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選択肢で行動を操るテクニック4選 | 行動経済学的マーケティング手法シリーズ
選択肢で行動を操るテクニック4選 | 行動経済学的マーケティング手法シリーズ 1024 768 Biz Tips Collection

自分で決めていると思い込んでいるが、実はさりげない設計によって人は大きな影響を受けていることが多い。逆に言えば、悪用すればそれとなく人々の行動を操ることも可能だ。今回は、用意する選択肢でどのように人が影響を受けるか、テクニックを4つ紹介する。

三択では真ん中を選ぶ。松竹梅の法則

これはなんとなく自分の感覚でもわかるのではないだろうか。「3段階の選択肢があった場合、人は真ん中を選びやすい」という心理のことだ。極端の回避性とも呼ぶ。

例えば、以下の二択だった場合、人は安い方を選ぶ傾向がある。
竹プラン:5,000円
梅プラン:2,000円

しかし、ここに選択肢を1つ追加してみよう。
松プラン:10,000円
竹プラン:5,000円
梅プラン:2,000円

すると、真ん中が選ばれやすくなるのだ。

応用方法は簡単だ。竹の商品を売りたければ、そんな売る気のない松の商品を商品ラインに追加するのだ。
逆に、高級ラインはあまり売れていないからと、取りやめにしてしまうと、全体の売上が下がってしまうかもしれない。

 

追加の選択肢で誘導。妨害効果

タイプの違う選択肢が2つあるとする。どちらかに新たな選択肢を増やすことで、選択を誘導できる。過去に以下のような実験が行われた。

2つの選択肢が与えられた。
①1.50ドルの現金
②2.00ドル相当のボールペン

この2つの選択肢の場合、75%の人が②のボールペンを選択した。合理的な選択ではあるだろう。

一方、以下の選択肢を増やしたパターンを試した。
①1.50ドルの現金
②2.00ドル相当のボールペン
③1.00ドル相当のサインペン2つ(合わせて2.00ドル相当)

すると、50%ほどの人は①の現金を選択したのだ。②と③の方が①より金銭価値が高いにも関わらず、2つの決めづらい選択肢があることによって、①を選択する方が選ぶのが楽だったのだろう。

以下のような同様の研究がある。
ある症状の患者に対して、新しい治療法を推薦するか、専門病院に紹介状を書くか、選ぶ場合、75%が新しい治療法を推薦した。しかし、2つの新しい治療法の推薦と、専門病院への紹介状の3択になった場合、50%が専門病院への紹介状を選択した。

国会議員が、赤字の公立病院を閉じるかどうかの判断を求められた際、66%が閉じる方を推薦した。しかし、これが2つの公立病院のどちらかを閉じるか、閉じないかの判断になった場合、どちらかの病院を閉じる方を推薦したのはたった25%だった。

選択肢が増えた方のジャンルの選択は考えることが増えてしまうので、楽な方を選んでしまう。また、選択肢のデメリットとなる要素を抽出し、同様のデメリットを強調するための他の選択肢を用意し、心理的にデメリットの要素を含む選択肢の選択を妨害するテクニックも可能かもしれない。

 

無意味なおとりの選択肢で誘導。相対性の真相

明らかに選ばないであろう無意味な選択肢を含めることで誘導することも可能だ。有名なケースだが、以下のような研究がある。

2つの選択肢がある。
①Web版の年間購読:59ドル
②Web版+印刷版の年間購読:125ドル

この場合、32%が②のWeb版+印刷版を選択した。

しかし、以下の場合は、結果が違った。
①Web版の年間購読:59ドル
②印刷版の年間購読:125ドル
③Web版+印刷版の年間購読:125ドル

②の印刷版のみの選択は全く無意味だ。同じ金額でWeb版もついてくるので、選ぶ人がいるはずもない。しかし、この意味のない選択肢を加えることで、人々の選択肢が大きく変わった。84%の人が、③のWeb版+印刷版を選択した。

これは、似ているが明らかに劣っている選択肢(②)を加えることで、もう1つの選択肢(③)の魅力度が高く感じてしまう心理が影響していると言われる。2つの選択肢の時よりも、よりお得に感じたのだ。ちなみに先ほどの3択は、実際にエコノミスト誌が提示していたことのあるオプションだ。

同様の研究に以下のようなものがある。
様々なサービス込みのパリ旅行とローマ旅行では、選択が分かれる。しかし、朝食なしのローマ旅行を入れて3つの選択肢にすると、様々なサービス込みのローマ旅行の方が選択されるようになった。

 

選択肢が多すぎると選べない。決定回避の法則

逆に気をつけなければならないのは、この法則だ。「選択肢が多すぎると、人は何も買わない」という傾向がある。先ほどの妨害効果でも同様の効果が見られた。
自分の経験でも、迷った挙句何も買わなかったという経験はないだろうか。人は「決める」という行為に意外とエネルギーを使う。選択肢が多すぎると、色々比較して考えるのが面倒になり、逆に迷って決められなくなってしまうのだ。人は実はできれば決断をしたくない。じゃあ、今度決めよう、となってしまう。

応用方法は簡単で、選択肢を絞る、ということだ。先ほど3択で誘導するというテクニックもあったが、商品ラインナップを6つも7つも選択肢を増やしてしまうと、真ん中を選んでくれるどころか何も選んでくれない可能性が増える。「おすすめ商品」や「売上ランキング」を表示する際も、わざと少なめに表示する方が購入率が上がる場合もあるだろう。

 

選択肢の設計は実は効果がある

選択肢をうまく設計すれば、人の行動をある程度誘導することが可能だ。今回、それに役立つテクニックを4つ紹介した。まとめると以下の通りだ。
・3段階の選択では、人は真ん中を選ぶ
・AかBの2タイプの選択がある時、Bと同じレベルの選択Cを加えると、Aが選ばれやすくなる。
・AかBの2タイプの選択がある時、Bの劣化版の選択Cを加えると、Bが選ばれやすくなる。
・選択肢が多すぎると、人は選択しなくなる。

 

「行動経済学的マーケティング手法シリーズ」では以下も紹介している。
ウィンザー効果とは?実践例は?企業はこのように活用している!

