プレゼンテーション

内容よしでも損する!プレゼンの話し方や見せ方のポイント7つ
内容よしでも損する!プレゼンの話し方や見せ方のポイント7つ 1024 674 Biz Tips Collection

「内容をせっかくしっかり作ったのに、あまり受けがよくなかった、、」
「中身がたいしたことないのに、しゃべり方だけで評判がいい奴がいる、、」
そんなことはないだろうか。多数の人はプレゼンやスピーチの中身をじっくり考えながら聞いてくれるわけではない。まずは興味を引く必要もあるし、中には見え方だけで判断する人もいる。

本質的ではないが、見え方がしっかりしていると中身の説得力も増す。どんなにロジックがしっかりしていても、自信なさそうな小さい声の人がしゃべっていては、残念ながら中々説得されないものだ。プレゼンの目的は、ロジカルなストーリーを作ることではなく、人を説得することだ。また、後日に印象に残っているプレゼンは、話した内容よりもあなたがどんな話し方だったかだ。

そんな見え方で損しないように、ここを抑えるだけで劇的によくなるチェックポイントを伝える。
いきなり全てを気をつけながらプレゼンするのはきついので、上の方から少しずつ気をつけていくとよいだろう。

 

まずはここから気をつけよう:プレゼンやスピーチの話し方・見せ方

チェックポイント① 声を大きくする

声は少し大きすぎる方がよい。

声が大きいと聞き取りやすいだけでなく、自信があるように感じられる。逆に声が小さいと、聞き取りにくいだけでなく、自信がなさそうに思われる。大半の人は、話の内容のロジックをしっかり精査しながら聞いているのではなく、本人が自信ありそうかどうかで信用できるか判断していると考えよう。

元々声が大きい人以外は、思ったより小さい声になっていたりするので、気をつけるべきだ。
また、特に第一声は更に大きめにするとよい。その方が人の注目を得られるのと、自分としてもそのまま大きな声で話しやすいからだ。

チェックポイント② 姿勢を正す

姿勢もまた、本人の見え方に、大きく影響する。
姿勢がしっかりしていれば、これもまた自信がありそうに見えるし、プロフェッショナルでしっかりした人間だと写る。
猫背にならず、背筋を伸ばすように心がけよう。

チェックポイント③ 早口にならないようにする

人は話したいことに集中すると、早口になってしまいがちだ。早口すぎると、これもまた聞き取りづらかったり、観客が話についていけなかったりする。まずは、ゆっくり目に話す方が得策だ。ところどころ、数秒黙ってから次の話に行くのも全然ありだ。

チェックポイント④ えー、あー、でー、などを入れない

えーや、あーなど、つい言ってしまうことは誰でもあるだろう。これが同じものが何度も繰り返されると、観客は気になってきてしまう。また、あまりプロフェッショナルな感じがしない。どうしても思い出しながら、考えながら話しているように見られ、内容を熟知していないのではないか、と不安な印象を与えてしまう。

実際、思い出しながら、考えながら話すのはしょうがない。よっぽど事前に練習しなければそうなるのは当たり前だ。これを直す簡単なコツは、あーやえーなどと言う代わりに、黙ってしまうことだ。その方がよっぽど見え感がよい。余計なあーなどを入れるよりは間を入れた方が、観客も気にならない。

 

次にここを気をつけよう:プレゼンやスピーチの話し方・見せ方

チェックポイント⑤ 身振り手振りを使う

じっと立って動きがないよりも、手など動きがあった方が人は注目する。
そんな大したジェスチャーをする必要はない。3点あるなら指で3を見せる。スライドの注目して欲しい部分があるならそこを指す。特に意味もなく両手を広げてみる。そんなものでよい。
また、その際は、できるだけ、小さくまとまらず、大きく動くとよいだろう。

