繋がりを理解しても、その会社にどのような特徴があるか理解するためには、もう一歩突っ込んだ見方が必要だ。財務諸表の分析方法のコツについては、別の機会で紹介したい。

わら人形論法(ストローマン)とは?種類と例 | 詭弁を見抜く!論理の間違いシリーズ
わら人形論法(ストローマン)とは?種類と例 | 詭弁を見抜く!論理の間違いシリーズ 1024 576 Biz Tips Collection

わら人形論法とは、ストローマン、ダミー論証とも呼ばれる詭弁の1つ。相手の意見を歪曲して、その歪曲した意見に基づいて論破する、というテクニックだ。Twitterなどでの言い争いでもよく見られる。実際にどんなものか、種類とそれぞれの例を見ていこう。

わら人形論法は、相手の主張を歪めて、それを攻撃する手法

わら人形では、相手の意見を歪曲、誇張、言い換えなどをし、本人の本来の意見でなく、都合よく歪曲した意見を叩く。あたかも本人でなく、自分で作り出したわら人形を攻撃するかのようにだ。これにより、相手を論破したことにしようとするテクニックだ。これは一種の論点のすり替えでもある。

相手の意見の歪め方には、複数のパターンや特徴がある。多くのわら人形論法は、以下のパターンを複合的に使っている。いくつか見ていこう。

 

パターン① 極端な逆のことを主張していることにする

以下の例を見てみよう。

Aさんの主張:「子供を道路で遊ばせるのは危ない。」
わら人形論法:「Aさんは、子供を家に閉じ込めておけと言っている。果たしてそんな教育が正しいのでしょうか。子供が外で遊ぶのはいいことだ。」

明らかにAさんは、子供を家に閉じ込めておけなどとは言っていない。もっと言うと、外で遊ぶのがいけないとも言っていない。主張しているのは、道路で遊ぶのが危ないということだけだ。
ここでは、まず道路で遊ぶのが危ないという意見を、外で遊ぶのがよくないと言っているとことにしている。「道路で遊ぶ」はあくまで「外で遊ぶ」の中の1ジャンルだ。その上で、つまり子供は家に閉じ込めておくべきだと主張したことにしている。

他にも以下のような例がある。
Aさんの主張:「世界中の民主主義国家で、ポピュリズムが台頭している。なんとかしなくてはならない。」
わら人形論法:「独裁国家を肯定するというのか!」

Aさんの主張:「軍事予算を減らすべきだ。」
わら人形論法:「Aさんは国を守らなくてもよいと言っている。」

 

パターン② 拡大解釈する

Aさんの主張:「警察は容疑者のメール履歴を見る権限を持つべきだ。」
わら人形論法:「疑わしいというだけで、国家が人のメールを見れるだなんて、とんでもない制度だ。これは明らかに市民のプライバシーの侵害だ。Aさんは監視国家を作ろうとしている。これを止めなければ日本は人権のない国になってしまう。」

Aさんは、そこまで言っていない。この論法は、論点を監視国家の是非や人権の話に摩り替えている。
このように、Aということは、Bも言っている、ということはCも言っている、とどんどん拡大解釈していき、最後のCを叩くのがわら人形論法の1つのやり方だ。

以下のような例も拡大解釈の一種だ。
Aさんの主張:「刑務所に年間5000億円かかっている。制度改革が必要だ。」
わら人形論法:「刑務所は必要だ。犯罪者を社会に出しておくことは、どう考えても容認できない。」

 

パターン③ 間違った例を持ち出す

Aさんの主張:「アンケートの結果、70%がXXに反対でした。アンケートでは、各年代からランダムで選択肢、合計800サンプルに聞きました。」
わら人形論法:「たった一部の人たちに聞いただけでそれを皆の意識というなんておかしい。だったら次の選挙もほんの数百人の一握りで決めればいい。そんなの民主主義と呼べるか。そんなアンケート無効だ。」

確かに選挙は、一握りの人たちだけに聞いたら、民主主義として終わっている。だが、アンケートで一部のサンプルに聞くことの是非と、選挙で一部のサンプルに聞くことの是非は、別の話だ。このように間違った例に当てはめて、相手の主張を否定するのも、1つのわら人形論法だ。

以下の会話も同じような手法が使われている。
「火の扱いは気をつけなさい。怪我するかもしれないでしょう。」
「それを言ったら、サッカーをしてても怪我するかもしれない。そんなこと気にしてたら何もできないよ。」

 

パターン④ 発言の一部を取り出す

Aさんの主張:「資本主義が競争を促して結果格差ができることは悪いことではない。重要なのは、結果の格差でなく、機会の格差を減らすことだ。皆が平等な機会を持った上で、努力の結果格差ができるのは悪いことではない。もちろん程度もあるが。」
わら人形論法:「Aさんは、格差社会を良いことだと言っている。」