ビジネススキルの分類 | カッツの理論でスキルの種類を体系的に知る
ビジネススキルの分類 | カッツの理論でスキルの種類を体系的に知る 1024 685 Biz Tips Collection

ビジネススキルを伸ばしたい、と多くのビジネスマンが思うことだろう。また、部下のビジネススキルを評価して比較したい場合もある。しかし、ビジネススキルとは定義が曖昧で広い言葉だ。これをわかりやすく分類したのが、ロバート・カッツの理論だ。発表されてから長い時間がたったが、今でも成り立つ内容だ。ビジネススキルを整理することで、自分に何が足りていないか、何を鍛えるべきか、など見えてくるだろう。

 

カッツの理論は、ビジネススキルを大きく3種類に分類

カッツの理論は、当初管理職に必要なスキルを整理するために提唱されたが、その分類方法は管理職でなくても当てはまる。この理論では、ビジネススキルを、テクニカルスキル、ヒューマンスキル、コンセプチュアルスキルの3つに分類している。

すぐれたマネージャーやビジネスマンは、これらの3つを全てある程度兼ね備えている。また、自身の立場によってどのスキルがより重要かなどが変わってくる。

まず、それぞれを解説しよう。

 

テクニカルスキルは、業務遂行能力

テクニカルスキルは、実務の実行のための能力だ。業務遂行のために必要な、専門技術や知識を含む。

例えば、PC操作やパワーポイント、エクセルを使いこなす能力。または、扱う自社商品の知識もそうだ。SEであれば、プログラミングスキル。会計担当者であれば経理・財務の知識も入るだろう。このように、必要となるテクニカルスキルは、会社や業務内容によって大きく異なる。

テクニカルスキルは、スタッフ(作業実行者)である以上は不可欠なスキルである。かといってマネージャーなら全く不要ではないというわけではなく、ある程度の業務知識は必要だ。また、技術職であれば最も重要な能力だ。

 

ヒューマンスキルは、対人能力

多くのビジネスの現場では、決まった業務の遂行だけで全てが回るわけではない。対人コミュニケーションが発生する。ヒューマンスキルは、対人コミュニケーションの能力だ。

しっかり報連相(報告・連絡・相談)していくことや、チームワークも含まれる。リーダーシップを持って仲間を動かしていくことや、営業の現場での交渉力、または社内での調整力もヒューマンスキルだ。相手の懐に入り、人間関係を築くのもそうだ。

誰でもある程度必要となる能力だが、特に営業や管理職であればより重要となるだろう。

 

コンセプチュアルスキルは、概念化能力

最後の一見分かりづらいが非常に重要なのが、いわゆる「概念化能力」と呼ばれるコンセプチュアルスキルだ。事象や状況を構造化して捉えたり、抽象的に考えるスキルのことだ。物事を抽象的に捉えることで、大量の情報や複雑な事柄を整理し、問題の本質的な原因を捉えれたり、将来を予測したり、ビジョンを描くことが可能となる。いわゆるロジカルシンキングといった思考法や、発想力などもコンセプチュアルスキルの重要な要素となる。

また、コンセプチュアルスキルは、他のスキルも強化する。例えば、議事録作成というテクニカルスキルを考えてみよう。概念化が苦手は人は、とりあえずフォーマットにある必要な全ての項目を暗記するだろう。コンセプチュアルスキルが高い人は、要は「どの会議だったか(日時、人など)」、「決定事項」、「ネクストステップ」がわかればいいのだろう、と抽象化してポイントを捕らえることができる。これが優れている人は、いわゆる「仕事の飲み込みの早い人」だ。また、話の内容をうまく構造化できるので、わかりやすい説明も得意で、ヒューマンスキルも向上する。

 

立場によって重要なスキルが変わる

立場が上がると、必要なスキルの比重が変わってくる。

実務担当者であれば、主に比重を置かれるのはテクニカルスキルだろう。1チームのリーダーであれば、ヒューマンスキルが重要になってくるが、まだ自身でも業務遂行できる能力が必要だ。ミドルマネージメント、経営者などトップマネージメントと階層が上がっていくにつれ、テクニカルスキルの重要性は下がっていき、まずヒューマンスキルが重要となり、次にコンセプチュアルスキルの重要度が上がっていく。

そんなスキルの重要度の変容をイメージで表したのが、以下の図だ。

自身にとって重要なスキルを見極めて強化しよう

ビジネススキルの3分類を整理すると以下の通りだ。
・テクニカルスキル=業務遂行能力
・ヒューマンスキル=対人能力
・コンセプチュアルスキル=概念化能力
また、立場によって、各スキルの重要度は変わってくる。

また、本ブログの分類も、テクニカルスキル=「実務スキル」もしくは「専門スキル・知識」、ヒューマンスキル=「対人スキル」、コンセプチュアルスキル=「思考スキル」と言い換えて、それにそった形になっているので、ぜひチェック頂きたい。

循環論法とは?具体例と悪用方法| 詭弁を見抜く!論理の間違いシリーズ
循環論法とは?具体例と悪用方法| 詭弁を見抜く!論理の間違いシリーズ 1024 683 Biz Tips Collection

循環論法は、論理展開が完全に破綻している詭弁テクニックだ。しかし、なぜか人に行動を促す効果も持つ場合もある。自分の身を守るためにも理解しておくことが重要だろう。

 

以下の文章の何がおかしいかわかりますか?(循環論法の例)

まず、以下の文章を見て欲しい。おかしいことに気づくだろう。(内容の是非でなく、論理展開を見て頂きたい。)

「薬物法は必要だ。違法薬物を利用する人を取り締まらなければならないからな。」
「女性には子供を生むかどうか選択する自由がある。なので中絶は合法であるべきだ。」

もっとわかりやすい例も見てみよう。

「エイリアンは存在しない。なぜならエイリアンが存在する証拠はこれまで1つもないからだ。確かにエイリアンやUFOを目撃したというケースはちまたにたくさんある。しかしあれらは全てでっちあげだ。どっかのエイリアン愛好家が嘘をついているか、自分の都合のよい解釈をしたに決まっているだろう。だってエイリアンなんて存在しないんだから。」