チェックポイント⑥ 視線に気を使う

ずっと右上だったり、パソコンばっかりを見ながらのプレゼンを見たことは、皆あるだろう。あまりいい印象は持たなかったはずだ。できるだけ目線は相手を見るようにしよう。
なんとなく全体を見る状態と、一人一人目を合わせていく方法などがある。相手を見れば、相手も無意識に自分に話しているという印象を受けてしっかり話を聞いてもらいやすい。また、目を合わせることで、観客は信頼や自信を感じ取るという。
また、キョロキョロしすぎもいい印象を与えないので、目線はゆっくり動かすのが理想的だ。

チェックポイント⑦ 声に抑揚を付ける

淡々と単調にしゃべっていると、人は眠くなるし、話が頭に入ってこない。
大事なところは強調するなどして、声に抑揚があるようにしよう。
大事なところで声を大きくしたり、ゆっくりしゃべったり、間をおくなどのやり方が可能だ。

 

チェックポイントの意味

これらの声・ジェスチャーなどを実施する意味は、まとめると主には以下のようになる。
ただチェックポイントを実践するよりは、こういったその目的を意識するとよりよいだろう。
・自信ありそうに見せる(声の大きさや姿勢など)
・注目を浴びる(動きをつけたり、声を大きくするなど)
・飽きさせない(動きや抑揚を単調にしない)
・聞き取りやすくする(早口にならないなど)

 

まとめ

以下のチェックポイントを抑えれば、最低限見え方で損することはほとんどなくなるだろう。
いきなり全てをクセにするのは難しいので、少しずつ取り入れていくのがよい。

チェックポイント① 声を大きくする
チェックポイント② 姿勢を正す
チェックポイント③ 早口にならないようにする
チェックポイント④ えー、あー、でー、などを入れない
チェックポイント⑤ 身振り手振りを使う
チェックポイント⑥ 視線に気を使う
チェックポイント⑦ 声に抑揚を付ける

提案プレゼンのストーリー作りの基本構成「TAPS法」とは?
提案プレゼンのストーリー作りの基本構成「TAPS法」とは? 1024 627 Biz Tips Collection

商品や企画など、ビジネスでは何かを提案する場面が多い。せっかくいい提案だと思ったのに、どんなに詳しく説明してもいまいち納得してもらえないことはないだろうか。よくあるミスは、いきなり提案内容の機能的な話ばかりしてしまうことだ。そんな時は、プレゼンのストーリー構成をちょっと意識するだけで、大きく上達できるだろう。

TAPS法とは

TAPSは、プレゼンのストーリー構成の基本的なフレームワークの1つだ。
まず相手にゴールと課題意識を明確化させ、提案をすることにより、ただ提案を伝えるよりも検討・承諾されやすくなる。
また、このフレームワークはプレゼンだけでなく、会議のファシリテーションをする際に、会議で検討する順番として活用することも有効だ。

TAPSは以下の4構成になっている。
To Be:相手の理想像
As Is:相手の現状
Problem:現状の課題
Solution:ソリューション(提案内容)

 

もう少し詳しく見ていこう。

To Be

初めに相手の理想像やゴールイメージを、クリアに伝える。
相手に明確なゴールがあれば、再確認してまず同意を得ておく。もしなければ、「こうあるべきですよね」と相手も納得するような理想像を勝手に定義してもよい。

ダイエットで痩せて、もてたいですよね!

As Is

理想像を伝えた後に、しかし現時点の状態はどうなのか、明確に示す。ゴールと現状のギャップを示すのだ。

でも現在は、ジムは登録しているものの「続ける」ことができない状態で、体重は見てのとおり効果が出ていませんよね。

Problem

理想像と現状のギャップを埋めるためには、どんな課題やハードルがあるのか特定する。
通常、解決すべき課題は、細かいものもあげていけば、いくらでも出てくるものだ。そんな中、ここで「理想と現状のギャップを埋めるためには、これが一番重要な課題だ」と説得できれば、それを解決する提案が通りやすくなる。具体的な提案内容であるSolutionよりも、実はProblemの納得感の方が重要な場合も多い。