発言の一部を取り出して、それが本人の主張であるかのように話すのも、一種のわら人形だ。意見を故意に単純化しているという見方もできる。

ただの例え話に噛み付くのもその1つのやり方だ。たとえその例があまりよい例じゃなかったとしても、主張自体が間違っていることにはならない。

 

パターン⑤ 関連する別のものを主張していることにする

Aさんの主張:「トランプの施策には、実際悪くないものもある。」
わら人形論法:「Aさんは、人種差別を肯定している!」

Aさんはトランプの一部を肯定しただけだ。この論法では、トランプの別の要素も肯定していることにしている。

有名な例では、かつてニクソン大統領も、このようなわら人形を使って批判を退けた。簡単に要約すると、以下のような話だ。
批判:「ニクソンがふところに納めた選挙資金$18,000は違法で返却すべきだ。」
回答:「確かに私は支持者から犬を譲り受けた。とてもかわいい犬で、子供も気に入っている。誰がどう批判しようと、私はこの犬はキープする。」
誰も、譲り受けた犬のことは批判していない。批判しているのは着服した金だ。しかし、こんなロジックでもうまく世間の目を批判からそらすことに成功したらしい。しかも犬と子供を持ち出して感情に訴えるのは、さすが政治家といったところだろうか。

 

わら人形論法では、冷静に相手の間違いを指摘しよう

わら人形論法を使われたら、一番の対策は、相手の論理展開の間違いを指摘してやることだ。例えば最初の道路で遊ぶ例であれば、「家に引きこもっていろとは一言も言っていません。外で遊ぶことも否定していません。道路で遊ぶのが危ないと言っただけです。」といった形だ。自分がいない場で使われるのが一番たちが悪いのだが。
わら人形論法(ストローマン)は、相手の主張を歪めて、それを攻撃する手法だ。勢いで押し切れる場合もあるだろうが、論理的に間違っていることは認識しよう。

 

「詭弁を見抜く!論理の間違いシリーズ」では、他にも以下を紹介している。
循環論法とは?具体例と悪用方法
もっともらしいが間違った比較7種
軽率な一般化とは?例と気をつけ方

SPACE分析とは?自社のポジショニングを可視化・分析するフレームワーク
SPACE分析とは?自社のポジショニングを可視化・分析するフレームワーク 1024 614 Biz Tips Collection

SPACE分析は、内部環境と外部環境から、自社や事業の取るべきポジショニングや戦略を示すフレームワークだ。内部と外部を評価する意味では、いわゆるSWOT分析と似ているが、SWOT分析がより定性的で明確な結論が出しにくい一方、SPACE分析はどうすべきかまで示唆してくれる。事業責任者などであれば、頭に入れておくとよいだろう。

SPACE分析では、内部環境と外部環境を評価

SPACE分析とは、Strategic Position and Action Evaluationの略で、直訳すると「戦略的ポジショニングとアクションの分析」だ。SPACE分析では、内部環境と外部環境を評価して、自社の取るべきポジショニングを明確にする。

SPACE分析での内部環境は、「自社の競争力」と「自社の財務力」を評価する。
外部環境としては、「業界の魅力度」と「業界の安定性」を評価する。

これらの4つの項目を評価し、その偏りによって、自社の取るべきポジショニングを教えてくれるのが、このSPACE分析だ。

具体的なステップを見てみよう。

SPACE分析のステップ

ステップ① 評価項目の決定

まずは、4つの項目それぞれに対して、評価するサブ項目を決める。通常、以下のサブ項目のいくつかが使用される。自社の事業にあった項目を複数選択するとよいだろう。

自社の競争力:
・マーケットシェア
・製品の質
・顧客ロイヤリティー
・技術的ノウハウ
・垂直統合度合い
・プロダクトライフサイクル

自社の財務力:
・ROI
・キャッシュフロー
・資本
・マーケットからのイグジットの容易さ
・財務リスク

業界の魅力度:
・成長率
・潜在市場規模(成長ポテンシャル)
・利益ポテンシャル(市場は伸びていても、薄利多売の業界もある)
・参入しやすさ
・必要リソースの取得の容易さ
・業界特性による財務の安定性(安定的に利益が上がる業態か、など)

業界の安定性:
・技術革新の影響
・参入障壁の高さ
・価格弾力性
・需要の変動性(ボラティリティ)
・インフレ率
・代替品の圧力
・その他業界特有のリスク

ステップ②各サブ項目の評価方法の決定

評価するサブ項目を決定したら、それぞれに1点から最大6点で評価できる評価方法を決める。
少し分かりづらくなるが、この時、「自社の財務力」と「業界の魅力度」に関しては、1(最低)~6(最高)で点数を付ける。「自社の競争力」と「業界の安定性」に関しては、逆に1(最高)~6(最低)で点数を付ける。