「神は存在する。なぜなら聖書にそう書かれているからだ。聖書に書いてあることは正しい。なぜなら聖書は神の言葉そのものだからだ。」

「自殺は悪いことだ。なぜならそれが一般常識だからだ。」
「なんでそれが一般常識なの?」
「そりゃお前、自殺が悪だからに決まってるだろう。」

「コピーを先にとらせてもらえませんか?コピーをとらなきゃいけないので。」

 

循環論法とは結論を根拠に使うこと

先ほどの例の共通点は、結論を出すための根拠として、結論が使われていることだ。
論理展開が一周してしまうため、循環論法(英語でCircular logic)と呼ばれる。

例えば、エイリアンの例の論理展開を見てみよう。

エイリアンは存在しない。
なぜなら、エイリアン存在の証拠はこれまで1つもない。
なぜなら、これまでの目撃情報は全てでっちあげだからだ。
なぜなら、エイリアンは存在しないから。

上記の通り、エイリアンは存在しない、という主張の根拠として、なぜかエイリアンが存在しないことが挙げられてしまっている。(存在の証拠がないから存在しない、というところも論理的にはおかしいが、今回はおいておこう。)

論理展開だけ取り出すと、以下の通りだ。
A←なぜならB←なぜならC←なぜならD←なぜならA

始めの2つの例も、一見もっともらしい主張だが、論理展開はむちゃくちゃだ。結論と理由を、実際同じことを言い換えているだけだからである。しかも、一般的に同意を得られそうな言い方に言い換えているところもずるい。

薬物法は必要。
なぜなら違法薬物を利用する人を取り締まらなくてはならない。
↑同じことを言っている。そもそも薬物を違法か決定するのが薬物法。

中絶は合法であるべき。
なぜなら女性には子供を生むかどうか選択する自由がある。
↑同じことを言っている。合法にすべきか非合法にすべきかは、選択の自由があるべきかどうかの議論。

論理展開は以下のようになっている。
A←なぜならA

 

循環論法は悪用できる

どうやら循環論法は、人を動かす時に悪用できるようだ。以下のような心理学の研究がある。

順番待ちのコピー機での割り込みを、3パターンの言い方で試した。
①「先にコピーをとらせてもらえませんか?」(要求のみを伝える。)
②「急いでいるので、先にコピーをとらせてもらえませんか?」(本当の理由を伝える。)
③「コピーをとらなければいけないので、先にコピーをとらせてもらえませんか?」(もっともらしい理由を伝える。循環論法になっている。)

結果、①の承諾率は60%、②の承諾率は94%だった。しかし、③の承諾率も93%であった。
枚数があまりに多い場合は、効果はなかった結果もあるが、少なくともちょっとしたお願いでは、理由になっていない理由でもよいので、理由を付けると承諾されやすい。
心理学ではこれを、「カチッサー効果」と呼ぶ。

また、上記のような「A←なぜならA」というシンプルなものでさえ効果がある中、論理展開が非常に長くなると循環論法を見破るのが難しくなる。
例えば、共産主義国家で聖書のように扱われるマルクスの資本論。詳細は省くが、その中の主要な主張である労働価値説も、循環論法であることが指摘され、一時強かった支持を失ったこともある。

 

循環論法に気をつけよう

今回、代表的な詭弁の1つである循環論法についてみてきた。
循環論法は、結論の根拠や前提として結論を使うことだ。アカデミズムの世界でも忌み嫌われているようだが、実際アカデミズムの外でも人を説得するために悪用されている。あからさまな循環論法でも、理由を付けないよりは、人を動かす効果があるので要注意だ。

 

「詭弁を見抜く!論理の間違いシリーズ」では、他にも以下を紹介している。
わら人形論法(ストローマン)とは?種類と例
もっともらしいが間違った比較7種
軽率な一般化とは?例と気をつけ方

組織の知識創造プロセスSECIモデルとは?| ナレッジマネジメントのフレームワーク
組織の知識創造プロセスSECIモデルとは?| ナレッジマネジメントのフレームワーク 1024 683 Biz Tips Collection

SECI(セキ)モデルとは、組織内の知識創造プロセスについてのモデルだ。いかに組織の知識・知見を高めていくか考える際に役立つ。現代は知識社会と呼ばれ、過去のように巨大な資本と労働力がモノをいう社会から、知的労働や組織に蓄積された独自の知見の役割が高まっている。そんな中、組織としての集合知を能動的に管理していこうということで、ナレッジマネジメントという言葉が生まれた。SECIモデルは、ナレッジマネジメントの基礎理論として知られる。

SECIモデルは、暗黙知と形式知の相互転換のプロセス

SECIモデルでは、知識を暗黙知と形式知の2つに分け、これらの相互転換により知識が創造されるとしている。
暗黙知とは、言語化されていない知識のことだ。個人の経験によるテクニックやくせとしてしみついている技などかもしれない。
形式知とは、言語化された知識だ。例えば熟練の営業マンの会話テクニックを文章化してマニュアルにすれば、それは暗黙知から形式知に転換したと言える。

共同化、表出化、結合化、内面化の4段階のプロセスで知識創造

SECIモデルは、組織内の知識創造プロセスを、以下の4段階のプロセスで表現する。また、これらの4つのプロセスは、一方方向ではなく、ぐるぐる回るサイクルになる。

Socialization(共同化)

Externalization(表出化)

Combination(結合化)

Internalization(内面化)

(共同化に戻る)

1つずつ見ていこう。

共同化(暗黙知→暗黙知)

共同化は、個々人の体験による暗黙知が、暗黙知のまま少ないメンバーで共有されていくことだ。例えば、OJTであったり、先輩に付きっきりの後輩が、先輩の技を覚えていくような場合だ。ここでは暗黙知の共有が行われているが、まだ言語化されていないので形式知ではない。また、言語化されていないので限られたメンバーにしか共有できない。
メンターやチーム制度、もしくはただ雑談する場を作るなどで促進することができるだろう。

表出化(暗黙知→形式知)