1人でやろうとすることが問題です。人は1人でがんばろうとしても、最初だけやる気が出て、以降モチベーションが持続しないものなんですよ。自分のモチベーションを持続的に維持してくれる仲間が必要です。

Solution

最後に、上記で特定した課題を解決するソリューションを提案する。特定した課題の解決には、このソリューションこそが適切だと納得させることが重要だ。当然ながら、せっかく相手と共有した課題と関係ないソリューションになってしまっていては、このストーリー構成の意味がない。

ライザップに登録すれば、専属のトレーナーがいつも見てくれるので、強制的にダイエットを続けることができます。

 

TAPSの例

簡単な具体例をいくつか見てみよう。

エスキモーに冷蔵庫を販売する場合を考えてみよう。
以下2つのプレゼンを見てみて欲しい。

【Solutionのみの説明】
Solution:冷蔵庫いかがですか?食材を冷やしておける箱です。
エスキモー:アラスカでそんなものいらんやろ。

【TAPS法】
To Be:食材を家で調理できたら、日々の食事も豊かになりますよね。
As Is:でもアラスカでは、みんな室外でで食べ物を保存していて、結果食材が凍りすぎて調理できないですよね。
Problem:アラスカは寒すぎるのが問題です。食材の保存はできても、適温で保つことができないのです。
Solution:冷蔵庫いかがですか?食材を適温で冷やしておける箱です。(しかも、室外の冷凍場所まで食材を取りに行かなくてもよくなります。)
エスキモー:なるほど!ありがとな。買うわ。

このように、一見不要なものを、本人も気づいていない理想像をまず描いてあげることによって、欲しいものに変えることが可能だ。

他にもこんな例もある。

To Be:部屋は常に綺麗な方が、日々の気分も上がってやる気も出ますし、お客さんも家に呼びやすくなりますよね。
As Is:でも共働きだと中々掃除の頻度も少なくて、結構ちらかっちゃてしまっているんじゃないでしょうか。
Problem:やっぱり共働きで、そもそも家事の時間をあまり取れないのが一番の問題ですよね。
Solution:そんな時に、ルンバがあれば、毎日ロボットが勝手に掃除してくれます!

 

フレームワークを意識して一段上のプレゼンを・・・

いきなり具体的な提案に入るよりも、
相手のゴールを明確化し、(To Be)
現状とそのゴールとのギャップを確認し、(As Is)
ギャップを解消するために一番重要な課題を示し特定し、(Problem)
最後にその課題の解決策を提案する(Solution)
というステップを踏んだ方が、その提案内容の必要性を納得してもらいやすく、提案が通りやすい。

TAPSは汎用性の高いプレゼンストーリーのフレームワークなので、意識していくとよいだろう。
なお、プレゼン手法に関する記事は「現役コンサルが語る!プレゼンテーションのたった二つの手法①|シーン別のストーリー構成」にて記載しているのでフレームワークのみでは物足りない人はそちらを読んで欲しい。

最低限これさえ抑えれば伝わる!プレゼンの基本構成「PREP法」
最低限これさえ抑えれば伝わる!プレゼンの基本構成「PREP法」 1024 682 Biz Tips Collection

商談、社内会議、飲み会の挨拶など、社会人になると細かいプレゼンをする機会が大量にある。話がまとまらず、うまく伝わらなかったりする経験はないだろうか。ほとんどの場合、構成さえ意識して基本の流れができるだけで、話は一気に伝わるようになる。今回は、最低限これさえ覚えておけば大体のプレゼンに応用できる「PREP法」を紹介する。

PREP法とは、Point、Reason、Example、Point

プレゼンで話を伝える際、非常に重要な要素の1つが構成だ。
構成がしっかりしていないと、話がとっちらかって、相手がついてこれなくなる。
非常に応用しやすく、恐らく最も基本的な型の1つはこのPREP法だろう。