非常に厳密な定義をする場合もあれば、ざっくりやる場合もある。基本的には、内部環境は競合との比較で評価し、外部環境は他の業界と比較するとよいだろう。

 

ステップ③各項目を評価

各サブ項目を、決めた評価方法にそって、1~6点で評価する。
次に、4つの項目(自社の競争力、自社の財務力、業界の魅力度、業界の安定性)ごとに、サブ項目の点数の平均を取る。これで、4つの項目それぞれに6点満点の点数がついた。

 

ステップ④評価結果をグラフにプロットする

評価結果を、以下の図の通り、プロットする。縦軸は、上に「自社の財務力」と下に「業界の安定性」。横軸は、右に「業界の魅力度」と左に「自社の競争力」だ。
これらがそれぞれ対になっている理由としては以下の論理になっている。自社の財務力も業界の安定性も、どちらも事業の安定性に寄与する。(例えば、業界が安定していなければ財務力が必要)。また、自社の競争力も業界の魅力度も、どちらも自社の利益ポテンシャルに寄与する。
この時、「自社の財務力」と「業界の魅力度」に関しては、1(最低)~6(最高)で点数をつけ、「自社の競争力」と「業界の安定性」に関しては、逆に1(最高)~6(最低)で点数をつけたことを忘れないようにしよう。

ステップ①~④までの結果、最も面積が大きかった象限に記載されているのが、自社の取るべきポジショニングだ。

SPACE分析による4つの戦略の方向性(ポジショニング)

冒頭にも述べた、SWOTとの違いである「とるべき戦略の方向性」について以下で解説する。
順序は前後するが右上→右下→左上→左下の象限の順で説明していくものとする。

Aggressive Position (攻撃的ポジショニング)

右上の象限は、攻撃的ポジショニングだ。右上の面積が一番大きいということは、事業としても安定していて(自社の財務力や業界の安定性の少なくともいずれかが高い)、事業の利益ポテンシャルも高い(業界の魅力度か自社の競争力の少なくともいずれかが高い)ということだ。
一言で言うと、ガンガン攻めるべき時ということだ。シェア獲得に向けて、マーケティング施策を大きく打ってもよいし、買収してもよい。垂直統合に向けて動いてもよい。

Competitive Position(競争的ポジショニング)

右下の象限は、競争的ポジショニングだ。ここの面積が一番大きいということは、業界が安定していないが、チャンスが大きい(利益ポテンシャルが高い)ということだ。この状況でキーとなるのは、自社の財務力を強化することだ。キャッシュフロー強化、コストカットなどによる効率化、などの手がありうる。自社の競争力があるうちに、利益率を高め財務状況を安定させ、業界の不安定さに備えるのだ。

Conservative Position(保守的ポジショニング)

左上は、保守的ポジショニングと呼ばれるものだ。安定しているが伸びていない業界で、財力のある企業であれば、取るべき手は2種類ある。
1つは、製品の競争力を保持しつつ上げることだ。主要製品を守りつつ、新製品の投入などを検討すべきだ。
一言で言うと、むやみに攻めることにリソースを使う(営業強化など)よりも、自社の競争力を上げる(製品開発など)ことにフォーカスするということだ。
もう1つは、事業が利益を生んでいるうちに、その財務力を使って、周辺のより利益率の高い市場に参入するという手だ。業界の魅力度があまりに低い場合はこちらを検討すべきだろう。

Defense Position(防御的ポジショニング)

左下は、防御的ポジショニングと呼ばれる。業界の魅力も自社の強みも低く、財務的にも安定していないようであれば、むやみに投資すべきではない。コストカットによる効率化や、コストをできるだけかけずに競争力を上げることをチャレンジしてもよいが、撤退も検討した方がよい。

 

SPACE分析で、事業の方向性を考える

まとめると、以下の通りだ。
・SPACE分析は、内部環境と外部環境から自社の取るべきスタンスを示唆するフレームワーク。
・内部環境では「自社の競争力」と「自社の財務力」を評価。外部環境では「業界の魅力度」と「業界の安定性」を評価。
・総合的に全て高ければ、攻撃的ポジショニングで、攻める。
・業界が魅力的か自社の競争力があるが、財務力や業界の安定性が低い場合は、競争的ポジショニングで、自社の財務基盤確立にフォーカス。
・財務力があり業界が安定しているが、業界の魅力や自社の競争力が低ければ、保守的ポジショニングで、むやみに攻めず競争力確保に動く。
・いずれも低ければ、防御的ポジショニングで、投資を抑え撤退を検討する。