個人や一部の人たちの中に蓄積された暗黙知を、文章などで形式知化するのが、この表出化のプロセスだ。これで初めて、組織全体に共有することが可能となる。なんとなくの経験や勘といったものから、マニュアル化、ルール化、図や表でもよいので、概念として見える形にするのがこのプロセスだ。できる個人へのインタビューや、悩みや体験をチームでシェアするミーティングの結果を文章化するのも1つの手かもしれない。

結合化(形式知→形式知)

表出化で集まった形式知を、整理、統合、体系化などして、そこから新たな知を生み出すのが結合化だ。言語化された知見はより広く共有可能のため、別の人や部署から出てきた知見が組み合わさって新たな知見となるかもしれない。また、言語化された知見を体系化して整理することで、新たな視点が生まれるかもしれない。ポイントは、表出化で言語化された知識は、様々な人の視点を取り入れることが可能になるということだ。

内面化(形式知→暗黙知)

わかるとできるは別だ。新たに創造された形式知を、実際に実行するして、本人の暗黙知となるのがこのフェーズだ。そして形式知を実行していく中で、本人の中に新たな暗黙知が生み出される。この新たな暗黙知がまた、始めの共同化のフェーズに戻り、SECIのサイクルが回っていく。

このように、この4つのフェーズを通りながら、個人の暗黙知が組織の形式知となり、これがまた個人の暗黙知となり、と繰り返しながら知識が創造されていくのが、SECIモデルだ。
ナレッジマネジメントの観点からは、各フェーズがしっかり促進されているかチェックしたり、促進されるような仕組みを導入するような使い方になるだろう。表出化や結合化を促進するため、知識を共有するシステムを入れる例もある。

SECIは一回で終わるプロセスではなく、常に回していくサイクル

今回ナレッジマネジメントの基礎理論の1つとして知られるSECIモデルを紹介した。ここで忘れていけないのは、この一連のプロセスは、サイクルになっているということだ。例えば、表出化しなきゃとマニュアルばかり作っても、それがしっかり社内共有され個々人に実践されなければ、サイクルは止まってしまうのだ。
まとめると、以下のサイクルとなる。
Socialization(共同化):暗黙知→暗黙知

Externalization(表出化):暗黙知→形式知

Combination(結合化):形式知→形式知

Internalization(内面化):形式知→暗黙知

(共同化に戻る)

マウスなしで超スピード操作!エクセル魔人のショートカット9選
マウスなしで超スピード操作!エクセル魔人のショートカット9選 1024 684 Biz Tips Collection

誰でも社会人になって1人は見たことがあるであろうエクセル魔人。マウスをほとんど使わず、すごいスピードでエクセルが出来上がっていくのを横で見たことはないだろうか。そんな魔人と一般人の大きな違いは、基本的なショートカットを使いこなしているかどうかだ。ここでは、エクセル操作が便利にすばやくなる、基本操作に関わるショートカットを9個紹介する。

Ctrl+やじるしでスピード移動

まず基本的なのが、このショートカットだ。マウスを使わずすばやく操作するには、必要なセルにすばやく移動する必要がある。そこで必須なのが、このショートカットだ。

Ctrl + やじるし:次の空白か記載されたセルまで移動

このショートカットは、やじるしの方向へ、何かにぶつかるまで移動する。空白セルからの移動であれば、何か記載されたセルまで移動する。記載されたセルからの移動であれば、次の空白に当たるまで移動する。ポケモンの氷の上での移動だと思えばいいだろう。
一部のプロは、Ctrl+やじるしで移動をする前提で、表を作る段階から空白の行を配置したりすることもある。
具体的な一例を紹介する。Ctrl+やじるしの欠点として空白のセルが存在するとそこで移動がとまってしまう。なので、エクセル魔人は基本的に空白セルをつくらない。しかし、空白セルはどうしてもできてしまう。そんなときに利用されるTipsだ。
解決策は簡単。表の周囲を「*」で囲うことだ。コレにより空白セルが合ったとしてもCtrl + やじるしを連打し、最終行(列)に行ってしまっても一発で最終行(列)に戻ってくることができる。

Shift+やじるしで複数セル選択

Shift+やじるし:Shiftを押しっぱなしにして、複数セルを選択

Shiftを押している限り、やじるしで移動したセルを全て選択状態にできる。
これは、先ほどのショートカットと合わせて使用されることも多い。
Ctrl+Shift+やじるしで、表の中の1つの行や列をまとめて選択できる。

Ctrl+R、Ctrl+Dで隣のセルをコピー

Ctrl+スペース:今選択しているセルの列を全て選択
Shift+スペース:今選択しているセルの行を全て選択

列や行を一瞬で丸ごと選択するショートカットだ。
Shift+スペースの場合は、半角入力になっていないと機能しないので、要注意だ。
使い方は色々あるが、一番よく使うのは次に紹介するショートカットとの組み合わせだ。

Ctrl+プラス(+)、Ctrl+マイナス(-)で、行や列を追加・削除

Ctrl+プラス(+):選択している行や列を追加
Ctrl+マイナス(-):選択している行や列を削除

このショートカットで、行列の追加・削除がすぐにできる。なれると、マウスで選択して右クリックで追加するよりもよっぽど早くなる。
列や行を丸ごと選択していないと使えないのでそこは注意しよう。
また、通常のキーボードでは、shiftも一緒に押さないとプラス(+)を選択できない。

Ctrl+Shift+Lでフィルターを追加

Ctrl+Shift+L:フィルター追加

データの表を作っていると、よく使うのはフィルターだ。これもショートカットですぐに追加できる。
普通に使えば、選択しているセルの行を、範囲を自動的に選択してフィルター設定してくれる。フィルターを付ける範囲をしっかりしていしたければ、そのセルを複数選択してこのショートカットを使えばよい。
また、フィルターがシート内のどこかで設定されている状態でこのショートカットを使えば、フィルターを解除できる。

これであなたもエクセル魔人に!