PREP法は、以下の構成でできている。
Point(結論・主張)
Reason(理由)
Example(例)
Point(再び結論・主張)

非常にシンプルだが、このように組み立てるだけで、話のわかりやすさと説得力が増す。
話がわかりやすい人は、普段の会話からこの型ができていることに気づくだろう。
ReasonとExampleのセットは、1つ以上あってもよいが、3つくらいまでにおさめるのがよいだろう。人はそれ以上は中々消化できないからだ。

 

Point(結論・主張)

ビジネスで「結論から話せ」とよく言われないだろうか。この構成ももちろんそのようになっている。
始めに結論から伝えることで、何の話をするのか、聞き手が認識できる。
何の話なのか、結局何が言いたいのか、わからないまま話が進むと、大体の聞き手は混乱してしまう。

 

Reason(理由)

結論や主張だけただ言われても、説得力はない。
なぜそうなのか、ちゃんと理由を添えることが重要だ。
また、しっかり結論のすぐ後に理由を言うことで、話のつながりがわかりやすい。

 

Example(例)

論理的な理由だけ伝えても、思った以上に人に伝わらなかったり納得しなかったりするものだ。
Reasonを裏付ける具体例を述べよう。
例を入れる目的は、相手に腹落ち感を持たせるためだ。
もし可能なら、できるだけ相手に関連付けた例や、イメージの湧く例だとよい。
Reasonは左脳や理性に訴えるが、うまいExampleは相手の右脳や感覚・感情に訴えることができる。
人の印象に残ったり、行動を促すのは、後者なのだ。

 

Point(再び結論・主張)

最後に結論を繰り返す。
聞き手への伝わらなさを侮ってはいけない。
大切なことは繰り返し伝えることで、相手の記憶に残すのだ。

 

PREP法の例

いつくか例を見てみよう。

Point:このシステムを導入すべきです。
Reason:なぜなら、業務を効率化し、部署の残業を減らせるからです。
Example:導入した他社事例では、残業が非常に多く、メンバーは疲弊して雰囲気も悪く、残業代が高くて経営陣も頭を抱えていました。導入したことにより、毎日1人平均xx時間だった残業が、1ヶ月でxx時間まで減り、残業代だけで約xx円の節約になりました。更にメンバーも余裕が出てきてモチベーションが上がり、売上も15倍になりました。
Point:そのため、貴社にもこのシステムの導入をお勧めします。

Point:この物件が一番のお勧めです。
Reason:なぜなら、駅から非常に近いからです。
Example:この物件なら駅から徒歩1分。大雨でもほとんど濡れることはないですし、急ぎの用事でもぎりぎりまで家にいることができます。お忙しいあなたには、このように駅から近い物件がぴったりなのではないでしょうか。
Point:なので、この物件をお勧めします。

 

日々の会話でも意識しよう

紹介したPREP法は、ほとんどのプレゼンで応用できる、基本的な構成だ。
日々のちょっとした会話や報告でも、意識できるようにするとよいだろう。
プレゼンに限らず、ちょっとした文章でも使える。
話の伝わりやすさが、段違いによくなるはずだ。

まとめ
PREP法は、以下の構成でできている。
Point(結論・主張)
Reason(理由)
Example(例)
Point(再び結論・主張)

現役コンサルが語る!プレゼンテーションのたった二つの手法②|シーン別のストーリー構成
現役コンサルが語る!プレゼンテーションのたった二つの手法②|シーン別のストーリー構成 1024 683 Biz Tips Collection

良いプレゼンテーションのもっとも重要なポイントはストーリー構成だ。つまり、プレゼンのシナリオ(流れ)がどれだけ聴衆に伝わりやすいかにかかっている。ビジネスにおけるパワーポイントを利用した業務の多くはプレゼンテーションやミーティングにおける情報共有・意思決定がメインだ。これらの目的を意識してプレゼンテーションをより良いものにしていこう。前回の「現役コンサルが語る!プレゼンテーションのたった二つの手法①|シーン別のストーリー構成」にて、ストーリーライティングの2つの方法、目的別の使い分け、TED型の演繹的なストーリー展開について述べた。本稿では、コンサル型の帰納的なストーリー展開、TED型・コンサル型の共通で気にしなければならないことについて述べていくものとする。

 

コンサル型はトップダウン。帰納的なストーリー展開

コンサル型はトップダウンというのは結論を最初に述べる(コンクルージョンファースト)という意味だ。意思決定・情報共有が目的の場合は結論が明確になっている必要がある。

いわゆる、話の順序の例として「起・承・転・結」、「5W1H」、「序・破・急」などがある。これらはストーリーライティングのフレームワークとしてよくあげられるがすべてTED型である。そのため、共感を煽ることは出来るが行動につなげることは得意でない。なぜなら、回りくどいからだ。

TED型に比べて、コンサル型のストーリーは単純。「増資をするべきです!なぜなら、AがBでお金が足りないからです。」という何をするべきでそれはなぜかという非常にシンプルな構成になる。

比較してみればよくわかると思う。
TED型:
最近、風が強くなって土ぼこりがよく舞っています。この会場にくる際も土ぼこりは目に入りました。
実は私の友人には土ぼこりが目に入り盲人になった人がおり、この土ぼこりの多さでは盲人の方が増えると考えているます。
私の友人の盲人の多くは三味線で生計を立ている方が多いので、今後三味線の胴を張る猫の皮の需要が増えるでしょう。
猫が減るとねずみが増え、そのねずみは桶をかじります。皆さん、チャンスです。桶屋を始めましょう!

コンサル型:
今日皆さんに言いたいのは、桶屋を始めましょうということです。
いま、桶をかじるねずみが増え、桶の需要が急増しています。というのも、本来ねずみを食べて減らすはずの猫が三味線需要の増加で減っているからです。なぜ、三味線需要が増加しているかというと近年の強風の影響により、土ぼこりが舞い、盲人が増加しているためです。いまがチャンスです。風が強くなっているので桶屋を始めましょう!

如何だろうか。TED型を読んだ際、何の話だ?となった方が多いのではないだろうか?そして、あー桶屋の勧誘か・・・という気持ちで終わる。
一方、コンサル型の方は、桶屋を始めるべき!という点がはじめに明確に伝わってくる。聴衆はまずなぜ?と感じるだろ。その後の論理展開に違和感がない場合、「桶屋を始めるのは理にかなっている。」という印象が植え付けられる。

このように、伝えたいことが明確な分、コンサル型の方が意思決定・情報共有というコンセプトを伝える場合においては有利なのだ。
コンサル型の帰納的な論理展開の作り方は以下の通りだ。

図のようにまず結論を述べ、その理由を3点以内で挙げる。その理由をサポートする例はそれぞれの理由を述べるタイミングで補足として述べる。コツは最初で述べたことを最後にまた復唱することだ。ヒトは思っているほど複雑なことを覚えることが出来ない。論理展開や論証が多い場合はなおさらだ。なので、伝えたいコンセプトにインパクトを出すために最初に伝え最後に復唱する。

ビジネスで重要なのは結果、何をするか?なので、基本的なビジネスシーンではコンサル型を活用すると良いだろう。
一部、新規事業立案(新規事業をやりきる気概があるかどうかも新規事業においては重要な意思決定要素のため)や前回の記事で述べたコンセプトを伝えるものについてはTED型のほうが有利だ。

 

TED型・コンサル型の共通で気にしなければならないこと

TED型とコンサル型に共通して気をつけなければならない点は、緩急をつけることである。
TED型の場合は細かい共感を呼ぶ要素を強調し、コンサル型は伝えたいコンセプトとなぜそうなのかという理由を強調する。
人の集中力は長くづづかないので、より目的に沿ったポイントに力を入れることが重要だ。