今回、マウスなしでの操作用の基本的なショートカットを紹介した。
まとめると以下の通りだ。

①Ctrl + やじるし:次の空白か記載されたセルまで移動
②Shift+やじるし:Shiftを押しっぱなしにして、複数セルを選択
③Ctrl+R:1個左のセルをコピー
④Ctrl+D:1個上のセルをコピー
⑤Ctrl+スペース:今選択しているセルの列を全て選択
⑥Shift+スペース:今選択しているセルの行を全て選択
⑦Ctrl+プラス(+):選択している行や列を追加
⑧Ctrl+マイナス(-):選択している行や列を削除
⑨Ctrl+Shift+L:フィルター追加

もちろん、エクセルの便利なショートカットは他にもたくさんあるので、追って紹介していきたい。

SUBTOTAL関数の意外と知られていない便利な2つの使い方 | エクセルテクニック応用編
SUBTOTAL関数の意外と知られていない便利な2つの使い方 | エクセルテクニック応用編 1024 667 Biz Tips Collection

SUBTOTAL関数は、知名度が意外と低いが、とても便利な関数だ。知っていても、2つのうちの1つの使い方しか知らない人も多い。SUBTOTAL関数を使えば、様々な操作を簡単に実施できるので、覚えて損はないだろう。

そもそもSUBTOTAL関数とは?

SUBTOTALは、データを集計する関数だ。
入力方法は、以下の通りだ。

=SUBTOTAL( 集計方法 , セル範囲 )

集計方法は、以下を指定できる。一番よく使うのは、SUM(合計)だろう。
1=AVERAGE
2=COUNT
3=COUNTA
4=MAX
5=MIN
6=PRODUCT
7=STDEV
8=STDEVP
9=SUM
10=VAR
11=VARP

そして、特徴として以下の2点がある。
①フィルターされたセルを計算しない
②SUBTOTAL関数同士を計算しない

それぞれ以下で解説していく。

SUBTOTALの使い方① フィルターを排除した計算結果を簡単に出せる

SUBTOTAL関数の特性の1つは、フィルターしたセルを計算しないことだ。
つまり、属性が複数ある際、フィルターをちょっといじるだけで、すぐ合計などの集計値を出すことが可能だ。

例を見てみよう。

上記の通り、例えば「A社」でフィルターすると、自動的に今表示されているセルだけで合計を出してくれる。
SUMIF関数などを属性ごとに作るよりも、よっぽど楽だ。複数の属性があればあるほど、より便利だろう。

SUBTOTALの使い方② 簡単に小計を記載できる。

SUBTOTAL関数のもう1つの特性は、SUBTOTAL関数は他のSUBTOTAL関数の数値を無視して集計するということだ。
以下の図を見ればわかりやすいだろう。

以上の図では、「合計売上」と各「小計」にSUBTOTAL関数を使っている。
「合計売上」のSUBTOTAL関数の選択範囲は、D6:D15(D6~D15全て)だ。SUBTOTAL関数は他のSUBTOTAL関数を計算しないため、このシンプルな選択範囲で合計値を算出可能だ。
もしこれをSUM関数を利用して実行しようとすると、選択範囲を「D6:D8,D10:D12,D14」と選択しなければならない。これは選択するのも面倒であれば、ちょっと表が変わっただけでいちいち調整しなければならない。SUBTOTAL関数を使えば、これが簡単に設定できるのである。

SUBTOTAL関数の注意点

SUBTOTAL関数を使う上で、一点注意がある。それは、フィルターされたセルは計算しないが、通常、手動で非表示されたセルは計算に含まれることだ。
これは実は、手動で非表示されたセルも計算に含まないように設定することも可能だ。その場合、集計方法として始めに紹介した数値でなく、以下の数値を入れればよい。

集計方法(手動で非表示にしたセルを計算しない場合)
101=AVERAGE
102=COUNT
103=COUNTA
104=MAX
105=MIN
106=PRODUCT
107=STDEV
108=STDEVP
109=SUM
110=VAR
111=VARP

SUBTOTALで集計表の作成を簡単に!

今回は意外と便利な関数であるSUBTOTAL関数を紹介した。
SUBTOTAL関数は、以下の2つの特徴があるデータ集計の関数だ。
①フィルターされたセルを計算しない
②SUBTOTAL関数同士を計算しない
このように、便利な関数を1つずつ覚えていくのが、エクセルを使いこなすための近道だ。

組織の目的と戦略に一貫性を持たせる! VMOSTモデル
組織の目的と戦略に一貫性を持たせる! VMOSTモデル 1024 683 Biz Tips Collection

組織や事業体の各施策やアクションは、最終目的と一貫しているのが理想的だ。しかし現実は、目的に対して重要でない施策にリソースが裂かれていたり、どこを目指しているのか共有されていなかったりする。そんな時、一貫したビジョン・戦略などを立てたり、もしくはある組織の行動が一貫しているかの分析に使えるフレームワークが、VMOST分析だ。シンプルであり聞いたことあるような単語が並ぶが、意外としっかり意識されないことが多い。実際は、組織やチーム、1プロジェクト単位でも使うことは可能だ。アメリカではメジャーなフレームワークなのでしっかり抑えておこう。

VMOSTは、Vision、Mission、Objective、Strategy、Tactics

VMOSTモデルでは、以下の5項目で整理する。聞いたことある言葉が多いだろう。
Vison:ビジョン
Mission:ミッション
Objective:目標
Strategy:戦略
Tactics:戦術
※ビジョンとミッションを1つに扱って、MOSTモデルと呼ばれることもある。

これら全てがしっかり一貫性・整合性を持っているかチェックするのが、VMOSTだ。5項目それぞれの定義と、各項目の関係性に注目するのが重要だ。

Vision:ビジョン

ビジョンは最終的に実現したいものだ。実現したい世界観であったり、実現したい姿であったりする。言い換えれば、最終目的と言える。
例えば、○○病協会であれば、「○○病がない世界を作る」「○○病を世界から撲滅する」のようなものになるだろう。

Mission:ミッション

ミッションとは、「ビジョンを達成するために何をするか」だ。ビジョンに向けて、その組織としての役割という見方もできる。ビジョンとミッションは混同しやすいが、少なくともこのモデルではこのように定義される。
例えば、先ほどの○○病協会であれば、「○○病がない世界を作る」(ビジョン)ために。○○病協会のミッションは「○○病の研究活動を促進する」かもしれない。ビジョンは実現したい状態であり、ミッションはそのために組織としてすることだ。
また、ミッションは1つだけのイメージを持たれることがあるが、実際は複数あってもよい。

Objective:目標

目標は、ミッション達成のための目標値となる。
「○○病の研究開発を促進する」における目標値は例えば、「○○病関連の研究開発費を年XX円にする」「○○病関連の論文数をXX個にする」になるだろう。

Strategy:戦略

戦略は、目標を達成するために注力する大まかな方向だ。
例えば「○○病関連の研究開発費を年XX円にする」を達成するために注力するのは、「関連研究開発予算を増やすためロビー活動をする」「資金を募って本協会として研究開発費を補助する制度を作る」になるかもしれない。
この戦略は、各目標値それぞれに紐付けるパターンと、各戦略が複数の目標値に寄与するため1つ1つに紐付けないで作成するパターンがある。どちらも間違いではないが、後者のパターンを取った場合は、各戦略がしっかり目標のどれかに関連しているようチェックすべきだ。

Tactics:戦術

戦術は、戦略を実行するための具体策だ。
「資金を募って本協会として研究開発費を補助する制度を作る」という戦略であれば、具体的な戦術は、「啓蒙ホームページで募金を募る」「クラウドファンディングを立ち上げる」「資金提供する研究を募る」などなど、といったところだろう。各戦術は、どれかの戦略と一貫していなければならない。

VMOST具体例 | VMOSTを一枚でまとめる

VMOSTを一枚でまとめると、ビジョンから具体策までがしっかり一貫しているかがわかりやすい。この一枚絵からあぶれる戦略や戦術を実行しているようであれば、それは止めてもよいだろう。

先ほどの例でいうと、以下がVMOSTの具体例となる。
ピラミッド型で表す場合と、ボックスと線で表す場合がある。
ちなみに、戦術は全て記載しようとすると多くなるので、戦略までで表現する場合もあり、その場合VMOSと呼ばれることもある。

VMOSTで、ビジョンから施策まで一貫させる

VMOSTモデルを使う目的は主に以下の3つだ。
・目的から施策まで一貫した組織/プロジェクトを設計する
・組織/プロジェクトの行動が、最終目的とちゃんと一貫しているかを分析する
・一枚でビジョンから施策まで見える化することで、組織全体として最終目標や各施策の意味合いを共有する

これで部下に任せて安心!
ネット調査依頼時に気をつけてもらうこと5点
これで部下に任せて安心!
ネット調査依頼時に気をつけてもらうこと5点
1024 682 Biz Tips Collection

部下に調査を任せる際、調査結果の項目1つ1つまで上司がチェックすることは難しい。にも関わらず、調査結果の正確性は非常に重要だ。調査結果を基に事業案を組み立てて行った後に、そこに間違いや勘違いがあったことが判明すると最悪だ。部下にデスクトップリサーチ(Webリサーチ等)を任せる際、あらかじめ伝えておけばリサーチ結果の精度が一気に上がる、最低限気をつけるべき点を紹介する。また、これらは自身が調査をする際にも気をつければ役立つだろう。

Webリサーチのチェックポイント① 都合のいい情報が見つかってもすぐにリサーチを止めない

よくあるのは、言いたいことに合った、都合のいい情報がすぐ出てきて、そこで調査を止めてしまうことだ。しかし、もうちょっと調べてみると、全然違う見解が出てくることは実際ある。

Webの情報はあらゆる立場の人が書いており、その信頼性もまちまちである。いきなり最初に出てきたブログ記事の内容が正しいとは限らない。書いている人の立場によって見解が違う場合もある。また、もう少し調べてみたら、より最新の情報が出てくる場合もあるだろう。

調査上重要な点であれば特に、そこで調査を止めず、いくつかのソースを当たってみることが重要だ。調査の依頼を受けた本人は、すぐに仕事を終わらせたがっている場合もあるので、これはあらかじめ伝えておくとよい。

Webリサーチのチェックポイント② 情報源を確認する

Webの情報は、様々な人が載せている。そのため、情報源を確認することは非常に重要だ。意識するのは主に2点だ。

1)信頼性があるか

そこらへんのブログの内容なのか、法人のメディアやシンクタンクのレポートなのか。これらでその情報の信頼性は大きく変わってくる。一次情報か二次情報かも重要だ。引用された情報であれば、その引用元をしっかり確認することも大切だ。また、Wikipediaは一般に信用すべきでないと考えられているが、引用元をしっかり確認すればリサーチに十分使える。

2)情報源の立場

一見、信頼性のある情報源でも、情報提供元の立場を意識することが重要な場合もある。なぜなら、ポジショントークの場合もあるからだ。例えば企業であれば、業界や自社製品についていい面を強調するだろう。嘘はついていなくても、偏った事実だけ伝えている場合もある。

Webリサーチのチェックポイント③ 情報の鮮度を確認する

調査する上で、いつの情報かは必ず確認してもらうように伝えよう。調査を任せていると、情報源を見てみたら10年以上前の情報だった、みたいなことは実際たまにある。当たり前だが、古すぎる情報は今では変わってしまっている場合がある。

調査内容にもよるが、基本的には3年以内くらいの情報が望ましい。テクノロジーやベンチャー関連など変化が激しい領域の内容であれば、可能な限り最新の情報でないといけないだろう。

Webリサーチのチェックポイント④ 事実と見解を分ける

初心者に調査を依頼すると、著者の考えや予想を事実とごちゃまぜにしてまとめてしまうことがよくある。調査をする上で、その情報は確認された事実なのか、著者の見解なのかは、しっかり意識してもらおう。

もちろん、事実だけ集めて、著者の見解は捨てろという意味ではない。専門家の考えは有意義な示唆をくれる場合が多いし、その予想が実際の事実と合っている場合もあるだろう。気をつけてもらうべきは、報告時や調査結果レポートにおいて、そこでもしっかり事実と見解を区別して伝えてもらうことだ。たまに、調査している本人の見解を事実と一緒に報告してくる人もいるので、調査時だけでなく報告時も、事実と見解を必ず分けて報告してもらうようにしよう。