TED型であれば「こういう経験はありませんか?」
コンサル型ではあれば「Xだ!な・ぜ・な・ら!~」

といったようにだ。

 

あるべき論に囚われすぎないように

一般的に言われているプレゼンテーションのあるべき論はそのメソッドの有用性ばかり語り、どのような場面でその手法を使うべきかについて触れていないものが多い。本稿で解説したようにプレゼンテーションの目的を必ず明確にして、こういう目的だからこのプレゼン手法を選択したといえるようになっていただきたい。
なお、共感を呼んで、意思決定を促すというより高度なプレゼン手法も存在する。しかし、分解すると共感パートと意思決定のための説得パートに構成を分けているだけだ。まずは基本をしっかり押さえ、どのような目的にはどちらの手法というところをしっかり抑えて欲しい。

以下、本稿のまとめをして締めくくりとする。
・プレゼンの目的は共感または意思決定(+情報共有)
・共感=TED型、意思決定=コンサル型
・TED型はボトムアップの演繹法
・コンサル型はトップダウンの帰納法

※前回の記事:「現役コンサルが語る!プレゼンテーションのたった二つの手法①|シーン別のストーリー構成

現役コンサルが語る!プレゼンテーションのたった二つの手法①|シーン別のストーリー構成
現役コンサルが語る!プレゼンテーションのたった二つの手法①|シーン別のストーリー構成 1024 683 Biz Tips Collection

良いプレゼンテーションのもっとも重要なポイントはストーリー構成だ。つまり、プレゼンのシナリオ(流れ)がどれだけ聴衆に伝わりやすいかにかかっている。ビジネスにおけるパワーポイントを利用した業務の多くはプレゼンテーションやミーティングにおける情報共有・意思決定がメインだ。これらの目的を意識してプレゼンテーションをより良いものにしていこう。

 

ストーリーライティングの方法は2つ!TED型とコンサル型

あるべきプレゼン資料の作成について調べると大きく2つの派閥に分けられたあるべき姿が語られる。皆さんがよく業務で利用するは論理型で起承転結を意識しろだとか、結論を最初に持ってこようといった内容のものだ。一方で良いプレゼンテーションの典型例としてTEDの映像が紹介されていて写真だけのプレゼン資料で主張を述べている。

かっこいいプレゼンを行いたいのでTED型のプレゼンを試みるが、大切な詳細まで資料に書く必要もあるため、プレゼン資料はコンサル型で作成してしまう。そうするとプレゼンが上手くいかない。そういった経験はないだろうか?具体的にいうとコンサル型で徹底しろといわれている結論を最初に持ってくる方法と共感を煽った上で結論を言うTED型。両者は両立させるのは難しいのだ。

ではどうしたらいいのだろうか?
おそらくプレゼンテーションにおける適材適所を理解していないため、上記のような状況になっているといえよう。表題でも申し上げたようにプレゼンのストーリライティングの方法は2つある。TED型とコンサル型だ。実はこれらはプレゼンの目的によって本来使い分けられるべきなのだ。

 

プレゼンの目的は共感または意思決定。目的に応じてストーリーを切り替えろ!

プレゼンの目的には「共感を得ること」と「意思決定を促すこと」の2つがある。聴衆に対してどのように動いてもらいたいかを想定して行うのがプレゼンテーションだからだ。仮に聴衆がどのように動くかを期待していないならば、トイレのドアか2chの掲示板に書き込むだけにして欲しい。

例えば、聴衆のみんなに内容を賛同してもらい自身が実行する応援をして欲しいので在れば、それは共感型。聴衆のみんなに協力してもらい一緒にアクションに移すように迫るのであれば意思決定型だ。微妙な違いであるが、応援してもらうだけ(出資を募る場合も一部含む)か、聴衆に実行を求めるかで大きく目的が異なってくるのだ。