Webリサーチのチェックポイント⑤ 統計情報はサンプルを確認する

統計情報は、サンプルの数や、サンプルの偏りを確認してもらうようにしよう。
ネットのアンケート情報は、よく見るとサンプルが非常に少なかったり、一部の属性だけに聞いていたりする軽いものも数多くある。統計情報は、そこを伏せてデータだけ見せると、もっともらしく見えるので要注意だ。

後から精査するのは大変。初めから心がけてもらって調査の正確性を上げよう

部下の調査結果を、1つ1つ調査するのは大変なのに、調査は正確性が重要だ。また、せっかくたくさん調査してもらったのに、1つ間違った情報が出ると、全ての内容が疑わしくなってしまう。あらかじめこれらの点を気をつけてもらうのが、早道だ。
①都合のいい情報が見つかってもすぐにリサーチを止めない
②情報源を確認する
③情報の鮮度を確認する
④事実と見解を分ける
⑤統計情報はサンプルを確認する

株式とはなに?資金調達方法のフレームワーク
株式とはなに?資金調達方法のフレームワーク 1024 683 Biz Tips Collection

皆さんが勤めているであろう株式会社。株式会社の発展に伴って、経済成長が進んだと言っても過言ではない。この株式会社の発展に寄与したのが株式制度だ。さて、みなさんは株式についてどこまで理解しているだろうか。株式を理解するためには、貸借対照表(B/S)の科目である資本と合わせて理解することが重要だ。また、資本にまつわる環境変化として仮想通貨なども関係してくる。これらの理解により、資本、ひいては企業を取り巻く資金調達の環境について理解を深めてほしい。

株式とはなにか?

株式とは「投資のリスクを分散する仕組み」である。いきなり、このような定義を持ち出しても難しいと思うので、株式会社の成り立ちから見ていこう。

株式会社の成り立ち

株式会社の生まれは、17世紀のオランダで設立された東インド会社と言われている。世界史を学んだ方なら記憶の片隅にあるだろう。東インド会社の事業は、インドや東南アジアから、船で香辛料などの特産品をヨーロッパに持ち帰ることだった。しかし、航海は危険が多い。(当時は現在ほど航海技術が発達していなかったし、海賊による襲撃や、疫病の伝染など、無事に特産物を持って帰れる可能性が低かった。)さらに、船による航海は長期間に及びお金もかかる。東インド会社は航海のたび、船を出航するための出資者を探した(船の出港には、船の維持費や乗組員を雇う費用等が必要になる。)。出資者は、航海の準備に必要な全ての費用を、事前に負担する代わりに、持ち帰った特産物を乗組員への給料等を差し引いた上で、全て受け取ることができる。航海に成功した場合は出資した金額以上のリターンを得られる訳だ。さて、ここでみなさんが出資者になると想像してみてほしい。無事に帰ってこれるか分からない航海の費用の全額を負担できるだろうか。自分の資産にかなりの余裕がなければ、なかなか決断できないだろう。出資はそれぐらいのバクチだった訳だ。そこで、東インド会社は1隻当たりの出資者を複数募った。これにより、東インド会社は出資者を集めやすくなり、多数の船を航海に出すことができるようになった。さらに、今までは資産が足りず出資できなかった者も、出資者の一員に加わることができるようになる。これが、株式会社の成り立ちと特性だ。投資リスクの分散、大規模化、数の増加について、理解頂けただろうか。

株式市場の発達の経緯

先ほどの例の通り、出資者は事前の出資(リスク)をする代わりに、会社の成果(リターン)を得る。そして、出資者はその証として、権利証を受け取る。これが株式の原型だ。さて、ここでまた、みなさんが出資者(=株主)だと想像してほしい。あなたは権利証を受け取ったが、その権利がお金に代わるのは何ヶ月あるいは何年も先だ。一方で、急に大金が必要になったとしよう。あなたは、その権利を誰かに譲ろうと考えるのではないか。この権利の売買が、株式売買である。株式は紙媒体のため受け渡しも容易だ。そして、株式の売買が増加するに従って、売買の仲介人が生まれた。株式を売りたい人と買いたい人を繋げる人だ。さらにこれらが発展したものが「証券取引所」だ。このように、特産品を受け取る権利が紙に置き換わったことで、格段に流通性が増し、株式の「市場」が形成された。補足すると、2009年より上場企業は株式が電子化されており、流通性が一層増している。驚くべきことは、つい最近まで株式を購入すると紙の株券を受領することとなっていたことだ。

以上のように株式会社の所有権は株式を有することで、どれくらい保有しているかは株式の保有割合により決定する。つまり、会社の持ち主は、社長でも、従業員でもなく、株主なのだ(法的には)。

資本とはなにか?

さて、話は変わるが、冒頭に説明した資本とはなにかを確認しよう。資本とは「商売や事業に必要な資金」をいう。いわゆる、元手というやつだ。

返済が必要な資本

みなさんの中で会計に明るい方は、資本=資本金、つまり、返済不要の資金と理解しているかもしれないが、ここでいう資本はそうではない。先ほどの例を会社側から見ると、船の航海が失敗した場合でも、株式会社は出資を受けた金額を返済する必要はない。しかし、仮に船を造るにあたって、銀行からお金を借りていたらどうだろうか。航海の成否に関わらず、借りたお金は返さなければならない。借りたお金であっても、商売や事業に必要な資金であるので「資本」となる。そして、株式のように返済不要の資本を「自己資本」、借入れのように返済が必要な資本を「他人資本」と呼ぶ。そして、出資者側からみると、自己資本の場合は、事業の成果(これを配当という)から、他人資本の場合は、元本と利子によってリターンを得るのだ。

自己資本と他人資本の関係

今までの話をまとめると図のようになる。

ご理解頂けただろうが、ここで重要なことは、株式とは資本に含まれる一つの分類ということだ。そして、会社所有権や返済義務などのフレームワークでみたとき、自己資本と他人資本は大きく異なる。株式会社は状況に応じて、どちらの資本によって事業に必要な資金を調達するか、その都度選択する。この意思決定プロセスについては、別の機会で紹介したい。