感の良い人はお気づきだろうが、
共感が目的の場合はTED型のストーリー
意思決定・情報共有が目的の場合はコンサル型のストーリー
を作成していくべきなのだ。

本来、アクションを促すには共感も必要なのだがビジネスでは基本的に社や部署の利益になるかどうかで実施の有無が判断される。そのため、共感を得るプロセスは飛ばして、実行する意思決定をしてもらうことに終始すればよい。ただし、注意して欲しいのがビジネスの場といってもクリエイティブな創作物について「これでいい」と承認をもらう場合(広告業界・デザイン業界)、TED型のストーリーを作成することも多い。それは「これでいい」という意思決定が論理的なものでなく、個人の感性にゆだねられるためだ。

使うべきポイントを理解してもらった上で、以降ではそれぞれの良いストーリーの作成方法を解説していくものとする。

 

TED型はボトムアップ。演繹的なストーリー展開

これまで述べてきたとおり、TED型は共感を誘い聴衆に賛同・応援してもらうことが目的だ。聴衆に共感してもらうためには共感を得られる心情的な下地を整えることが重要だ。そのため、結論からはじめるようなプレゼンは適しておらず、おのずと演繹的なストーリー展開をする必要がある。
ココではまず、共感の下地を作る必要性とそれを進めるために必要な演繹的なストーリー展開について解説する。

 

共感の下地を作る必要性

そもそも、人はコミニケーションを通じて自身の考えや意思を明確にしていく。あくまで、自身の考えや意思というものは相対的なもので他者との差分を意識して形成されるのだ。しかし、プレゼンテーションは一方通行でありコミニケーションに必要なキャッチボールが発生しない。プレゼンテーションという形式をかたどっている限り、限界があるのだ。この問題は古代ギリシャ時代から課題として認知されており、最古にして最高権威であるアリストテレスの弁証論でも語られている。

ここで考案されたのが聴衆に信頼してもらった上でプレゼンをしていくという手法だ。同じ感覚や境遇から得られるであろう感情・感覚を伝え、それを解決するためにこうするのだというヒロイズムを演出するのだ。このようなプロセスでプレゼンを進めることで、自身の意見を考えてくれた意見という疑似体験をし、コミニケーションと同等の考え・意思の形成(賛同・言応援)が促されるのである。

ここで重要なのは、どれだけ大多数の聴衆と感覚を共有できるかだ。参加者にどのような人物が来るかを予測し、その人たち刺さりそうな経験・感覚を考える。共感を誘う段階ではそれができるだけ具体的なほうが良い。具体例やたとえ話からするのが良いだろう。

 

演繹的なストーリー展開の構築の仕方

演繹的なストーリー展開とは「絶対に正しいものに依拠して論理をすすめる」ことである。具体的には「空」・「雨」・「傘」のような論理展開だ。
・空―「空は曇っている」(事実認識)
・雨―「ひと雨きそうだ」(解釈)
・傘―「傘を持っていこう」(判断)

誰が聞いても「そうだよね」といえるような論理で展開する。コツは3つ(人間の認知限界が3~4といわれているため)程度のシンプルな要素に絞ることだ。下記の図のようにそれぞれの要素を前提・事実・結論に当てはめ、後は前提・事実・結論の例を挙げて共感を誘う。

もっといろいろしゃべることがあるという方もいるだろうが、TEDなどでよいと評価されているプレゼンは本当にシンプルなのである。

今回は長くなったので、一旦ココで締めくくることとする。
次回、「現役コンサルが語る!プレゼンテーションのたった二つの手法②|シーン別のストーリー構成」では以下の項目でコンサル型のストーリ展開とTED型との共通点、プレゼン資料作成に臨む姿勢について解説していくこととする。
・コンサル型はトップダウン。帰納的なストーリーを作成しよう
・TED型・コンサル型の共通で気にしなければならないこと
・あるべき論に囚われすぎないように