新しい形の自己資本

株式市場の発達については、すでに説明した通りだが、昨今の企業の資金調達の方法はますます多様化している。例えば、仮想通貨のニュースが新聞誌面等を賑わせているが、仮想通貨を利用する資金調達方法がイニシャル・コイン・オファリング(以下、ICO)だ。

ICOの特性

ICOは、返済不要な資金調達方法のため、「自己資本」に大別されると考えられる。しかし、内容は自己資本と他人資本の折衷のような位置付けだ。ICOでは、出資者に対して、デジタル権利証(トークンと呼ばれる)が発行される。その権利証には、会社の所有権もなければ、配当や利子の受け取る権利もない。出資者は事業の成功に伴う、トークンの値上がり後、対応する仮想通貨の取引所でトークンを売買することでリターンを得る。場合によっては、商品の購買権利やクーポン等が発行される場合もある。まとめると以下の通りだ。

ICOを代表とした新しい資金調達方法は、今後一層増えていくだろう。どのような資金調達方法であっても、会社が返済義務を負うか否かで他人資本か自己資本に分類することができる(少なくとも会計的には)。

資本の調達方法の整理

今回の内容をまとめると以下の通りだ。
①株式(自己資本)は投資のリスクを分散する仕組み
②株式(自己資本)は資本の中の1つの分類
③資本には、返済が必要な他人資本もある
④資本の調達方法は、ICOなど一層多様化している
⑤そのような調達方法であっても、フレームワークで整理することが可能
これらをもって、会社についての理解を深める一助となってほしい。

ECRS(イクルス)とは?解説と例|業務改善・効率化のフレームワーク
ECRS(イクルス)とは?解説と例|業務改善・効率化のフレームワーク 1024 683 Biz Tips Collection

「業務量が多い」、「人員が足りない」などの時に役立つ、簡単に覚えられるフレームワークがECRS(イクルス)の原則だ。プロセスの改善でも、個人的な日々の業務の効率化でも、この原則を頭に入れておくと、思いつきで実行するよりも効果的だ。

ECRSは、Elimate(排除)、Combine(統合)、Rearrange(再編成)、Simplify(シンプル化)

ECRSは、業務効率化の4つの視点を、以下の順番で検討する考えだ。4つの視点の頭文字を取って、ECRSと呼ばれている。元々は生産工程を効率化するために使われることが多かったが、日々の業務でも活用可能だ。

Elimate(排除) ⇒ Combine(統合) ⇒ Rearrange(再編成・入替) ⇒ Simplify(シンプル化)

1つずつ見ていこう。

Eliminate(排除):業務をなくせないか?

始めに検討するのは、業務をそもそも排除できないかだ。生産における不要な工程や、オフィスにおける無駄な会議がなくなれば、業務は効率化する。とりあえずやめてみる、というのも手だ。
この会議は必要か?この研修は必要か?この資料は必要か?などと、まず排除の可能性を問うのが、ECRSのスタートだ。
ポイントは、Why(何のためにやっているか)と、What(何をしているのか≒目的に合ったことをしているのか)を意識することだ。

Combine(統合):業務をまとめられないか?

なくせない業務について次に検討するのは、他の業務とまとめられないかだ。業務はまとめてしまえば、準備や連絡などの関連するやりとりが減り、効率化できる。
・メンバーごとに別々に実施していた会議を1つにまとめる
・別々に実施してた、新人研修とPCセットアップを同じ時間に実施する
・複数あった報告資料を1つのフォーマットにまとめる
・似てる機能の部署を、1つの部署にまとめる
・商品をまとめて配送する

Rearrange(再編成・入替):業務の順序や場所などを入れ替えられないか?

消したりまとめたりできないのであれば、順序などを入れ替えることで効率化できないか考えよう。ECRSのRは、作業の順番の入れ替えだけと思われていることも多いが、ここでいう再編成は、業務の順序、リソース、場所、担当者、などの入れ替えも含む。
・営業を近いエリアの顧客を担当するように入れ替えて、移動時間を減らす
・会議の後に、同じメンバーの別会議を設定することで、人の移動や席の準備などの手間を減らす
・報告業務を2日前倒しにすることで、上長が次のステップにすぐに進めるようにする
・資料作成は、会議の後にする

CombineとRearrangeで意識するのは、When(いつやるのか)、Where(どこでやるのか)、Who(誰がやるのか)だ。

Simplify(シンプル化):業務自体を簡素化できないか?

最後に検討するのが、業務自体をよりシンプルにできないかだ。
・会議のアジェンダを減らす
・報告書の項目を減らす
・かかわる人を減らす
Simplifyは見方によっては、ある業務を更に細分化して、それぞれに対してまたEに戻って検討する、とも言えるかもしれない。
意識するのは、How(業務がどのように実施されているか、どれくらい実施されているか)だ。

ECRSで重要なのは、検討する順番

ECRSは、業務効率化における4つの視点を教えてくれるが、最も重要なのがその順番だ。ECRSの順番は、効果が大きいもの順になっている。業務の排除(E)がもちろん最も効果が大きい。次に業務をまとめるのが効果が大きい(C)、といったようにだ。

ECRSを意識しないと、Sの視点ばかりで業務改善を実施してしまう恐れもある。どんなにSの視点で業務を効率化しても、そもそもその業務が排除可能だったら、その努力は効果的でない。

また、Eで排除可能と結論が出れば、CRSは検討する必要がない。一方、C以降は、例えばCで統合可能と結論が出ても、その後RやSを検討してもOKだ。

ECRSを意識して業務を効率化

ECRSは簡単に覚えられるので、業務を効率化する時は、念頭にいれておくといい。
まとめると、ECRSは以下の4つの視点をこの順番で検討する。
Eliminate(排除):業務をなくせないか?

Combine(統合):業務をまとめられないか?

Rearrange(再編成・入替):業務の順序や場所などを入れ替えられないか?

Simplify(シンプル化):業務自体を簡素化できないか?